上白石萌歌の“18歳のころ”「初の挫折を味わい、大人への一歩を踏み出したとき」

編集部:あこ

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著名人の方々に、自身の18歳のころを振り返っていただく連載企画“18歳のころ”。大人と子供の狭間でもある18歳は、未成年から成年年齢に変わる歳でもあり、多くの人が高校を卒業して新しい道を歩むタイミングでもあります。憧れのあの人の18歳のころを知ることで、これからの人生を送る上でのヒントを見つけられるかもしれません。

池井戸潤さん原作、竹内涼真さん・横浜流星さんW主演で話題を集めている映画『アキラとあきら』が8月26日に公開。今回は、今作で初めて会社員役に挑戦した上白石萌歌さんに、18歳で経験した挫折、大人になったと感じた瞬間について話していただきました。

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18歳は初の挫折を味わい、大人への一歩を踏み出したとき

――18歳の頃を振り返って、印象的なことはありますか?

私にとって初挫折が18歳で。ちっちゃな挫折はそれまでもあったんですけど、作品をやっていく上で「自分はこのままでいいのかな」と初めて立ち止まって考えたのがそのときでした。だから18歳だった2018年は楽しいことばっかりじゃなくて大変というか(笑)、しんどかったこともたくさんあったし、大人への一歩を踏み出したときでもあったなぁと思いますね。

――そのとき経験したのはどんな挫折だったのでしょうか?

自分の中で『義母と娘のブルース』という作品が大きくて、求められているものと自分ができることの差をすごく感じたんです。そのときは結構面食らっていたんですけど、それを乗り越えたときに頑張ってよかったなと思えたので、19歳くらいでやっと道が開けたというか、「越えたな」と感じました。18歳ってちょうど大人と子どものあいだじゃないですか。もう高校生じゃないし、大学生で大人への足踏みみたいな期間だと思うので、私は揺らいだり、気持ちが安定しなかったことが多かったんです。成人の年齢も下がって自覚を持てと言われる時期だと思うので、今の18歳は大変だろうなと思います。

――上白石さんは20歳で成人したときに、大人になったなと感じたことはありましたか?

20歳は全然まだ子どもだと思ったし、成人したからといって変わったなと感じたことはあんまりなかったですね。最近やっと、ちょっと大人になってきたかなという感じで。

――どういうときに大人になったと感じますか?

「この日が休みなら、この時間に新幹線を取ってここに行こう」とか、自分が行きたいところにひょいと行けちゃったり、自分でいろんなものを選択できるようになって、行動範囲が広がったときですね。たくさん揺らいだ10代半ばから18歳を越えた今はいろんなことが楽になって、年々いろんなことが楽しくなっているなと感じています

18歳の自分に「いっぱい悩んだり、実践してね」と言いたい

――もし声をかけられるなら、18歳の自分に言いたいことはありますか?

今の悩みと18歳での悩みは全然違うから、そのときのできる限りの力でいっぱい悩んだり、実践してねと言いたいです。年を重ねたら立ち止まれなくなっちゃうと思うから、ちゃんと立ち止まって考える時間を作ったほうがいいなぁと思います。

――18歳の読者へエールをお願いします!

18歳の頃に見つけた好きなものはこの先ずっと続いていくと思うんです。だから自分を忘れてしまうくらい好きなものとか、熱中できるものをひとつでも見つけておくといいと思います。音楽や映画が好きとか、仕事以外でそういう自分が救われる存在をひとつでも持っていると、その先のよすがというか、頼れるものになるはずです。

――上白石さんにとっての救われる存在はどんなものですか?

私はエンタメ全般です。ライブに行ったり、映画を映画館で見たり、舞台を見たりとか。最近は結構映画館に行けていて、『ベイビーブローカー』を見て「是枝監督の最新作はこんな感じか〜」と感じたり、奇妙礼太郎さんというアーティストのライブに行って、自分が好きな声を直接浴びたり。そういうことはすごく大事だなと思います。私は幸い、自分が携わっているものを見る側として楽しむのもすごく好きなので、エンタメ熱をずっと持ち続けているという感じですかね。

やっと自分も大人の仲間入りができるんだなと感じた

――上白石さんが出演された映画『アキラとあきら』が8月26日に公開されますが、池井戸潤さんの作品へはどんな印象を持っていましたか?

池井戸さんの作品はドラマや映画で視聴者としてよく拝見していて、企業の中で信念を貫く姿とか、人のまなざしの強さみたいなものはいつも感じていて。今までは自分が携わるにはまだ幼すぎるところがあったんですけど、今回お話をいただいて、やっと自分も大人の仲間入りができるんだな、大人になっていくんだなと実感しました。人として何かを貫くことの大切さみたいなものをいつも池井戸さんの作品から受け取っていたので、私も届ける側としてそういうものを生み出せたらいいなとも思いました。

――今回の『アキラとあきら』については、原作や脚本を読んでどんな印象を持ちましたか?

一言で言うと骨太な作品で、みんなまっすぐだし泥臭いし、完璧じゃなくて、それでも自分の信念を曲げない強さを持っていて。登場人物で女性がほとんど登場しないので、自分がこの役として出るときにどういう要素であるべきかは考えましたし、私は社会人役が初めてだったので大人としての振る舞いみたいなのを意識しながら、初めてづくしを楽しもうと思っていました

――今回演じた水島カンナという役柄はどんな人物だと思いましたか?

銀行員としてはまだまだ一人前じゃない新入社員なんですけど、銀行員ってどんな感じなんだろうなと考えたときに、私の中では曲線美というよりは直角的な美しさというか、洗練された動きのイメージがあって。でもカンナちゃんはそういうスマートさの中にも、愛嬌とか自分の好きなものにすごく熱を注ぎ込んだり、(竹内さん演じる)山崎と(横浜さん演じる)階堂を見て目を輝かせるようなシーンもあるので、茶目っ気みたいなものを作品の中に取り入れられたらいいな、そのバランスを心掛けられたらいいなと思って演じました。

――社会人という役柄に新鮮さや難しさは感じましたか?

名刺交換ひとつにしても私にとってはすごく新鮮だったので、そういう社会人としての振る舞いや所作を勉強し直したり、クランクイン前に融資の勉強をちょっとやったり、ビジネスマナーについての本をちょっと読んでみたりして、「社会人とは?」みたいなものを(笑)、自分の中で想像してから入りました。劇中でも名刺交換するシーンがあって、撮影現場で見たことはいっぱいあったんですけど、実際に自分がやるとなると緊張してしまって。自分の名刺があることも、何もかもが新鮮でしたね。

竹内さんと横浜さんはバランスが素敵な二人だった

――山崎と階堂、そしてそれぞれを演じた竹内さんと横浜さんの関係はどう見ていましたか?

竹内さんの骨太な感じや自分を貫く感じと横浜さんが持っている繊細さは、役ともとのおふたりが持っている要素と近いものを感じて。一緒にいるだけでお互いにないものを補っている感じや一緒にいて完成するみたいな感じがすごくしたし、おふたりが揃ったときに現場が湧き立つ感覚もあって。劇中ではすごくバチバチとにらみ合うシーンが多いですけど、現場ではすごく仲が良さそうでバランスが素敵な二人だなと感じました。

――竹内さん、横浜さんとはどんなお話をされましたか?

私は全体のクランクインから少し遅れて入ったので、もう作品の世界観が完全に出来上がっていたんですけど、おふたりは体作りについてのお話をよくしていて(笑)。割と男同士の会話を感じた瞬間があったので、そこはちょっと身を引いたり、ちょっと分かんないなと思いながらも聞いたりして(笑)。3人で話すときは本当に他愛もないことで、占いの話とかですね。

――完成した作品をご覧になった感想を教えてください。

なんかドキドキしました(笑)。普通に「頑張れ!」と思っちゃって。これまでは学生役や家族の一員という役が多かったのが、社会を意識するような役をいただけたことはすごくありがたいですし、今まで求められなかったようなことを求めていただいたなと感じました。

――作中で「運命」「宿命」という言葉が出てきますが、お仕事をしていて「運命だな」「縁があるな」と感じることはありますか?

人って生まれる前からある程度の道筋みたいなものが決まっていて、そこを辿るだけなのかなと考えたりすることがあって。となると、自分の今の仕事は運命であり宿命だから、ちっちゃな選択はあるにせよ、あらかじめ決まっている道を歩いていくものなのかなと感じたりします。特にこの仕事は巡り会わせというか、運とか縁が重なってできるものだなと思うことがあるんで、そういう境遇の不思議さみたいなことは感じます

――このタイミングでこの作品に携わったことは、どんな意味があったと思いますか?

大人への扉をちょっと叩けたような気がしますし、「大人へようこそ!」という感じで(笑)、この映画が大人へと大きく迎えてくれたような感じもします。やっぱり作品と社会って切り離せないし、これからも世の中を意識して作品を作っていくと思うんですけど、その入り口にやっと立てたような気持ちになりました。

子ども心を忘れない大人になりたい

――カンナは先輩である山崎や階堂に憧れていましたが、上白石さんにとって理想の大人像は?

私はずっと幼心や遊び心を持っている大人にすごく憧れていて。振る舞いはすごく大人でも、子どもの心を忘れていない人ってずっと若々しくて自由な感じがするので、頭でっかちになりすぎないようにしたいなというか。大人だけど、ちゃんと自分の子ども心みたいなものを忘れない大人になりたいです。

――現段階で、そこに近づけていると思いますか?

いや〜(笑)、まだまだ子どもだなと感じることがありますね。でも私はお仕事を始めたのが早かったので、想像以上に内側が老け込んでいるような気もして(笑)。だから子ども心を忘れないように、ちゃんとはしゃいだりしたいなと思います。

――今作を見たあと、その先の毎日を生きる元気や力をもらえるように感じました。上白石さんにとっての毎日の楽しみや、元気をもらっているものは?

食べることが好きで、今は自分で冷麺を作るのにハマっていて。私は焼肉のあとに食べる冷麺が好きなんですけど、それをおうちで作ってみようと思って、最近作っているんです。麺とスープは取り寄せてある盛岡冷麺を使っているんですけど、食べたいものの材料を集めて自分で作ることがモチベーションになっているので、その時間は大事にしています

――ちなみに冷麺の定番の具は?

本当に普通です(笑)。半熟の卵とチャーシューとトマトときゅうりと、キムチ。あとはスープをすだちに変えてみたり。すごくおいしいです。

上白石萌歌さんから学生のみなさんに手書きのメッセージ!

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PROFILE

上白石萌歌

2000年2月28日生まれ、鹿児島県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、デビュー。近年の主な映画出演作に『羊と鋼の森』(18)、『未来のミライ』(18/声の出演)、『劇場版ポケットモンスター ココ』(20/声の出演)、『子供はわかってあげない』(21/主演)、『KAPPEI カッペイ』(22)などがある。現在放送中の連続テレビ小説「ちむどんどん」に出演中。

映画『アキラとあきら』8月26日(金)全国公開

父親の経営する町工場が倒産し、幼くして過酷な運命に翻弄されてきた山崎瑛〈アキラ〉。大企業の御曹司ながら次期社長の椅子を拒絶し、血縁のしがらみに抗い続ける階堂彬〈あきら〉。運命に導かれるかのごとく、日本有数のメガバンクに同期入社した二人は、お互いの信念の違いから反目し合いながらも、ライバルとしてしのぎを削っていたが、それぞれの前に〈現実〉という壁が立ちはだかる。〈アキラ〉は自分の信念を貫いた結果、左遷され、〈あきら〉も目を背け続けていた階堂家の親族同士の骨肉の争いに巻き込まれていく。
そして持ち上がった階堂グループの倒産の危機を前に、〈アキラ〉と〈あきら〉の運命は再び交差する‒‒

©2022「アキラとあきら」製作委員会

映画『アキラとあきら』

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取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子
編集/学生の窓口編集部

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