高橋優「ひとつのものに没頭するのにこんなにいい時期はない」#学生の君に伝えたい3つのこと

人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回はシンガーソングライターの高橋優さんが登場。デビュー15周年を迎えた高橋さんが、学生時代を振り返って力強いアドバイスをくれました。
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学生の君に伝えたい3つのこと
高橋優が<学生の君に伝えたい3つのこと>

1.あなたが好きなことに没頭してみてほしい
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
高橋優:あなたが好きなことに没頭してみてほしいです。10代って、ひとつのものに没頭するのにこんなにいい時期はないような気がするんです。僕の場合は英語の大学に行ったのに路上ライブに没頭しちゃったから、成績が悪くてギリギリの単位で卒業したみたいな人間で、それを棚に上げるわけじゃないんですが(笑)、大人になると忙しくなるかもしれないし、没頭するって結構コツがいるんですよね。
朝に始めて気がついたらもう夜になっていたというくらい没頭することってだんだんなくなってくるけど、僕はそれをずっと続けているみたいなもので。没頭するものは散歩や彼女と喋ること、ゲーム、それこそ曲を作ることや勉強でもなんでもいいんですよ。若いうちに没頭する感覚を自分の中にインプットしておけたら、それが仕事になる可能性もあるし、仕事の息抜きになる可能性もある。その感覚があることで生きていけると思うんです。
――高橋さんが今までで一番没頭したのは、やはり音楽ですか?
そうですね。最近は仕事として音楽を真面目にやるためには息抜きも大事だと思うようになって、別の没頭を探してジョギングをしたり、料理をしています。
2.「これは自分がやりたいことじゃなかった」と言いながら年を取っていく人っている

――学生のうちに見たり、聞いたりしたらいいと思うものは?
『思考の整理学』と、『自分の中に毒を持て』という本です。『思考の整理学』は大学の頃か卒業してから読んだと思うんですけど、冒頭に“グライダー人間”と“飛行機人間”がいると書かれていて、「“グライダー人間”は自力で飛び立つことはできないけど、“飛行機人間”は、自分で飛んで自分で軌道修正することができる。あなたどっちだ?」みたいなことが問われていて。「やりたくない」「これは自分がやりたいことじゃなかった」と言いながら年を取っていく人っているけど、そういうことを防ぐために自分の頭で考えたり、工夫することをわかりやすく書いてくれているんです。僕はこれを読んだときに自分がやっていることを応援してもらっているような気持ちになった、すごく面白い一冊です。
『自分の中に毒を持て』は岡本太郎さんの本で、読んでいる方も多いと思うんですけど、もう最高ですよ。「安泰とどうなるかわかんないほうのどっちを選ぶかって、当たり前じゃん。どうなるかわかんないほうを選ぶっきゃないだろ」みたいなことを言い続けているわけですよ。学生時代にヴィレヴァンで見つけて買って、もうぼさぼさになるまで読みました。引っ越すときに「もういいか」と古本屋に出したんですけど、また読みたいなと思ってそのたびに買って。自分の羅針盤じゃないですけど、どうしたらいいかわからなくなったときに読む、僕にとっての名著です。そう思っている方は多いでしょうけど、もしご存知でなかった場合にはおすすめですね。
3.あなたの好きこそがあなたの羅針盤”だと思っています
――これまで経験した中でやっておいてよかったことはありますか?
どこかで腹をくくること、ですかね。僕は大学3年生になる前から路上ライブをやっていたんですけど、その頃に授業の半分が就職セミナーになっちゃって、僕はすごく疑問で。自分の人生だし、別に就職ってみんなで一気にするもんじゃないんじゃない?と思っちゃったんですよ。
でも世の中はそうなのかと思ったときに、じゃあ自分は就職活動を路上でやっているんだなと思ったんです。ただ、みんなが頑張って就職活動しているみたいに僕も真剣にやっているのかといったらまだ生半可だなと思って、「お客さんを100人呼べなかったら坊主になります」というタイトルのライブをやって、坊主にしたんですよ。来てくれたのは98人で、あと2人足りなかったんです。
でもそうやって腹をくくった人を見るのって面白いじゃないですか。それまでお客さんもほとんどいなかったのに、そのあたりからお客さんがちょっとずつ増え出して、自分も退路を断つじゃないですけど、背水の陣みたいな気持ちで音楽に臨むようになって、「こどものうた」とか「駱駝」という曲を書くようになっていたんですよね。
だから腹をくくる感覚というか、没頭する感覚を勇気を出して優先させてみるというか。僕は上手い・下手じゃなくて、没頭や好きが才能だと思うんですよね。僕より歌が上手い人、ギターが上手な人、いい曲を書く人なんてごまんと見てきたんですよ。でも、音楽を好きなのは僕だった。だから今ここにいるんですよね。上手でも辞めていく人はいっぱいいるから、好きだけが残っていくと思っているんです。
――好きな気持ちだけでいいのかな、好きを優先していいのかなと不安に思う人も多いかもしれません。
そういうアナウンスって多いですよね。「好きだけじゃダメだよ、現実を見なよ」と言う大人たちは、自分が見てきた現実を見せたくてしょうがないんですよ。僕も見せたいです、確かに(笑)。
例えば路上ライブで「うるせえ」と言われて唾を吐かれたり、すすきので歌っていたら1万円をバーンッと投げられて「頑張れよ」と言われたら、次に通りかかった人に「うわ、1万円落ちてるぞ」と拾っていかれたり、そういうものが僕が見てきた現実で。
これをご覧になられているみなさんにとっての現実が何かはわからないし、いろんなご都合があって家業を継がなきゃいけないとか好きじゃない仕事に就くことだって、それも人生だと思います。
だからって何もかも自分の好きと関係ないものを選び続けると、スマホとかの思う壺だなと思っちゃうんですよ。僕は“あなたの好きこそがあなたの羅針盤”だと思っています。
ダークな曲があれば「黒橋優だ」、明るい曲を歌えば「白橋優だ」と言われる
――今年7月にデビュー15周年を迎えられた高橋さん。ここまでは早かったですか?長かったですか?
この15年はトピックがすごくたくさんあったなと思っていて、だから短かったとは思ってないです。長かったとも思っていないですけど。2010年がデビューで2011年に東北の震災があったり、自然災害的なことも多くあったし、パンデミックがあったり、戦争がない世界からまた如実に戦争が始まったり。すごく激動の15年間を僕なりに見つめながら歩んできたのかなと思っていますね。
――ご自身の歩みとともに社会情勢もすぐそばにあることを意識されているんですね。
そうですね、なんせライブが好きなんで。2011年だと「こんなときにライブなんかやってる場合じゃないだろう」みたいな世の中の流れがあったり、パンデミックのときもライブをすることが悪になったじゃないですか。逆に言うと、ライブができるってすごく幸せで平和ということで。世の中の動きと音楽って密接に関係あるんだなというのを感じたので、改めて奏で続けることをやっていきたいなという思いには何度もなりましたね。
――音にしたいもの、言葉にしたいものというのは、この15年間で変化はありますか?
どうなんでしょうね。自分の中では表現の幅は広がったと思っていますけど、それは逆に高橋の歌を聞いてくれているみんなに聞いてみたいです。
――反応として変化を感じることはありますか?
XやInstagramを見ていると、ちょっとダークな曲があれば「黒橋優だ」、明るい曲を歌えば「白橋優だ」と言われることがあって。それで以前日本武道館公演をやったときに、“白橋優”と“黒橋優”の2DAYSに分けたことがあったんですね。ジャンルや自分の色が何色なのかは僕自身としてはあんまり意識せずに作っているんですけど、そうやってファンの方々が受け取ってくれるということが15年間での大きな変化だと思っていますし、そう言ってくれること自体はすごく嬉しくて。
だから今回のベストアルバムで「みんなが言っているのはこういうことでしょ」と、アクティブ高橋を優勝盤、ミドル高橋を優遇盤、バラード高橋を優男盤という3枚に分けてみたんです。
世界の素晴らしい小説の主人公よりも、今を生きているあなたのほうが100倍価値がある
――ベストアルバム『自由悟然』から、大学生におすすめの一曲を教えてください!
新しい曲の「未刊の行進」はすごくおすすめですね。『奇跡体験!アンビリバボー』という番組のエンディングテーマとして書き下ろしさせてもらったんですけど、飛行機が墜落したり、クマに襲われて命からがら生き延びた人だけが奇跡の人生って言われるじゃないですか。でも、それが起こってなくても生き延びた人のことは奇跡体験と言わないのかと思ったりするんですよ。
『アンビリバボー』は大好きなので別に批判しているわけじゃなくて、僕なりの考えだと、意外とみんなに奇跡体験が起きているんじゃないかなと思うんですよね。よくよく話を聞いてくと「こういう家庭で育った」「学校でこういうことを勉強しているけど、実はこれをやりたいと思っている」とか、それぞれに独特だったり特殊なものを持っているのに、大きくまとめて「みんな普通」とベタッとペンキを塗ったり、塗られている気持ちになるときがたまにあるんです。
僕はそこに対して抗うじゃないけど、まったく耳を貸していなくて。「未刊の行進」は、要は発刊されてない、小説になってない本の行進という意味なんですけど、僕らの人生って基本的に未刊じゃないですか。これを読んでくださっている方の人生が小説化されていたら「大変失礼しました」なんですが(笑)、おそらく今これを読んでくださっているあなたの人生は誰かが本にしようとはしていないかもしれないけど、誰かが書いたどの本よりも最新の人生を生きているはずなんです。
世界の素晴らしい小説の主人公よりも、今を生きているあなたのほうが100倍価値があって、「奇跡体験は今ここにも起こってる」と僕は思っていて。楽曲を聴いてくれる方にちょっとでも「あれ、なんか人生捨てたもんじゃないかも」「自分の日々もスペシャルなものなのかな」と思ってもらえたら嬉しいなという思いで書いたので、おすすめです!

僕は音楽に対してずっと片思いしている
――「みんな普通」という周りからの言葉に耳を貸さないというお話がありましたが、周りの目を気にしないようにするのは難しいことでもあると思います。自分の視点を持つ上で大切にしていることや意識していることはありますか?
僕の場合は毎日、自分の気持ちをA4ノート3ページ分書きます。
SNSとかもすごく素晴らしい便利なツールだと思うんですが、あくまでもそれは自分の人生を豊かにする道具だと思っているんですよ。使わないのにシャベルを持ち歩いたり、家にいるだけでヘルメットを被っておく必要はないじゃないですか。SNSも必要な情報を受け取るために見るから便利なのであって、いつでもどこでも洪水のように溢れてくる情報を受け取ってなくちゃ置いていかれるという話だったら、どっちが使われているんだかわかんないですよね。
「本当はこれを食べたい」「本当はイヤだ」とか、きっとみんな自分の中の声を持っているじゃないですか。その主観をノートに書いたり、ジョギングしたり、友だちと話したりとか、何気なくやっていることが、僕にとって自分の視点を持つことに繋がっているのかもしれません。
――高橋さんのように好きなことを仕事にしたいと思っている学生も多いと思うのですが、仕事にしたら好きでなくなってしまったり、好きなものと距離ができてしまうという人もいると思います。音楽を好きでい続けるために意識していることはありますか?
そのために何かするということは特にないですね。強いて言えば慢心できないというか、満足できないということで。僕は音楽に対してずっと片思いなんですよ。ドラマでも片思いのほうが面白いけど、完全に両思いになっちゃったらつまらなく感じることがあるじゃないですか。僕の場合は幸いなのか不幸なのか、音楽に対していろんなアプローチをするけど、「いや、まだできるな」「ちょっと今回悔しかったな」という経験がすごくいっぱいあるし、音楽に振り向いてもらった経験はまだ少ないんです。
――そうやって追いかけ続けるのには、しんどさはありませんか?
しんどいですよ。でも僕は、どこにしんどさを持っていくかじゃないかと思うんですよね。どこに行ったってしんどいし、重力に反して立っているだけでしんどいんだから、じゃあ自分のこの労力を、この有り余るパワーをどこに割くかと考えることが人生の大切なことのひとつなんじゃないかなと思っていて、僕はそれが音楽だったんだと思います。だから笑われても馬鹿にされても、自分はこれなんだというものがあれば、しんどくても続けられるということな気がしますね。
――年末からはベストアルバムを引っ提げての全国ツアーがスタートします。ぜひ見どころを教えてください!
今回のツアーをぜひ高橋優との出会いのライブにしてほしいです。いわゆる定番曲や、もしかしたらテレビやCMで聴いたことのある曲とか、高橋の中でも代表的な曲をひとつにまとめたのがベストアルバムなわけじゃないですか。そこからセットリストを組んでいくわけですから、もうベストライブであり、自己紹介のライブになると思うんですよ。僕にとってライフワークであり、スタート地点としてもゴール地点としても一番重要なポイントがライブだと思っているので、この記事を読んで高橋優をちょっとでも気になっていただけた方は、これを機にライブに来てもらえたらすごく嬉しいです。

高橋優さんから学生のみなさんに手書きのメッセージ!
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PROFILE

高橋優(タカハシ ユウ)
1983年生まれ、秋田県横手市出身のシンガーソングライター。札幌の路上ライブから活動を始め、2010年「素晴らしき日常」でメジャーデビュー。「福笑い」「明日はきっといい日になる」等のヒット曲を生み出し、武道館公演や主催フェス「秋田CARAVAN MUSIC FES」を成功させるなど精力的に活動。2025年には9thアルバム『HAPPY』を発表。メジャーデビュー15周年記念ベストアルバム『自由悟然』12月10日(水)リリース。
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取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子



























