人生はRPG⁉ “氷河期世代”の就活を経験。働きながら40代で小説家に! 『誰が勇者を殺したか』著者の駄犬さんが、作品に込めた想いとは?
ガクラボ所属の大学生ライター伊藤さくら(大学2年生)です。角川スニーカー文庫より最新3巻が2025年5月30日に発売され、シリーズ累計で30万部を突破した話題作『誰が勇者を殺したか』(角川スニーカー文庫/KADOKAWA刊)原作著者の駄犬さんにインタビューさせていただきました。
「1日で一気読み」できちゃうほど のめり込める物語でしたが、駄犬さんはどんな学生時代・社会人を送ってきたのでしょうか?ストーリーを知っている人も知らない人も、ぜひ読んでみてください。
『誰が勇者を殺したか』
魔王が倒されてから四年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げる。かつて仲間だった騎士・レオン、僧侶・マリア、賢者ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めていく中で、全員が勇者の死の真相について言葉を濁す。「何故、勇者は死んだのか?」勇者を殺したのは魔王か、それとも仲間なのか。王国、冒険者たちの業と情が入り混じる群像劇から目が離せないファンタジーミステリ。
著者:著者:駄犬/イラスト:toi8 発売:2023年9月29日 定価:748円 (税込み)
発行:角川スニーカー文庫/KADOKAWA
詳細ページ:https://bookwalker.jp/defa05b1ae-3053-4536-a90c-f04f33f1e124/
構想の時代小説『壬生義士伝』。駄犬さんならではの世界や想いを盛り込んで…
本作は“勇者が死んでいる”という斬新な導入で読者を引き込んでくれますが、物語の着想はどのように生まれたのでしょうか?
構想は浅田次郎先生の『壬生義士伝』からですね。『壬生義士伝』は時代小説で、聞き取り調査から過去の人物の本当の姿が明らかになる物語なのですが、とても印象的でした。自分はそれをRPGでお馴染みの勇者を題材にして書いたわけです。
登場人物たちの個性がとても魅力的ですが、キャラクターを作る上で大切にしていることはありますか?
キャラクターを作る上で大切にしていることは、どういう人間であるのかを明確にすることです。「何故そのような行動を取るのか」「何故そんな考え方をするに至ったのか」を深掘りすることでキャラクターに説得力がでると考えています。
ちなみに、特に思い入れのあるキャラは誰ですか?
思い入れのあるキャラはマリアですね。ちょっと暗い話だったので、空気を変えようと思って、ああいうキャラクターにしました。書いていても楽しいです。
作品に込めたメッセージがあれば教えてください。
この作品には様々なメッセージを込めています。「努力」「友情」「親子の愛」「勇者とは何か」等ですが、一番は「美しさ」ですね。多分それは人によって違っていて、色々な解釈ができると思っています。
ただ、自分はそれを「人としての在り方」で示すことができると考えています。自分自身はなかなかそういう在り方ができていないのですが…いつかそうなれれば良いですね。
駄犬さんご自身が学生時代に夢中になっていたことや、今の創作に影響を与えている経験があれば教えてください。
学生時代に夢中になっていたのはMTG(マジック・ザ・ギャザリング)というカードゲームですね。創作にはほとんど影響していませんが(笑)。
ただ、本は子供の頃からずっと好きで、当たり前ですが創作には大きな影響を及ぼしていますね。後は映画を観るのが好きなんですけど、これも読書と同じくらいに創作活動に影響を与えています。映画は約2時間の枠の中で無駄なく収まっていて、とても参考になります。実際、今までに見た映画をヒントにして書いた作品もいくつかあります。
2025年5月にはシリーズの最新刊となる「誰が勇者を殺したか 勇者の章」が発売されました。最新作の見どころを教えてください!

今回はミステリーに少し寄せていて、「誰が勇者を殺したのか」を解き明かすような構成にしています。ただ、自分の作品では謎解き要素はおまけのようなもので、物語の根底に流れるものはシリーズを通して変わっていません。「勇者とは」というテーマを持たせています。そこに何かを感じて頂ければ嬉しいですね。
“氷河期世代” で過酷な就活・社会人のはじまりを経験した駄犬さんからのメッセージ
最後に、読者の学生にメッセージをお願いいたします!
自分はいわゆる“氷河期世代”で、就職活動のときは50社くらい応募しました。ようやく1社受かったのですが、そこがブラックな会社だったので…2ヶ月で辞めてしまいました。
職歴がないので再就職も難しく、アルバイトから小さな会社の社員になって、そこで4年くらい勤めて、転職して今の職に就いています。
現在の会社で働きながら小説を書いて、40代半ばで夢だった作家になれたので(兼業ですが)、人生は意外と何とかなります。なりたい自分を目指して頑張ってください。

取材を終えて…
ライトノベルというジャンルを読むのは初めてだったのですが、タイトルから引き込まれて、文字通り「1日で一気読み」したほど面白かったです!「勇者を殺した犯人を他のパーティーメンバーが探すストーリーかな?」とミスリードを誘うタイトルから、その意味がキャラクターの立場によって変わるストーリーの精巧さに、読む手が止まりませんでした。 パーティーメンバーそれぞれの個性が垣間見える勇者との向き合い方も、人間味があって素敵でした。個人的なお気に入りは、最後に描かれている「こんな人たちが現実世界にもいればいいのに」と思わせてくれる後日譚です。ぜひみなさんも読んでみてくださいね。
『誰が勇者を殺したか』を3名様にプレゼント!詳しくはこちら取材・文/伊藤さくらさん(ガクラボ所属)
編集/学生の窓口編集部

























