【Think Globally, Act Locally 世代や分野を超えてSDGsを形に】 京都大学地球環境学堂・学舎 環境教育論分野 浅利美鈴研究室の取り組み

図1:京都大学地球環境学舎浅利研究室メンバー
日本、アメリカ、ブルガリア、コロンビア、モンザンビーク、ケニア、タイ、中国、韓国など、世界中からの学生らが日々、持続可能な社会(SDGs)・環境問題について研究している。
わたしたちのSDGsに対する考え方
国外では、アジア・大洋州やアフリカ諸国等の廃棄物対策、環境意識・行動変容の研究を通して、適正な環境管理の普及促進の要となる成果を出すことを目指しています。国内では、里山である京都市の京北地域や、市街地の山科地域等で、地域の持続可能性を探求した産官学民連携のSDGs教育モデルの開発を目指しています。プラスチックや食品ロス、炭素中立社会のライフスタイル、消費者の意識・行動なども、注目しているテーマです。大学内では、サスティナブルキャンパスモデルの構築を目指しています。ここからはSDGsとつながるわたしたちの活動をご紹介します。

図2:地域や企業の方々、京都市門川市長とともに、地域ごみゼロ大作戦。
クリーンアップの収穫物の様子
図3:プラスチック製品の理解を深めるために、学生団体(エコ~るど京大)メンバーと開発した京都大学「プラ・イド」チャート
トピックス(1) 環境側面―ごみ問題解決のため
SDGs|目標13 「気候変動に具体的な対策を」
SDGs|目標14 「海の豊かさを守ろう」
SDGs|目標15 「陸の豊かさを守ろう」
ごみ管理・3R、持続的なプラスチック利用、災害廃棄物管理など、資源循環について実践的に研究しています。研究室内では、分別・リサイクル、コンポストやリユースコーナー運営等、各種団体のモデルとなるべく徹底した環境配慮行動を日々実践しています。これらの研究・実践により、国内外の資源循環システム構築に貢献しています。
図4:京都市立安朱小学校の児童が『SDGsノート』を使って、浅利研究室メンバーと意見交換。
詳細:https://eco.kyoto-u.ac.jp/sdgs/kyoto-times/3681/
図5:京都市立京都京北小中学校の生徒たちは、地域の課題解決や魅力発信に繫がるようなイベントの企画案を、地域で発表を行うと同時に、それを実際に形にして魅せた。
詳細:https://eco.kyoto-u.ac.jp/?p=7248
トピックス(2) 社会側面―広がるSDGs学習の輪
SDGs|目標4「質の高い教育をみんなに」
SDGs|目標11「住み続けられるまちづくりを」
産学公民が連携し、地域における持続可能性・SDGsの達成に向けて考え、行動、発信するネットワークの中枢を担っています。地域の持続可能性・SDGsをテーマにした教育を核としたプログラムを開発し、国内外で導入されることを目指しています。
京都大学地球環境学堂・学舎 浅利研究室とは?
(1)持続可能な開発のための教育、(2)コミュニティ・レジリエンス、(3)循環型・低炭素社会システムなどについて研究・教育・社会貢献活動を実施しています。現場に根ざしたコミュニティベースのプロジェクトなどを実施することにより、理論と実践が融合した研究を行うことを目指していています。また、企業や市民団体、国際機関、行政と協働で実施するインターンやプロジェクト(京都超SDGsコンソーシアムなど)を通じて、コミュニティに根差した教育やコミュニケーション、環境管理、持続可能な開発に関する手法を開発することを目指していています。
■URL
https://eco.kyoto-u.ac.jp/sdgs/kyoto-times/
わたしたちの先生
浅利 美鈴(あさり・みすず)
京都大学/京都超SDGsコンソーシアム
2000年、京都大学工学部地球工学科卒業。2004年、工学博士。現在は京都大学地球環境学堂准教授。研究テーマは「ごみ」や「環境・SDGs教育」。世界中の「ごみ」や暮らしぶりを観察して歩く日々を送る。社会の縮図として、京都大学のサステイナブルキャンパス化にも取り組む。学生時代に「京大ゴミ部」を立ち上げ、環境啓発・教育活動に取り組み始め、2005年からは、京都議定書達成に向けた「びっくり!エコ100選」、エネルギー問題にアクションを起こす「びっくりエコ発電所」、京都におけるSDGs実装を目指す「エコ~るど京大」や「京都超SDGsコンソーシアム」「京都里山SDGsラボ(ことす)」などを展開。廃棄物資源循環学会や大学等環境安全協議会の理事、2022年11月に第15回を開催する「3R・低炭素社会検定」の事務局長も務める。
文責:京都大学地球環境学舎 張馨キ