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日本の中核となる都市では鉄道が発達しています。東京、名古屋、大阪、福岡と例外はありません。渋滞が発生する自動車移動ではかかる時間が読めませんが、鉄道はほぼほぼ遅延が発生しないため移動手段には最適です。しかし、地方から都市に出てくると、巨大な駅、乗り換えの複雑さにおどおどしてしまうもの。

当シリーズ記事では、おどおどしてしまう駅、鉄道路線の攻略ポイントについてご紹介しています。今回は東京を離れ「名鉄名古屋駅」です。

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「名鉄名古屋駅」が「カオス駅」といわれる原因は……

名古屋鉄道（略称「名鉄」）の「名鉄名古屋駅」は、しばしば「カオス駅」「迷駅」と呼ばれます。

 しかし、先にご紹介したJR渋谷駅のように立体的で乗り換えに迷うとか、JR東京駅のように巨大すぎて迷うとか、そういう意味で「カオス駅」なのではありません。ホームは3つしかなく、4番線までしかないのです。

1・2番線には下り（名鉄岐阜・津島・犬山方面）の列車が入線します。3・4番線には上り（東岡崎・豊橋・碧南・豊田市・西尾・中部国際空港・河和・内海方面）の列車が入線します。

方面の表示だけでどれだけあるんだ――とイヤな予感がすると思われますが、「行き先表示」ではこれがさらに増えます。

時刻表の表記から拾ってみると以下のようになります（2022年05月13日現在：以下同）。

下り列車

岩倉

犬山

佐屋

新鵜沼

新可児

須ケ口

津島

名鉄一宮

名鉄岐阜

弥富

上り列車

伊奈

河和

吉良吉田

金山

国府

常滑

新安城

神宮前

西尾

太田川

知多半田

知立

中部国際空港

東岡崎

内海

豊橋

豊川稲荷

豊明

鳴海

行き先だけではなく、列車の種別も以下のように多様です。

[快急]:快速急行

[ミュ]:ミュースカイ(全車特別車)

[特一]:特急(一部特別車)

[快特]:快速特急(一部特別車)

[特全]:特急(全車一般車)

[急行]:急行

[準急]:準急

[普通]:普通

※特別車は座席指定車両です。

しかも、名鉄名古屋駅は超過密ダイヤです。

通勤・通学ラッシュになる時間帯、8時台に名鉄名古屋に発着する列車は、 

・上り：28本

・下り：28本

で、約2分に1本です。

このように、行き先・列車の種別も入り乱れ、その上過密ダイヤでひっきりなしに列車が行き来します。ホーム3つ、線路2本でこれをさばいているのが名鉄名古屋駅なのです。

 これではカオスになって当然です。

 愛知県の地名と位置関係、自分の目的の駅が名鉄の何線にあるのかを理解していないと、どの列車に乗っていいのか全く分からないでしょう。初見の場合、次々に来る列車を呆然と見送ることになってしまいます。

「カオス状態」は乗り入れ路線の多さによる

名鉄名古屋駅が上掲のようなカオス状態になる原因は、まず「乗り入れ路線の多さ」にあります。名古屋鉄道は、その名のとおり愛知県名古屋市を中心に各路線が愛知県の重要な都市、中部国際空港、岐阜までを含め血管のように結んでいます。

次に「路線の構造」です。

上掲のとおり、まるで名古屋が心臓で血液を送り出すかのように各路線が延びています。各路線を走る列車が名鉄名古屋駅を通過します。名鉄名古屋駅が終点だったりすればまだ分かりやすいのですが、通過するので上掲のとおり「行き先」が入り乱れます。 つまり、路線の構造自体が「名鉄名古屋駅」をカオス駅にしているといえます。