G-SHOCKの販売戦略を考える部署「戦略調査部」で若手マーケティング担当が取り組んでいること
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は「カシオ計算機」で働く先輩社会人にインタビュー。戦略立案時のデータ活用を推進する部署「戦略調査部」に所属する佐藤一輝さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!
2020年新卒入社
営業本部に所属。ラベルライター(テープ印刷)の営業企画を経て2年目より戦略立案時のデータ活用を推進する新設部署に所属。売上実績やブランド調査データ、お客様の声に基いたG-SHOCKのマーケティング施策の立案を実施。
ーーまず、自己紹介をお願いします。
佐藤一輝です。入社3年目(2023年3月 取材当時)で、現在はマーケティングの部署に所属しています。主にデータやお客様の声を活用してG-SHOCKの販売戦略を考える仕事をしています。
ーー具体的にどのようなお仕事をされているのでしょうか?
商品を販売するうえで、どういう戦略や作戦を立てるかといったことを企画する仕事ですね。例えば、G-SHOCKを若い人たちに届けたい場合、「G-SHOCKにどんなブランドイメージがつけば若者がもっと買いたいと思うか」ということを考えたりします。
また、G-SHOCKは男性向け、カッコいい、強い、といったイメージが強いので、どういうアンバサダーとタイアップすればいいのかといったことなども考えます。
ーー世界的に有名なG-SHOCKの仕事に携わるということについて、プレッシャーなどはありますか?
その分、いろんな人たちが関わりながらチーム一体となって動いているので、もちろん責任感は必要ですが、ストレスになるほどのプレッシャーは感じていません。
まだ入社3年目(2023年3月 取材当時)なので、自分のデータ分析が間違った解釈をしていないかどうかというところも上司に見てもらいながら進めているので、安心して仕事ができています。
ーー佐藤さんはもともとデータ分析の経験があったり、数字に強いという自信があったのでしょうか?
入社するまでデータ分析の経験はありませんでした。会社に入ってから、先輩や上司に教えてもらってちょっとずつ学んでいった感じですね。数字に対する苦手意識などはなかったのは良かったかなと思います。
ーーこの仕事の面白い点や魅力は何でしょう?
例えば、「どの色のG-SHOCKが若い方々に届きやすいか」というテーマで考えるとします。まずは青かな、赤かな、と直感で考えますが、実際に商品の売れ行きなどのデータを見てみると、自分の直感とはまったく違う結果が出ることが多いんです。そういう意外な発見があるたびに面白いと感じますね。
ーーこれまでで一番印象に残った仕事について教えてください。
G-SHOCKはグローバルに展開している商品なので、海外で働いている方と一緒に仕事する機会もあります。その中で以前、「マレーシアの若者にG-SHOCKを買ってもらうには、どういうプロモーションが必要か」というお題をいただいたことがありました。
まず、「マレーシアの若者はそもそもG-SHOCKの存在を知っているのか」「知っているけど買おうと思っていないのか」を突き止めるためにデータ分析したところ、G-SHOCKは「先進性」というイメージスコアが低いことがわかりました。つまり、マレーシアの若者たちは、「G-SHOCKは少し前に流行った商品」というイメージを持っていたんです。
さらに分析を進めると、若者たちはアニメやマンガ、ゲーム、に関心を持っていることもわかりました。そこで、「eスポーツのイベントでG-SHOCKを紹介してもらえれば効果的なんじゃないか」と提案したところ、実際にeスポーツのイベントでG-SHOCKのプロモーションをしてもらうことができました。当時のことは今も印象に残っていますね。
ーーこれまでで一番難しかった仕事、苦労した仕事などについて教えてください。
具体的な事例ではないんですけど、現在の戦略調査部という部署はまだ新しい部署で、新設されたばかりの頃は社内でもあまり知られておらず、自分から仕事を作りにいかないと暇になってしまうこともありました。
若手としては仕事がないと不安になりますから、社内でいろんな部署に営業をかけたんです。「戦略調査部はこういう仕事をしている部署で、データ分析という方法でお手伝いができます」と営業していくうちに、段々いろんな仕事を任せてもらえるようになって、今はちゃんと軌道に乗り始めたのですが、ここまでくるのはなかなか大変でした。
ーーお仕事をするうえでのこだわりやマイルールはありますか?
小さな約束を守ることですね。会議に遅れない、期限は守る、遅れそうなときは前もって伝える。すみません、ありがとうございますとしっかり言葉で伝える……など、当たり前のことを意識的に徹底するのがマイルールですね。
ーー佐藤さんが現在の部署に入った経緯を教えていただけますか?
入社当初は、海外営業部で海外の教育事業に関わりたかったんです。でも、コロナ禍もあって、カシオという会社も大きく変化しなければならないタイミングを迎えました。会社として今後、どう舵を取るかを決める重要な時期だったんです。
そのときに、会社を少しでもいいほうに変えていける人間になりたい、時代に合わせて変化できる人間になりたい、と思ったんです。そこで上司に「自分も会社を変える側に回りたい」と伝えたところ、今度新しい部署ができるから挑戦してみたらどうかって言ってもらえたんです。
ーー今後のキャリアプランについて教えてください。
会社の中で社内起業や新規事業のカルチャーを作りたいと考えています。カシオは独創的で、他の会社がやっていないことをやっていくのが強みだと思っています。私も新たな主力事業を立ち上げたいと考えています。
ーー佐藤さんはどんな学生時代を過ごしていたんですか?
力を入れて取り組んだのは大きく分けてふたつあって、ひとつはミュージカルサークルです。私は役者をやっていたのですが、当時は毎日稽古があって、終電ギリギリまで稽古するようなハードなサークルだったんです。その分、一生懸命打ち込むことができました。
もうひとつは研究です。主に幼児教育に関する学問で学んでいて、週3〜4回のペースで大学近くの小学校に行って、子どもたちと遊んだり、演劇教育のワークショップなども開かせていただきました。
ーーミュージカルや幼児教育に関心を持ったキッカケは何でしょう?
小学校の頃の夢がディズニーランドのダンサーになることだったので、ミュージカルの舞台にも関心を持つようになりました。教育については、私自身が小学生の頃に受験競争に晒されたので、もっとひとりひとりの個性が際立つ教育があればいいと思って携わるようになりました。
ーー大学時代に一番頑張ったことはなんでしょう?
大学の研究です。小学校にも何回も通った結果、先生たちとも信頼関係も生まれました。授業の中で演劇のワークショップをさせてもらったのも、2年間かけて信頼関係を築けたからです。
ーー学生時代の経験で、今の仕事に役立っていることはありますか?
小学校の先生たちと信頼関係を作るのは本当に大変でした。最初、「授業中に演劇のワークショップをやらせてください」とお願いしたときも、「それはできません」ってお断りされちゃいました。
それでも生徒たちと積極的に関わったり、先生たちに細かな配慮をしたり、何か手伝えることがあれば率先して手伝ったりすることで、時間をかけて信頼関係を築くことができました。その結果、「佐藤さんだったら授業でワークショップをやってもいいよ」と言ってもらえたんです。
そのときの経験もあって、今の仕事でも自分のやりたいことや実現したいことがあるときは、当たり前のことから着実にやっていくことが重要だと考えています。
ーー何か就活前にやったほうがいいことなどがあれば教えていただけますか?
OB・OG訪問は大事だと思っています。ネットに書いてある情報は誰でも得られるので、そこの情報に頼っているだけでは他の学生と差別化できません。だからこそ、実際に働いている人に直接話を聞きに行くのがすごく重要だと思います。
ーー最終的に、カシオに入社を決めた理由を教えてください。
カシオのインターンに参加したのですが、カシオの先輩社員が非常に暖かく迎え入れてくれて、自分たちの意見もすごくよく聞いてくれたんです。誰と一緒に働くかということは、とても重要ですが、カシオなら間違いないなと思いました。
ーーオフタイムは何をされているんですか?
VRゴーグルを使って、アバターを通じていろんなプレイヤーとコミュニケーションを取ったり、NFTのファッションアイテムを買ってみたり、新しいテクノロジーに触れることが最近のマイブームです。今後、バーチャル世界での新しいファッションの楽しみ方が増えそうですし、独特なコミュニケーションの仕方が学べて面白いですね。
ーーオフタイムを過ごす中で、何か今の仕事に役立つ部分はありますか?
マーケティングという仕事は、どういうテクノロジーが普及しそうかを見ておくのも重要です。ニュース記事を読んでいるだけでなく、実際に触ってみることでビジネスに結びつけたりもできますし、部署内で新しい情報として共有することで会話が広がったりもします。
ーー最後に、学生へのメッセージをお願いします。
コロナ禍になり、どこの会社でも変化が求められてきます。今ある会社のビジネスをそのままやり続けるのも大事ですが、「自分はこうしたい」「こう変えたい」という視点を持つと、仕事もより一層楽しくなると思います。就活はとても大変だと思いますが、ぜひ自分のやりたいことに正直になってほしいなと思います。
文:猿川佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:カシオ計算機