【モヤモヤを解決!】UFO映像の影響⁈ アメリカで再び「UFO」熱が高まっているのはなぜ? #もやもや解決ゼミ

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※画像はイメージです。(写真AC)アメリカで再びUFO熱が高まっているのはなぜ?

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最近またアメリカでUFO熱が盛り上がっているのはなぜ?

UFOは「Unidentified Flying Object」の略で、日本語では「未確認飛行物体」と訳されます。最近では「UAP」という言い方が一般的になっており、こちらは「Unidentified Aerial Phenomena」の略で、日本語では「未確認空中現象」です。

「物体(Object)」ではなく「現象(Phenomena)」になっている点が新しいですし、物体でなくてもいいので、「空中で生じる理由の分からない現象」ならなんでも「UAP」と呼べます。

最近また特にアメリカ合衆国で「UFO」「UAP」が盛り上がっています。これはなぜなのでしょうか?

今回は、しばしば日本最強のデバンカー※1と呼ばれる皆神龍太郎先生に答えていただきました。

※1デバンカーとは、超常現象やオカルトを懐疑的、科学的に調査する人のことです。

米国が認めたのは「何だか分からないものを調査しています」だけ

アメリカで再びUFO熱が高まっているというのは「今までUFOの存在を認めなかった米軍がついにその存在を認めた」と誤解されている点が大きいのではないかと思います。



↑2020年05月27日、米国防総省が「UFOの目撃を示すものとしてネット上に流出した3本の映像」が、米軍のパイロットが撮影した本物であることを認めた――と報じる『産経ニュース』:YouTube『産経ニュース』チャンネル。



先に流出していた3本のUFOビデオ(上掲動画を参照)を国防総省が「米軍が撮影したものだ」と認めたのは確かです。

ですが、米空軍は1969年まで足かけ20年以上「プロジェクト・ブルーブック」※2を運営し、すでにずっと以前からUFOについて調査を行ってきました。



※2「Project Blue Book(プロジェクト・ブルーブック)」1952年3月から1969年12 月まで存在した、米空軍による未確認飛行物体の研究のコードネーム。アメリカ・オハイオ州のライトパターソン空軍基地にプロジェクトの本部が存在した。同計画の目標は、

1.UFOが国家安全保障に対する脅威であるかどうかを判断すること
2.UFOを科学的に解明すること

だった。同計画では何千ものUFO目撃情報が収集され、分析されたが、新たな科学的知見が得られるという可能性が低いと判断され、1969年12月17日に終了した。


また、そもそもUFOという単語を公式に採用したのも米空軍なので、米政府がUFOの存在を認めなかったことなど、今まで逆になかったわけです。

ただ大事なのは、どのような意味でUFOという言葉を使ってきたか、という点です。米軍は正体不明なもの、つまり「未確認飛行物体」という字句通りの意味でUFOという単語をずっと使ってきており、認めなかったのは「UFOが宇宙人の乗り物」という解釈についてだけです。

なぜアメリカ国防総省は「動画を撮影したのは米軍」と認めたのか?

今回、なぜ事前に流出したUFOビデオを「自分たちが撮影したもの」と公に認めたのかという点ですが、これは「秘密情報を外部に漏らしたといった形で糾弾するのは得策ではない」と判断したからでしょう。

もしそのようなことをしてしまったら「米軍はやっぱり極秘のUFO映像を国民から隠していたじゃないか」「他にもあるはず。全部出せ」と国民からさらに追及されることになる――という「一番嫌な結果」に終わるのは火を見るより明らかでした。

それよりも「米軍はUFOについて真摯に調べます」というポーズを取った方が米国民からの受けは良いと考えたのではないか、と思われます。

UFOあるいはUAPは「宇宙人の乗り物」を意味しない!

アメリカでUFO熱が再燃しているのは「米軍がUFOを宇宙人の乗り物(エイリアン・クラフト)だと認めた」という誤解によるものです。

上記のとおり、米軍は昔から「UFOの存在」を認めており研究をしてきました。ただし語源通りの「未確認飛行物体として」です。最近一般的になった「UAP」も同じで、「未確認空中現象」として存在することは認めているのです。

しかし、決して「UFO(あるいはUAP) = 宇宙人の乗り物」とは言っていません。

米軍としては「なんだか分からない物がアメリカ領空を飛んでいます。しかし、何もしていません」では、国の安全保障上、国民に対して申し訳が立ちません。議会からも「お前たちは何をやっとるんだ。なぜ放っておくんだ」と突き上げられかねません。

その正体がなんであれ調べておかないと仕方がないですし、また調べますという態度を取った方が国民に納得してもらえます。ですので、損得までいろいろ考えて流出したUFO映像を「米軍が撮影したもの」だと国防総省が認めたと思われるのです。

ですが、決して「宇宙人の乗り物を撮影した」とは言っていない点を見逃さないでください。正体不明の物体、あるいは現象を撮影した、と言っているに過ぎません。


◇けつろん!

アメリカで再びUFO熱が再燃しているのは、米軍が撮影した動画が流出し、それを国防総省が「確かに米軍が撮影したもの」と認めたのが発端のようです。

ただし、国防総省は「宇宙人の乗り物を撮影した」などとは決して述べていません。

ここに理解の齟齬があり「やっぱり米軍は宇宙人の乗り物を撮影していたんだ」と誤解し、盛り上がってしまったようです。米軍が撮影したのは「不思議な物体、あるいは現象」に過ぎず、誰もそれを「宇宙人の乗り物」などとは言っていないのです。


文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部


◇教えてくれた先生
皆神龍太郎

 Profile

疑似科学ウォッチャー。『と学会』運営委員。ASIOS会員。しばしば日本最強のデバンカーといわれる存在。『UFO学入門 伝説と真相』(楽工社)、『あなたの知らない都市伝説の真実:だまされるな! あのウワサの真相はこれだ! 』(学研パブリッシング)など著書多数。また、オカルト・超常現象の真相を追求するNHK番組『幻解!超常ファイル』にも度々解説者として出演。https://twitter.com/debunkerjp

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株式会社デジタル・コンテンツ・パブリッシング
編集プロダクション。コンテンツを制作する「よろず屋」です。取材をして原稿を書き、編集、校正を行って多くのWebメディアに納品しています。https://dcp.jp.net/

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