韓流ドラマのOSTはなぜ心に残るの?日本ドラマとの“使われ方”の違いを分析!『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』#Z世代pickブック

いと(大学生ライター)

お気に入り!

あとで読む

こんにちは! 韓国・慶煕大学で学んでいた いと(東京外国語大学 4年生)です。

日本だけでなく世界でも多くのファンがいる韓流ドラマ。学生のみなさんの中にも好きな方も多いのでは?中には親や祖父母3世代で韓国ドラマ“沼”にハマっている、なんて方もいるでしょうか…?

今回は、そんな韓国ドラマが発展を遂げた25年間の歴史や背景を読み解くことができる書籍『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)第3章 テレビ局とドラマ制作会社の住み分けより、一部を抜粋してお届けします。

セリフの代わりにOST―ドラマ人気の立役者

2024年7月からテレビ朝日で放送されたドラマ『スカイキャッスル』は、高級住宅街に暮らす上流階級の妻たちが、富や権力を巡って繰り広げる壮絶な競争や家庭の苦悩を描き、社会階層や教育熱の実情に迫った作品である。このドラマの原作は、2018年に韓国で放送された『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』であり、最終話の視聴率が23.8%を記録するほどの人気作であった。
日本版リメイクとなる『スカイキャッスル』は、2年前に放送された『六本木クラス』と同じスタッフによって制作された。 『六本木クラス』も韓国ドラマ『梨泰院クラス』を日本向けにリメイクした作品であり、これら両作品は日韓共同制作の象徴的な例となっている。また、両作品ではストーリーのみならず、テーマ曲も原作をカバーしており、ドラマの世界観や映像のテンポを原作に極めて忠実に再現している点が特に印象的である。韓国ドラマ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』のテーマ曲「We All Lie」は、日本版では歌手miletによってカバーされた。また、六本木クラス』では、 Gahoの「Start」がTHE BEAT GARDENによって「Start Over」としてカバーされている。このような「オリジナル・サウンドトラック」(OriginalSound Track 、以下OST)は、ドラマの物語や登場人物の感情を一層際立たせ、視聴者に深い没入感を与える重要な役割を果たしている。
韓国では、ドラマと同様にOSTもファンから愛されており、K-POPアイドルや著名アーティストが参加することが一般的である。OSTは単なる付加価値にとどまらず、ビジネス面でも重要な収益源となっており、ドラマ放映後、ドラマコンサートの開催やCD販売などの二次的なマーケティングや収益の機会を提供している。例えば、第4次韓流ブームのきっかけとなったドラマ『愛の不時着』は、2022年10月に東京、大阪、愛知で「愛の不時着オリジナルコンサート〜ラブロマンス編〜」を開催した。このようにドラマ単独でOSTコンサートが開催されたことは、ドラマの人気の高さを示している。さらに、 翌年にはフルオーケストラによるOSTの演奏と、 名シーンを厳選して編集した「愛の不時着オリジナルコンサート〜ラブロマンス編〜フィルム上映会」も企画され、ドラマの世界観を深く楽しむ機会が提供された。

ドラマのOSTコンサートを開催するには、音源や映像の使用許可が必要となり、権利処理は非常に複雑である。特に日本と韓国間では、権利者や関係企業が多岐にわたるため、各種許可を取得するには多くの手続きが伴う。私は2018年と2019年の2年連続で「Drama Original Sounds Korea」を企画・運営したが、こうした権利調整の難しさを痛感した。音源や映像の許可を得るためには、制作会社や配信プラットフォームなど複数の関係者と何度も交渉を重ねる必要があり、スムーズに進まないことも多かった。
しかし、このような苦労を経て開催されたOSTコンサートは、ドラマファンにとって貴重な体験であり、作品への愛着をさらに深める機会となる。その結果、視聴者との絆が強まり、韓国ドラマの国際的な人気を後押しする効果も生まれた。
また、OSTは日本と韓国の音楽コラボレーションを促進し、日韓の相互理解と文化交流の架け橋としても役立っている。例えば、フジテレビのドラマ『シグナル長期未解決事件捜査班』では、BTSが主題歌「Dont Leave Me」を担当し、この曲はストリーミング再生回数が1億回を突破した。また、東方神起やStray KidsといったK-POPグループも日本のドラマやアニメで主題歌を担当するなど、日韓アーティストのコラボが活発化している。さらに、韓国ドラマ『太王四神記』では久石譲、『青い海の伝説』では吉俣良、映画『天命の城』では坂本龍一が音楽を手掛け、坂本龍一は2018年の「第23回釜山国際映画祭」でオープニングセレモニーに出演し、「今年のアジア映画人賞」を受賞するなど、日韓の文化交流に大きく貢献している。
OSTは、歌詞やメロディーに作品のテーマと感動を込め、ドラマの世界観を視聴者に伝える役割を果たす。こうしたOSTの影響力は、今後も日韓のエンタメ分野での協力を促進し、文化的なつながりをさらに深めていくだろう。

Z世代ブックピッカーのレビューコメント

私も韓国ドラマのOST、本当に大好きです。日本のドラマでは、お話の終盤に曲がかかってエンディングという形が多い気がしますが、韓国ドラマでは、物語が盛り上がるところでタイミングよくOSTが流れますよね。なので、OSTを聞くたびドラマのシーンが思い出されるんです。(みなさんはどんなOSTを思い出しますか?)OSTコンサートがあることは知らなかったのですが、ぜひ行ってみたいです。

『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』

「冬のソナタ」から「イカゲーム」まで25年間の挑戦と試行錯誤の軌跡!

韓国のコンテンツ発展の大きな転換点となったのは、1997年の通貨危機とIMF救済であったことはご存知でしょうか?
この時期、韓国ドラマは従来の華やかなトレンディドラマから、家族愛や絆を描くIMF型ドラマへと変化。これが後の「韓国ドラマらしさ」を形成する要因となったと言います。
近年では、Netflixなどのグローバルプラットフォームの台頭により、制作会社の立場が強化。従来の放送局主導の制作から、制作会社が企画・開発から権利管理まで一貫して手掛ける「スタジオシステム」への移行が進んでいる。また、若手クリエイターの育成や共同執筆システムの導入など、新たな試みも活発化しているそう。
韓国コンテンツの成功に日本のコンテンツビジネスは何を学ぶべきか?を読み解ける一冊です。


著者:黄仙惠
定価:1,650円(税込) 発行日:2025年3月21日
詳細ページ:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-3132-3

『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』の他ページも読む

この書籍をプレゼント!詳しくはこちら

"韓国語を学ぶ”のではなく、“韓国語で学ぶ” 留学ってどんな感じ?慶煕大学での学生生活をのぞき見!

語学が苦手でも、日韓関係を前進させるために!高麗大学への留学を決めた想い、大変だと思うところは?

いと(大学生ライター)

いと(大学生ライター)

映画を見ることや旅行に行くことが好き。最近はソウル市内の小さな映画館を訪問することにはまっています。

記事一覧へ

関連記事

「大学生活」カテゴリの別のテーマの記事を見る

おすすめの記事

合わせて読みたい

編集部ピックアップ

学生の窓口会員になってきっかけを探そう!

  • 会員限定の
    コンテンツやイベント

  • 会員限定の
    セミナー開催

  • QUOカードPayが
    貯まる

  • 抽選で豪華賞品が
    当たる

一歩を踏み出せば世界が変わる無料会員登録

この記事に関連するタグ

あなたのきっかけを探そう

気になる #キーワード をタッチ

テーマから探そう

あなたへのきっかけが詰まった、6つのトビラ

会員登録でマイナビ学生の窓口をもっと楽しく!

閉じる
マイナビ学生の窓口に会員登録(無料)すると、
お気に入り機能などを利用してもっと便利にご活用いただけます!
  • 抽選で豪華賞品が
    当たる

  • 会員限定の
    学割でお買い物

  • 会員限定の
    セミナー開催