馬語が分かる!「動物と話したい」子どもたちの願いにこたえる馬語の入門書『ウマと話すための7つのひみつ』 #Z世代Pick
こんにちは!リリースピッカーの湯川です。犬や猫は尻尾の動きや仕草で気持ちや感情を読み取ることができます。実は馬の気持ちも行動から読み取ることができるのです。今回は馬の気持ちを理解することができる絵本をご紹介します。馬と触れ合う機会は少ないですがこの本を読んだら実際に馬に会って気持ちを理解したくなるはずです。
株式会社偕成社(出版社 本社:東京都新宿区 代表取締役社長:今村正樹)は、『ウマと話すための7つのひみつ』(河田 桟 文・絵)を2022年10月15日に刊行。
与那国島で馬と暮らす著者による「馬語」の入門書
日本で最も西に位置する島、与那国島には、野生に近いかたちで暮らす馬「与那国馬」がいる。本作は、与那国島で、馬を相棒に暮らす河田桟さんが、馬の世界に入り込んで発見した7つのひみつを伝える。
馬語のひみつその1:ウマは体の動きで、いまの気持ちを伝える
馬語のひみつその2:ウマにもいろいろな性格がある
馬語のひみつその3:きみがウマを見ているとき、ウマもきみを見ている
馬語のひみつその4:ウマが心地いいと感じる距離は、いつも少しずつ変わりつづけている
馬語のひみつその5:ウマにはウマのリズムがある
馬語のひみつその6:ウマといっしょの時間をすごすうちに、きみのアンテナは敏感になる
馬語のひみつその7:きみが人でも、ウマから馬語で話しかけてもらえる(かもしれない)1つの方法
ここではひみつのその1とその3をご紹介。
馬語のひみつその1:ウマは体の動きで、いまの気持ちを伝える
馬は人間のようにことばを話しませんが、表情や体の動きで、周囲に自分の気持ちを伝えている。
▲「耳のことば」のページ。耳を開いているときは「くつろいでいる」、耳をあちこちに動かしつづけているときは「落ち着かない」、耳をひきしぼるように後ろにたおしているときは「怒っている」とき。
馬語のひみつその3:きみがウマを見ているとき、ウマもきみを見ている
馬の目は、顔の横についているので、視野がとても広い(なんと340度!)。つまり、こちらが一方的に馬を見ているつもりでも、実は馬もこちらを見ているかもしれない、ということ。馬が不快に感じる位置には、立たないようにしよう。
▲ウマが見えないのは後ろだけ。そこにだれかがいると、なんだかいやな気持ちがして、思わずけってしまうことがあります。だから、ウマの後ろには立たないでね。(本文より)
また、馬が「居心地がいい」と感じられる距離を保つこと(馬はほかの馬や人間との距離感を大切にします)。馬のリズムは、たいてい人間よりゆっくりで、時々すごく速いこと。馬に話しかけるときは、少し遠くで、なにもせず、目を合わせないでじっと待つこと。そんな、馬となかよくなりたいなら知っておきたい、とっておきのひみつが7つつまった絵本。
与那国島で出版社を立ち上げ、刊行したウマの本3冊がロングセラーに
作者の河田桟さんは、馬と暮らすために与那国島に移住し、カディという名の馬を相棒に暮らしている。与那国島で、カディブックスという出版社を立ち上げ、今までに『馬語手帖—ウマと話そう』『はしっこに、馬といる—ウマと話そうII』『くらやみに、馬といる』の3冊を上梓した。
河田さんが、馬たちの世界に入りこんで感じたこと考えたことを綴ったそれらの文章は、馬という生きものの素晴らしい魅力を伝えるとともに、私たちがそういう生きものや自然、そして私たち自身や社会と、どんなふうにゆたかに向き合えるのかという可能性に開かれたものであった。そのことが多くの人の共感を呼び、取次を通さない限られた流通にもかかわらず、ロングセラーになっている。
著者からのメッセージ&編集部だより公開中!
本作のあとがきに、河田さんは次のようなメッセージを書かれている。
動物と話せたらいいなあ、と夢見るこどもは多いと思います。わたしもそういうこどものひとりでした。空想するのも楽しかったですが、わたしは「ほんとうに」動物と話したかったので、その方法がわからないのが少し残念でした。
やがてわたしは馬と出会い、その存在に響きあうものを感じて、与那国島で馬と暮らすようになりました。島には、ほぼ野生状態で生きる馬たちがいます。わたしの相棒となったカディも、もとは野生の生まれです。そうして自然のなかで馬の世界に入りこみ、長い時間をともに過ごすうちに、馬たちのユニークで豊かなコミュニケーションのありかたが見えてきました。しぐさひとつひとつの意味に気づくたび、わたしは驚き、笑いました。まるで馬からたいせつな秘密を教えてもらったみたいに感じたのです。
人と動物の関係は、これから大きく変化していく気がしています。その未来を馬とともに歩むかもしれないこどもたちに、わたしが教えてもらった秘密を手渡せたらうれしいです。
また、Kaiseiwebでは編集部だよりを公開中。本作を企画するにあたって、与那国島を訪れた編集者が、河田さんの相棒・カディとはじめて会ったときのようすをつづっている。
▲編集者が与那国島を訪れたときの風景。
人と動物、ひいては自然との関係は、これからの世界を作っていく子どもたちにとっても大切なテーマ。この本がその関係がゆたかなものになる一つのきっかけになってくれればと願っている。ぜひ貴媒体でご紹介いただければ幸い。
著者紹介
文・絵 河田 桟
馬飼い・文筆業。2009年、馬と暮らすために与那国島に移住。カディブックスを立ち上げ、出版活動をはじめる。著書に『馬語手帖—ウマと話そう』(2012年)、『はしっこに、馬といる—ウマと話そうII』(2015年)、『くらやみに、馬といる』(2019年)がある。
書籍詳細
書名:ウマと話すための7つのひみつ
文・絵:河田 桟
定価:1,430円(税込)
判型:25cm×19cm
対象;小学校低学年から
初版:2022年10月15日
編集/湯川むく(学窓ラボメンバー)