落ち込んだ時に元気が出るようなものを作りたい。ハーゲンダッツの生産管理を担う先輩にインタビュー #先輩ロールモデル
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろいろな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は、世界中で愛されるアイスクリームを扱うハーゲンダッツ ジャパンの先輩社会人にインタビュー。安心・安全かつ安定的な生産に貢献する加藤里奈さんに、ハーゲンダッツ ジャパンでの業務内容や学生時代のエピソードについて、お話を伺いました。
ハーゲンダッツ ジャパンで生産管理を担当。 製品への異物混入対策、製品を効率的に製造するためのコスト改善、設備の導入における必要な能力や仕様検討を担当。学生時代は読書サークルの代表や陸上部のマネージャーとして周囲との関わりを大切に過ごす。
――自己紹介をお願いします。
ハーゲンダッツ ジャパン ものづくり本部 生産部に所属しております、加藤里奈と申します。2022年に入社して、今年で3年目になります。
――お仕事内容について詳しく教えてください。
防虫対策を中心とした商品への異物混入対策の業務や、製造工程を見直してコスト面や安全面の改善を進める業務などを行っています。また、アイスクリームを入れる箱などの包材や工場に導入する設備が適切な能力を保持しているか検証する業務も担っています。
私の所属する部署は工場に駐在していますので、工場の現場に近いということを活かして業務を進めています。 実際に原料を投入したり、アイスクリームを充填したりする業務ではなく、製造現場である工場と本社をつなぐパイプ役のような業務をしています。
――大まかな1日のスケジュールを教えてください。
本社の出勤は9時なのですが、生産部の工場駐在メンバーは工場の出勤時刻に合わせて8時15分に出勤しています。その後、現場から要求された設備を発注するための書類を作成したり、異物対策に関する打ち合わせを行ったりして、午前中を終えます。
昼食は、工場にある食堂で食べることが多いです。午後は、設備の検証を現場で行い、15時頃から検証結果をまとめて報告書を作り始めます。定時が16時45分ですので、その時間には業務を終えて帰宅します。代表的な1日の流れは、こんな感じです。
付け足すと、おやつの時間に工場で製造した新製品を試食できる場合もありますよ(笑)。
――ハーゲンダッツ ジャパンに入社を決めた理由を教えてください。
大学では食品の機能性に関する研究をしていたので、当初はその研究を活かせる場所への就職を考えていました。しかし、コロナウイルスの影響で楽しいことが何もできなくなってしまったときに、身近にある美味しい食べ物こそが人を幸せにする力を持つということを強く感じ、食品そのものに興味を持つようになりました。
その中でも、皆が食べて幸せになれるものを考えたときに、ハーゲンダッツだと思ったので、弊社を志望しました。また、選考過程を通してお話しした社員さんの雰囲気がとてもよく、一緒に働きたいと思ったことも理由の1つです。
――仕事に役立つ資格はありますか。
※群馬工場 クリスピーサンド製造ライン
就職後に取得した資格ですが、品質管理に関するQC検定や、アルコール分を含む原料を取り扱うことがあるので危険物取扱者乙種4類といった資格は役立っています。
特にQC検定は、試験勉強を通じて、工場での品質を適切に維持するための管理手法などを身につけることができ、有意義だったと思います。
今は冷凍機の仕組みに関する第3種冷凍機械責任者という資格勉強をしたり、アイスクリームやチーズなどの乳製品の製造技術関する通信講座を受講したりして、スキルを身につけています。
――入社後もたくさんの勉強が必要なのですね。安全な製品を提供する上で、加藤さんが大切にしていることがあれば教えてください。
設備の仕組みやラインの流れを十分に理解することです。そうすることで、設備にどんなリスクがあるか、トラブル発生時にどういう対応をとればよいかを把握することができ、商品の安全性に繋がると思うからです。
――印象に残っているお仕事のエピソードを教えてください。
※群馬工場 アイスクリームの充填
工場の現場研修で、アイスクリームの製造業務をしていた時期のことが印象に残っています。入社1年目に半年間担当しました。実際に製造を経験することで、設備の仕組みや現場の方の高い品質意識を理解することができ、非常に勉強になりました。
この半年間が今の自分の業務にとても役立っています。
――どんな大学生活を送っていましたか。
※大学時代に所属していた陸上部
一言で言えば、人と積極的に関わることを意識した大学生活を送っていました。私は読書サークルの代表や陸上部のマネージャーとして活動をしていました。
また、アルバイトは居酒屋で頑張っていました。どの活動もメンバーやお客様にとって必要なことを意識して、日々励んでいました。
――就職活動中に意識していたことを教えてください。
この人と一緒に働きたいと思ってもらうことが重要だと思い、周囲の人とどのような関わり方ができるかをアピールするようにしていました。さまざまな活動を通じて人とどう関わったかを整理し、自分の言葉で説明できるようにしました。
――就職活動で上手くいかないことがあったとき、どのようにモチベーションを維持していましたか。
私は研究室の同期が同じ業界を志望していたので、皆で情報共有や進捗を相談しながら就活をしていました。落ち込んでしまったときは、そうした仲間たちと一緒に励まし合いリラックスできる時間を作るようにしていました。それこそアイスクリームを食べながら(笑)。
また、こうしたシチュエーションは、落ち込んだときに元気が出るようなものを作りたいという、仕事に対するモチベーションの再認識にも繋がっていました。
――学生のうちにやっておいた方がよいことを教えてください。
学生は時間に余裕があることが強みだと思います。社会人になると、柔軟に活動がしづらくなってしまうという側面がありますので。いろいろな人と関わり、いろいろな話を聞き、たくさんの刺激を受け、自分の世界を広げておいてください。自分が将来どういう生き方をしたいかを考え始めておくと良いのではないかと思います。
こういう人生を送りたいと思えたら、そこに向かって頑張れるはずです。
――加藤さんのモットーを教えてください。
「Keep & Challenge」です。 この言葉は、私が通っていた中学校の学校目標です。校長先生の「昔からの強みや伝統をキープし、更に新しいチャレンジをしていくことで、よりよい学校にしていこう」という言葉が、当時の私の心に響きました。自分が成長する上でもこの言葉は大事だなと思い、モットーにしています。
――モットーを体現したエピソードはありますか。
※大学時代に所属していた読書サークル
はい。まず「Keep」の部分についてです。私は読書が趣味で、幼い頃からずっと本を読み続けてきました。大学では読書サークルで代表を務め、読書が好きなメンバーを集めて輪を作ったり、作家さんをお呼びしたイベントを開いたりするなど、たくさんの経験をしました。多くの人と関わる縁が生まれ、自分の好きなことを続けてきて良かったと思いました。
また、大学生時代、環境問題の解決策について英語で議論するというプロジェクトに参加しました。初めは難しそうだなと思いましたが、皆で相談しアイデアを形にする過程で、いろいろな人の意見を素直に受け入れる姿勢や考えを整理して伝える力が身に付き、自分の糧になりました。新しいことに「Challenge」してよかったなと思いました。
――最後に大学生へメッセージをお願いします。
これから就活をするにあたって精神的に辛い時期が来てしまうと思います。ただ、不安な気持ちが大きすぎると、いざというときに普段の自分が出せず良さを見てもらえない、というもったいないことが起きてしまうかもしれません。ですので、前向きな気持ちに切り替えて面接に臨んでほしいと思います。皆さんが志望する企業で前向きに働けるように応援しています。本日はありがとうございました。
取材:近 由梨子(ガクラボメンバー)
執筆:浅井 宏允(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:ハーゲンダッツ ジャパン