テレビ番組でもたびたび特集が組まれるなど、いまだに「城ブーム」は衰えていません。最近では美しい城の写真をSNSにアップするなど、若い世代にもファン層が拡大しています。しかし、実際に城を見に行くとなると、まずどこに行けばいいのでしょうか？ 本シリーズ記事では、初めて城巡りに挑戦する際におどおどしないよう、『公益財団法人日本城郭協会』協力の下、お勧めの城や見学の際に注意することなどをまとめました。今回は、「初心者にお勧めの城」をご紹介します。

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城選びのポイントは？

まずは、『公益財団法人 日本城郭協会』の中島陽子さんに聞いた「城選びのポイント」を以下にまとめました。

●城選びのポイント1 観光地化された城を選ぶ
最初は案内版など観光設備が整備された城や、観光ガイドのいる城がお勧め。また、山城はハイキングコースになっているなど道が整備されている場所を選ぶこと。観光地化されていない場合はどこに行けばいいか、どこを見ればいいか分かりにくく、整備されていない場所は危険なので最初は避けるべきです。

●城選びのポイント2 できるだけ形が残っている城を選ぶ
現存する城跡には、石碑が立っているだけなど、当時の遺構がほとんどない場合も少なくありません。石碑だけ見ても当時をイメージしたり、面白味を見つけたりするのがなかなか難しいので、できれば復元されている城や、形が残っているところに行く方が楽しめます。

●城選びのポイント3 地元にある城に行く
日本には城は4～5万あるといわれており、城がない地域はほぼないといっても差し支えないほど。有名な城を見るのも面白いですが、せっかくなら「わが町の城」など、身近なところからスタートするのもお勧めです。郷土への理解や興味が深まるかもしれません。

城選びの際は、上記のポイントを踏まえ、どこに行くのか決めてみてはいかがでしょうか。

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初心者にお勧めの城はどこ？

次に、中島さんに「初心者にお勧めの城」を聞いたところ、以下の5つが挙がりました。

●市街地にあるお勧めの城

・姫路城（兵庫県）

・松山城（香川県）

・熊本城（熊本県）※現在修復中

いずれも城そのものだけでなく、縄張り（外郭などを含めた城全体の構造）が残っている城です。城自体の魅力だけでなく、「城」というもののスケールの大きさや迫力が、初めてでも理解しやすいのがポイント。城マニアの支持も厚く、最初の一歩としてもお勧めなのだそうです。

●お勧めの山城

・山中城（静岡県）

・杉山城（埼玉県）

自然の中に建てられた山城跡でお勧めはこの2つ。どちらも建物は一切残っていませんが、城がどのように建っていたのか分かりやすい状態で遺構が保存されていたり、山の高低差がそのまま感じられるようになっていたりします。「自然の要塞」であった名残を垣間見ることができます。

中島さんの推し城は？

最後に、中島さんが推している「お勧めの城」を以下にまとめました。

●中島さんお勧めの城1「江戸城」（東京都）
江戸時代は城の改築、修理に幕府許可が必要で簡単には行えませんでした。しかし、江戸城は幕府の政庁のため許可が不要だったので、修理や拡張が積極的に行われ、常に最新の状態にアップデートされてきたといいます。中島さんいわく「江戸時代から残る城の中では個人的に最高のものだと思っています」とのこと。

●中島さんお勧めの城2「熊本城」（熊本県）
復元作業が積極的に行われてきたので、現在でも変わらぬ迫力を感じることができる人気の城です。石垣も立派で、内部も入り組んだ設計。進んでも進んでも天守にたどり着けないのも面白いのだそうです。現在は修復中で立ち入れる場所が限定されているため、修復が完了したらぜひ足を運んでみてください。

●中島さんお勧めの城3「金田城」（長崎県）
長崎県対馬にある、600年代に築城されたといわれている古い山城。中島さんによると、「建設道具や加工道具が近代ほど発達していない中で築かれた興味深い城。古代の技術の高さを知る事ができて面白いです。一部危険な箇所があるのでルートなどしっかり確認して登城してください」とのこと。

解決!!「城巡りおどおど」（初心者お勧めの城編）

今回は、初心者が城選びをする際のポイントやお勧めの城をご紹介しました。まずは、多くの観光客が訪れる人気の城や、初心者にお勧めの城から始め、慣れてくるにつれて、対象を広げてみるといいでしょう。中島さんが挙げた江戸城、熊本城、金田城など、城マニアの「推し城」を参考にするのもいいですね。次回は、「城巡りをより楽しむ方法」です。お見逃しなく！

文：大西トタン＠ｄｃｐ
編集：マイナビ学生の窓口編集部

取材協力：『公益財団法人 日本城郭協会』
http://jokaku.jp

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