商品『たまごっちスマート』はどのように生まれた? バンダイの「企画」という仕事に迫る #株式会社バンダイ【お仕事図鑑】

編集部:ゆう

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安田 江利果さん
株式会社バンダイ グローバルトイ企画部 企画1チーム

入社後、玩具の営業を経て「たまごっち」の企画・開発担当部門に異動。2021年11月に発売された『たまごっちスマート』では、同製品の企画・開発からプロモーションまで全てに携わる。

2021年11月23日に『たまごっちスマート』という商品が発売されました。液晶にタッチして操作可能、マイクでたまごっちとコミュニケーションが取れるなどの新機能を搭載しており、「令和のたまごっち」として話題になりました。

今回は、この『たまごっちスマート』の企画・開発を担当した『株式会社バンダイ』の安田江利果さんに、企画・開発という仕事の内容や魅力などを伺いました。

商品の企画からプロモーションまで全ての工程をプロデュース

――どのような仕事を担当しているのか教えてください。

私は『たまごっち』の企画・開発を担当しています。企画と聞くと、「どのような『たまごっち』を作るのかを考える仕事」のように思えるかもしれませんが、それだけではありません。商品のコンセプトだけでなく、デザイン、工場と開発スケジュールの調整、プロモーションにおけるCMやホームページでの発信方法など、スタートからゴールまで全てをプロデュースすることが私の仕事です。

――ひとつの商品を発売するまでに、どのような仕事を行うのでしょうか?

まずは商品のコンセプトを考えることです。例えば、私が担当した『たまごっちスマート』の場合は、2020年の春ごろに「令和のたまごっち」として「画面にタッチして操作できるたまごっちができないか」と考えました。そこからコンセプトを固める作業がスタートしましたが、「スマートなたまごっち」という形に決まったのはもう夏でしたね。

――根本ともいえる作業ですから、やはり時間がかかるのですね。

頭の中にある「漠然としたアイデア」を、はっきりとしたコンセプトに固める作業には時間がかかります。私も何度も上司や営業担当、ときには役員へ企画を提案し、繰り返し考えを練り直しました。

それから、秋になって具体的な商品の仕様や遊びの内容を考え、冬にはプログラムを作る会社との打ち合わせ。並行して本体のフレームを作る海外の工場と調整したり、どのようなCMにするのかなどをプロモーションチームとも考えたりします。こうした作業を経て、2021年11月に発売……と。これが『たまごっちスマート』で担当した一連の仕事とその流れです。

大ヒット商品を生み出したときの達成感は格別

――仕事の面白い点は何ですか?

『たまごっち』を担当する面白さは、やはり会社の看板商品を任されていることでしょうか。自分が幼いころからある、人気の商品をまさか自分が担当するとは思わなかったので感慨深いです。お客さまからの反響も大きいので、非常にやりがいを感じています。

また、私たちが扱っているのは生活必需品ではなく、エンタメ商品なので本当に面白いと思ってもらえるものでないと手に取ってもらえません。簡単ではありませんが、今回の『たまごっちスマート』のように、多くの人が「欲しい」と思えるような商品を生み出すことができたときの達成感は格別です。

――反対に難しい点は?

多くの人の心に「刺さる商品」を生み出すのはそう簡単ではありません。毎回チャレンジだと思って仕事をしています。また、『たまごっち』の場合は「25年間の歴史」があります。その歴史の重みは時にプレッシャーになりますね。歴代の担当者が積み重ねてきたものに、自分ならではのエッセンスを加え、新しいたまごっちを生み出すのも容易ではないですね。

――これまで一番印象に残った仕事は何ですか?

やはり『たまごっちスマート』です。入社5年目と社歴が浅い中で任された商品なので思い入れは非常に強いですね。

また、コロナ禍で業務を行う環境自体がこれまでと異なる中で生み出した商品というのも感慨深いです。企画会議や工場との調整も全てオンラインで行い、生産工場のスタッフと直接顔を合わせる機会が一度もないという、異例の事態での開発でした。あらためて、無事に発売できてよかったです。

――発売日には買い求める親子が殺到するなど話題になりましたね。

おもちゃ売り場に足を運んだ際、子どもたちが『たまごっちスマート』の周りに集まって「クリスマスにこれが欲しい」とお母さんにお願いしたり、実際に購入したりしている姿を見ました。それを見た瞬間、「1年半頑張って良かったな」と思いましたね。

また、初代のたまごっちを遊んでいたお母さんが、お子さまと一緒に遊んだり、初代たまごっちと『たまごっちスマート』を並べた画像がSNSで注目を集めたりもしました。「たまごっち25周年」という節目に、良い商品を送り出せたのかなと感じています。

――『NiziU』を起用したプロモーションも注目を集めました。

『たまごっち』は「平成でブームになった商品」というイメージが根強い商品です。そのたまごっちを「令和」でもムーブメントを起こしたいという意味も込め、今非常に人気の高い『NiziU』さんをオフィシャルサポーターに起用させていただきました。

『たまごっちスマート』のメインターゲットである小学生にとって憧れのお姉さんである『NiziU』さんを通して、『たまごっち』に興味を持ってくださるお客さまが増えました。

また、幅広い層に人気のある『NiziU』さんを起用させていただいたことで、20代の女性など普段はおもちゃの情報に興味がない層にもアプローチすることができました。

仕事をする上で大事なのはスキルより「気持ち」

――多くの人に愛される商品を生み出すために意識していることはありますか?

月並みですが「ユーザー視点で考えることを大切にする」ですね。お客さまの声を拾うことは強く意識しています。『たまごっち』の場合も購入者からアンケートを取り、日常的に分析しています。

他にも、SNS上でどのような商品に関心が集まっているのかをチェックしたり、おもちゃ売り場に足を運んで子どもたちがどの商品を見ているのか、どのおもちゃをおねだりしているのか見たりしています。

――業務で求められるスキルや、企画担当者としての秘訣や工夫があれば教えてください。

私自身に何か特別なスキルがあるとは思っていませんが、個人的には「人を巻き込むこと」を考えて働いています。ひとつの商品を作るのに30~40人と多くの人が関わっています。それぞれが別の考えをもっていては良い商品は作れません。全員が同じ方向を向いて仕事ができるよう、「仲間」を増やすことを意識しています。

――「仲間」を増やすために心掛けていることはありますか?

私は「コミュニケーション」を大事にしています。例えば、どう話すと伝わりやすいか、どうお願いすれば協力してもらえるかなど、常に相手の立場に立って「想像力」を働かせながらコミュニケーションを取っています。多くの人と関わる仕事だからこそ相手の意見や考えを「柔軟な姿勢」で受け入れることも大事だと考えています。

また、常に高いモチベーションを持ち、何事にも「みんなで良い仕事をするんだ」と強く意識して取り組むことも心掛けています。スキルやコツというよりも、仕事をする上で大事なのは「気持ち」だと思います。

――プライベートの中で仕事に活かされているなと思うことはありますか?

オフは、音楽が好きなのでライブに行ったり、お笑いの番組を見たり、キックボクシングを始めてみたりと、とにかく好きなこと、気になったことに積極的に取り組んでいます。誘われたら基本断らないポリシーなので、刺激的な毎日を送っています。そのため、仕事に生かせていることも多いですね。休日に触れたコンテンツが仕事のヒントに繋がることは多いです。

例えば『NiziU』さんとのコラボレーションも、『Nizi Project』のオーディション番組が大好きだったので社内に提案したことがきっかけでした。日常で感じるちょっとした「いいな」が仕事につながっています。

バンダイはキラキラした顔で夢を語れる会社

――安田さんが思う「バンダイらしさ」とはどんなことでしょうか?

ひと言でいえば「同魂異才」です。これは異なる才能の人間が、同じ目標に向かって頑張るという趣旨で、弊社の人財ポリシーのひとつです。バンダイという会社はまさにこの言葉のとおり様々なタイプの人が「良い商品を作りたい」という思いで働いているので、「バンダイらしいな」と思います。

――バンダイで働くことの面白い点を教えてください。

これまでの人生で出会ったことがないような面白く、魅力的な社員がたくさんいる会社で、毎日のように刺激を受けています。シンプルに楽しい職場です。また、働いている社員全員が童心を忘れず、大きな夢を持って仕事に取り組んでいます。キラキラした顔で大きな夢を語れる会社ってすごく格好いいなと感じています。

――今後の展望があれば教えてください。

バンダイはジョブローテーション制度のもと、さまざまな職種に就くことができます。希望すれば食品・食玩(おまけつきお菓子)の仕事や、プラモデルの仕事をすることも可能です。違った仕事を経験することで、これまでとは異なる学びが得られるかもしれませんので、将来的には別の商品や事業にも携わってみたいです。

学生時代の経験が企画という仕事でも生きている

――どんな学生時代を過ごし、どんなことに最も注力しましたか?

とにかく何事にも全力で取り組むことを大切にしていた学生時代でしたね。加えて何事にもポジティブでした。高校生時代から、勉強、部活、イベントとすごく積極的に取り組んでいました。合唱コンクールのときなどは「はい!みんなで歌うよ!」と率先して前に出るタイプでしたね。大学に入ってからも同じで、とにかく授業にアルバイトにと全力でした。

――仕事で役立っている学生時代の経験はありますか?

私は京都市内の大学に通っていたのですが、京都市は大学が多く、学生が多い町でした。他大学の学生との関わりが生まれやすい環境だったので、留学生も含めていろいろな学生と交流を深めました。今思えば、この経験が今に生きていると感じています。

社会人になると知らない人と一緒に仕事をする機会が増えます。学生時代に、さまざまなバックグラウンドを持つ人と交流したことで、偏った考えを持つことなく、多くの人と付き合うことができるようになりました。コミュニケーションが大事な今の仕事で非常に役立っています。

――就活前にしておくと役立つことはありますか?

時間をかけて「自己分析」することをオススメします。今までの人生でどのようなことをしてきて、どのようなことでモチベーションがアップしたのか、その際の判断軸はなんだったのかを考える機会は貴重です。

特に、社会人になってからは時間がなくて、自己分析したくてもなかなかできません。就活での自己分析は、就活だけでなく、今後の人生を踏まえても大事なことです。学生の皆さんは、今のうちにじっくりと自分と向き合ってほしいです。

――安田さんがバンダイに入社した理由はなんだったのでしょうか?

私はとにかく「人を楽しませる」のが好きで、学園祭などの行事だけでなく、友人の誕生日などもとにかく楽しいものにするのが好きでした。なんとなくエンタメ業界がいいなと思っていたので、就活時にバンダイについても調べました。

そこで「同魂異才」といった会社の人財ポリシーが自分に合っているのではと思い、エントリーしたのがきっかけです。受けた会社の中で最も面接が楽しく、「この会社で働いたら楽しい毎日が送れるだろうな」と感じましたね。実際に今楽しく働けているので、自分の考えは間違っていなかったと思います。

――最後に学生へのメッセージをお願いします。

今の学生の皆さんは、コロナ禍ということもあり、これまでよりも就活が難しいものになっていると思います。つらいと思ったら無理をせず、自分のペースで頑張ってもらいたいです。また、この記事をきっかけに、ぜひバンダイや企画という仕事に興味を持ってもらえるとうれしいです。

 ――ありがとうございました! 

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

©BANDAI
©Sony Music Labels Inc./JYP Entertainment.

編集後記

2021年冬の大ヒット商品となった『たまごっちスマート』の生みの親、安田江利果さんにお話を伺いました。バンダイの企画は、商品コンセプトからコストと仕様の調整、さらにはプロモーションと、全ての業務に携わる仕事です。簡単ではありませんが、それだけに非常にやりがいのある仕事のようです。特にブームになるようなヒット商品を生み出せると、他の仕事では味わえないような達成感が得られそうですね。

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文:高橋モータース@dcp

編集:学生の窓口編集部

取材協力:株式会社バンダイ

https://www.bandai.co.jp/

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編集部:ゆう

音楽、オーディオ、グルメ、そしてお酒と家族が大好きな、WEB編集者(歴17年)。自分の編集した記事が「誰かのなにかのキッカケ」になってくれたら嬉しいです。

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