「TWICEに会えますように」…“韓流元年”から20年経てなお進化し続ける「K-Culture」、次の変化は?『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』#Z世代pickブック

こんにちは! 韓国・慶煕大学で学んでいた いと(東京外国語大学 4年生)です。
日本だけでなく世界でも多くのファンがいる韓流ドラマ。学生のみなさんの中にも好きな方も多いのでは?中には親や祖父母3世代で韓国ドラマ“沼”にハマっている、なんて方もいるでしょうか…?
今回は、そんな韓国ドラマが発展を遂げた25年間の歴史や背景を読み解くことができる書籍『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)第7章 次に来る韓流は何か?より、一部を抜粋してお届けします。
韓流の変遷
十年ひと昔というが、日本に来て気づけば20年が過ぎた。20年という歳月は、生まれたばかりの赤ちゃんが大人になり、社会で認められるまでの時間と同じだ。日本のNHK生まれたBSで韓国ドラマ『冬のソナタ』が放送された2003年を、日本では「韓流の元年」と呼ぶ。一人の人間が成長するこの20年、日本における韓流も2023年で20周年を迎えた。
日本を含むアジアでは「韓流」世界では「K-Culture」として知られる韓国の大衆文化がここまで拡大したのは、一体何が要因だったのだろうか。それは、一つのドラマ、一曲の歌、一人の監督や脚本家の力だけではない。また「ストーリーが優れている」「パフォーマンスが抜群」「アイデアが斬新」といった単一の理由だけで説明できるものでもない。明らかなのは、 「韓流」や「K-Culture」が単なるブームにとどまらず、20年間にわたり挑戦と成功、そして失敗を繰り返し、世界市場で注目される優れた輸出文化商品へと成長してきたということだ。
一時的な流行で終わるかと思われた韓流は、進化し続ける道を拓き、世界的な地位を確立した。現在ではより多様で多面的に発展を遂げている。この20年間にわたり韓流が続き、さらに世界的な文化として成長し得たのには、確かな理由があるのだろう。ある日、通勤途中に日本の小学生たちが大声で話しているのを耳にした。「これ知ってる?韓国では、だるまさんがころんだで動いたら死んじゃうんだって」「怖い!本当にそうなの?」 「うん、韓国ドラマに出てくるんだよ」
日本では七夕の時期になると、人が集まる場所にクリスマスツリーのような大きな竹が飾られ、各自が願いを書いた短冊を吊るす。私の住むマンションでも毎年ロビーに七夕飾りが設置され、住民たちがそれぞれの願いを書いた短冊を枝に掛ける。ふと見かけた「TWICEに会えますように」と書かれた短冊が今も忘れられない。『冬のソナタ』から始まった60〜70代の元祖韓流ファン層から、韓流という言葉さえ知らない小学生世代に至るまで、韓国のコンテンツは日本を含め世界との交流とコミュニケーションを促進する役割を果たしている。さまざまな世代が韓流を楽しみ、それは国と国との文化的なつながりと相互理解を深める重要な要素となっている。韓国の大衆文化、エンターテインメント、コンテンツを象徴する言葉「韓流」は、いつから使われ始めたのだろうか。表7-1に示されているように、1997年にドラマ『愛が何だって』が中国に輸出されたことが韓流の始まりとされている。このドラマの成功を皮切りに、韓国ドラマやK-POPグループH.O.T. のアルバムが中国で注目を集め、1999年には中国のメディア『北京青年報』が、韓国コンテンツとそれを通じた韓国文化の盛り上がりを「韓流」と名付けたといわれている。
一方、韓国国内では、 『愛が何だって』が「韓流」という言葉を生み出すきっかけになったと認めつつも、韓国ドラマが初めて海外に輸出された作品『ジェラシー』こそが韓流の起源であるとする主張もある。また、中国に先立って台湾のメディアが韓国ドラマを取り上げたことや、韓国政府(文化体育観光部)が韓国音楽を広報するために作成したアルバムの名称が『韓流』だったという説も存在している。「韓流」という名称の起源が何であれ、ドラマや音楽といった韓国コンテンツが海外で成功を収めた後に認識された文化的現象であることは明らかである。
韓国コンテンツをきっかけに広がった「韓流」は、この20年以上で大きな変化を遂げてきた。表7-1は、韓流の変遷をコンテンツのグローバル展開に基づいてまとめたものである。この間に4回の大きな変化があり、それぞれには火付け役となるコンテンツが存在し、それを契機に海外市場への進出が活発に行われた。単なるブームにとどまらず、コンテンツビジネスのモデルとして日本で定着した韓流は、韓国コンテンツ産業の海外進出や日韓関係において非常に重要な役割を果たしている。表7-2で示したように、日本における韓流も4回の変化を経験しており、その影響はコンテンツにとどまらず、観光、ファッション、飲食、韓国語学習など多岐にわたっているこれにより、日本国内ではシェアカルチャーやコミュニティを通じて韓国文化そのものへの関心が高まった。さらに、小説、アプリケーション、Eコマース、コリアタウン商圏など、多方面の産業にも波及効果を与え、「共に創る、共に成長する」という共生的な関係が築かれているといえる。
しかし、韓流は外部から接する韓国文化を象徴するものである一方で、それが受け入れられる過程で韓国の意図とは異なる形で伝えられる可能性もある。このような現象は、韓国の文化的アイデンティティを維持する上で困難を招く場合があり、特に国家間の社会的・政治的状況に大きな影響を受けるという点で、期待と懸念が入り混じっている。
もちろん、肯定的な期待も存在する。特に、日本における韓流は、単に市場を拡大し、韓国文化に対する認識を高めるだけでなく、日韓の協力を通じて相互の意思疎通と交流が進むことが期待される。一方的な文化の受容や享受にとどまらず、相互協力を通じて新しい文化を創造することで、両国間の理解を深める上で重要な役割を果たすだろう。

Z世代ブックピッカーのレビューコメント
ここ2、3年で爆発的に韓国ブームが来ているように感じていましたが、20年以上前から韓流ブームの歴史は続いていたんですね。コンテンツにとどまらず、韓国文化そのものへの関心が高まっているのは、普段の生活でも感じる部分です。著者の黄さんがおっしゃる通り、日韓の関係は政治や社会の状況に左右されざるを得ないのが現実ですが、今のようなカルチャーを通じた対話と交流が続いていくことを私も願っています!
『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』
「冬のソナタ」から「イカゲーム」まで25年間の挑戦と試行錯誤の軌跡!
韓国のコンテンツ発展の大きな転換点となったのは、1997年の通貨危機とIMF救済であったことはご存知でしょうか?
この時期、韓国ドラマは従来の華やかなトレンディドラマから、家族愛や絆を描くIMF型ドラマへと変化。これが後の「韓国ドラマらしさ」を形成する要因となったと言います。
近年では、Netflixなどのグローバルプラットフォームの台頭により、制作会社の立場が強化。従来の放送局主導の制作から、制作会社が企画・開発から権利管理まで一貫して手掛ける「スタジオシステム」への移行が進んでいる。また、若手クリエイターの育成や共同執筆システムの導入など、新たな試みも活発化しているそう。
韓国コンテンツの成功に日本のコンテンツビジネスは何を学ぶべきか?を読み解ける一冊です。
著者:黄仙惠
定価:1,650円(税込) 発行日:2025年3月21日
詳細ページ:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-3132-3
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