【冷房と除湿どっちがいいの?】熱帯夜に効率的なエアコンの使い方は? #もやもや解決ゼミ

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熱帯夜に効率的なエアコンの使い方は?

日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。今回の疑問は「熱帯夜を過ごすための効率的なエアコンの使い方は?」です。

盛夏となってエアコンが大活躍する季節ですね。しかし、電気料金が上がってエアコンを使いすぎるのもなあ……と気になる昨今です。

 この暑い季節にエアコンをどのように使えばいいのでしょうか。今回は『摂南大学』理工学部建築学科の宮本征一教授に教えてもらいました。宮本先生は温熱環境工学、人間工学に深い造詣を持っていらっしゃいます。


「ちょうどいい温度」に設定しよう!

家を「体を休める機能を持つ“リラックス”する場所」なのか「体を“リフレッシュ”する場所」なのか、どちらと考えるのかによってエアコンの使い方も変わってきます。

体をリラックスしてまた会社、大学に行くのと、リフレッシュするのとではエアコンの使い方は変えた方がいいのです。

気を付けたいのは、リフレッシュする場所と考える場合の温度設定です。この場合、寒いと感じる低い温度に設定しがちですが、その場合、体に負担が掛かります。

部屋の温度は、その人にとって「ちょうどいい温度」であることが大事です。エアコンはちょうどいい温度を目安に使用しましょう。これは性別によっても変わります。

通常エアコンを設定する温度は、男性の場合には26度くらい、女性の場合には28度くらいで大丈夫です。

人は暑さ寒さを感じない温度から1~2度の温度低下でも急速に不快になることが分かっています。ですので、エアコンの設定温度を下げるときには「少し高め」に設定するのがお勧めです。

タイマー設定はつけっぱなしがお勧め!

エアコンをタイマー設定で使う人もいらっしゃるでしょう。しかし最近は、夜でも25度以上という熱帯夜が多く、寝苦しくて起きてしまうこともあります。

エアコンを再度タイマー設定でつけて……ということをしていると十分な睡眠が取れません。また、寝ている間に熱中症といった事態を避けるためにも、エアコンはつけっぱなしの方が安全です。温度を上げておけば、「肌寒い」といったことも避けることができます。

風のある・なしで体感温度は違う!

着ている物によって体感温度は大きく変化します。また風の有無によっても変わります。同じ30度の気温で、

1.スーツで風あり
2.Tシャツ短パンなどの薄着で風あり

1と2を比較すると、2の場合には26度くらいの心理的気持ちになります。

着ている物を工夫して、風を利用すると、エアコンの温度設定を上げることができるわけです。電気料金が上がっている昨今、エアコンの温度設定を1、2度上げると消費電力を減らすことができ、電気料金はずいぶん違います。

部屋に帰ったときに行うべき「2ステップ」!

エアコンの使用を少なくするには、家に戻ったときに、まずは空気を入れ替えることを考えましょう。

あなたがいない間、昼間には熱がこもりっぱなしになっています。まずはその熱を外に逃がします。

夏に駐車し続けのクルマに乗り込むときには、まずドアをバンバンと開け閉めをして、車内の空気を外に出すことが有効です。

同じことを家に戻ったときに行いましょう。ドアや窓を開けて風の通り道を作り、こもった熱を外に出します。

空気を入れ替えたら、次にエアコンを使いましょう。この方が電気代が安く済むはずです。

STEP1:こもった熱を換気で追い出す
STEP2:エアコンで温度を下げる

という2ステップで対処するのがお勧めです。

扇風機をうまく使おう!

サーキュレーター、扇風機をうまく使うのもお勧めです。風が当たると体感温度は下がります。風があると、1、2度上がっても過ごせます。

首の後ろ、おなか、足元など、風を当てる場所はそれぞれの好みによって変えて大丈夫です。ただし、顔に風を当て続けるとドライアイになったりしますので、その点には注意してください。

建物によって熱の逃げ方は違う!

最近ではRC(鉄筋コンクリート造)の建物が多いですが、このRCの建物は熱をためやすいという性質を持っています。

昔の木造造りの建物は、日が暮れれば温度が下がるのですが、RCの場合には熱が逃げにくいのです。そのため、RCの建物に住んでいらっしゃる場合には、エアコンはつけっぱなしの方がいいでしょう。

「高気密・高断熱」は電気代も安く済む!

国の方針で、住宅は「高気密・高断熱」を追求するように進化しています。断熱性能の高い住宅では、そもそも熱が入ってきにくくなっています。

入ってくる熱が少ないのであれば、涼しく過ごせるように住宅内から排出しなければならない熱も少なくて済みます。つまり、エアコンを使う量も減り、電気代も安く済むわけです。

部屋で快適に過ごすための「ポイントは3つ」

快適に過ごせるかどうかには、

1.建築(ハード)
2.住宅設備(ハード)
3.生活の工夫(ソフト)

という3つのポイントがあります。

「1」は、その住宅がRCか木造かといった点。「2」はエアコンなどの快適さを作り出す設備、「3」は着衣や風を通すといった生活する上での工夫です。

いわばハードウエアの部分とソフトウエアの部分があるわけです。

「1」と「2」は簡単には変えられませんが、「3」は自分で変えることができます。普段の格好を涼しいものにしたり、風を通したりすることでより快適に過ごせるようになります。

対角線で風の通り道を作る

これはよくいわれることですが、風を通すためには「対角線で開口部を作る」のがお勧めです。例えばワンルームの部屋であれば、ベランダとドアを開けて風の通り道を作り、熱のこもった空気を外に出し、新鮮な空気を入れます。もし、ドアを開けっ放しが気になるようでしたら、キッチンの換気扇を回してみてください。

着衣もいろいろ選択してみよう!

これも「3」になりますが、着衣の選択もポイントです。繊維メーカーも頑張っていて、「接触冷感」という服が登場しています。これは皮膚の熱を外に伝えやすい繊維を用いたもので、体感温度を下げることができます。このような服をチョイスするのも一つの工夫です。

サーキュレーターのうまい使い方!

サーキュレーターや扇風機は窓に向かって使ってみましょう。部屋の中の空気を強制的に外に追い出し、新鮮な空気を中に取り入れる効果があります。

また、冷たい空気は重いので下に沈みます。エアコンを使っている場合には、上の方だけ暑いということになりがちですが、サーキュレーター、扇風機を併用することで室内の空気をかき回すことができ、体感温度を下げることにつながります。

西日対策には「すだれ」が効果的

日射が一番強いのは12時ですが外気温が一番高くなるのは14時くらいです。建物に蓄熱されているため、部屋の温度は下がりにくく、西日が部屋に入ると温度が上がり、暑さを感じ続けます。一度入った光は熱となってなかなか出ていきません。部屋の中にこもってしまいます。

対応策としては光を差し込まないようにすることです。

昔ながらの「すだれ」は光を遮断するので効果的です。また、すだれに水を含ませるのもいいでしょう。水が蒸発するときに空気から熱を奪います。そのため、すだれを通って部屋に入る空気が温度の下がったものになります。

冷房と除湿のどちらがいいの?

エアコンには「冷房」運転の他に「除湿」運転があります。どちらがいいか?というと、これは使う人の好みによるところが大きいです。

まず、冷房運転でも除湿は行っています。

また、人が涼しいと感じるかどうかについては「温度」が一番関係しています。ですので、暑い・寒いで快適に過ごせるかどうかでいえば、冷房運転で温度を下げるのが効果的です。

冷房運転と除湿運転で何が違うのかを考えてみましょう。

エアコンの冷房運転は、簡単にいえば部屋の中の熱を外に排出しています。エアコンの室外機から熱い風が出ているのは、部屋の中の熱を外に逃がしているのです。

一方の除湿運転は、文字どおり空気から水分を除きます。

冷たいペットボトルを部屋にの置くと周りに水滴がつきますね。あれがまさに除湿運転が行っていることです。つまり、空気中の水分を奪っているわけです。

人間は汗をかいて、汗が気化するときに体表の熱が奪われることで温度を下げます。そのため汗をかくと涼しく感じます。

ただし、湿度が高い場合には、汗をかいても気化熱の効果が得られにくくなります。このようなときには除湿運転が向いています。

汗をかいて体温を下げるのを助けるわけで、除湿はいわば「汗を出しやすくして心地よさを上げる」ものです。

一方で汗をかくというのは、体から水分が失われることですから生物にはよくないともいえます。そのため水分補給をこまめにする必要があります。

冷房運転と除湿運転で消費電力は変わるか? つまり、電気代に差が出るかですが、エアコンの機種によっても異なります。これは、各エアコンメーカーに聞いて確認するのがよいでしょう。

一つ言えるのは、家電の性能は向上しており、最新機種ほど省電力で動くようになっています。冷房にしろ、除湿にしろ、最新のエアコンを使った方が電気代は安く済むでしょう。



◇けつろん!

エアコンの使い方次第で、室内の快適さは大きく変わります。特に睡眠時は、暑いからといって単に温度を下げるだけでは、逆に不快な環境になってしまう可能性があります。快適に過ごすためにも、部屋の温度や衣類、また空気の流れなどを意識してみてください!


◇教えてくれた先生

宮本征一
『摂南大学』理工学部 建築学科 教授。博士(工学)。

研究分野は、社会基盤(土木・建築・防災)/建築環境(温熱環境)、建築設備。日本建築学会、人間-生活環境系学会、空気調和・衛生工学会、日本生気象学会等の複数の学会に所属。主な研究には「床冷暖房を有する温熱環境の快適感に関する研究」「人体を含む放射熱授受に関する研究」「サーマルマネキンを用いた着衣熱抵抗に関する研究」「人体に快適な室内温熱環境に関する研究」などがある。


文:高田バイオリン@dcp
編集:学生の窓口編集部

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株式会社デジタル・コンテンツ・パブリッシング
編集プロダクション。コンテンツを制作する「よろず屋」です。取材をして原稿を書き、編集、校正を行って多くのWebメディアに納品しています。https://dcp.jp.net/

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