商品を通してお客様をワクワクさせたい!!森永製菓の『ハイチュウ』に携わる仕事に迫る #森永製菓株式会社【お仕事図鑑】

編集部:ゆう

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江原敦子さん
森永製菓株式会社 マーケティング本部菓子第二マーケティング部

森永製菓株式会社 マーケティング本部菓子第二マーケティング部 2011年入社。営業部を経てマーケティング本部に所属。現在は『ハイチュウ』の商品開発に携わる。

森永製菓の『ハイチュウ』は、1975年の登場以来、常に高い人気を維持し続けるロングセラー商品です。『ハイチュウプレミアム』という大人も楽しめる商品もあり、大学生など「大人世代」からも愛されています。

今回は、この『ハイチュウ』に携わる仕事に迫ります。お話を伺ったのは、森永製菓株式会社マーケティング本部で『ハイチュウ』の商品開発を担当する江原敦子さんです。

商品の方向性を考えて実現させる監督のような仕事

――どのような仕事を担当しているのか教えてください。

現在は、マーケティング本部菓子第二マーケティング部で、『ハイチュウ』の商品開発に携わっています。「商品開発」と聞くと「新商品を作る仕事」だと思う人もいますが、私の仕事は新商品の開発や既発売品のリニューアル、プロモーションや、販売戦略といった、商品がお客様の手に届くまでの全ての過程での戦略を考え実現させることです。

例えば、来年の秋にはこんな商品を作り、こんなプロモーションを実施し、スーパーやコンビニで販売したい、といったプランを考え、実現に向けてデザイナーにお願いしたり、研究開発や工場の人にお願いしたり、指示を出してチームを動かします。サッカーチームの監督のような立場だと考えてもらうと分かりやすいかもしれませんね。

――実際に江原さんが携わった仕事にはどんなことがありますか?

2021年7月に担当になったのでまだ実例は少ないのですが、例えば2021年11月に展開した、「3種のいちごハイチュウ」が挙げられます。既存の『ハイチュウ』の「ストロベリー味」を期間限定の「冬の味わい」にし、カリじゅわ食感が特長の『うまいチュウ』でもいちご味を発売。さらに袋タイプの『ハイチュウプレミアム』ではあまおうを使ったいちご味を発売し、同じいちご味でも多様な食感をお客様に楽しんで頂けるよう工夫を凝らしました。。

こうした味の展開だけでなく、どうやってお客さまに伝えるかも私の仕事です。そこで3種類の食感のハイチュウを販売していることをお客様に知ってもらい、実際に食べてもらうために「食べ比べ」というプロモーションを展開しました。

実はスタンダードな『ハイチュウ』は日本で90%以上という認知度を誇りますが、『ハイチュウプレミアム』は50%程度しかありません。スタンダードな『ハイチュウ』と食べ比べてもらうことで、『ハイチュウプレミアム』の認知を高めトライアルしていただきたいという狙いも、今回のプロモーションにはありました。

世の中の多くの人に喜びを提供できる

――仕事の「面白い点」や「やりがい」を教えてください。

以前担当していた『森永ミルクキャラメル』や『ラムネ』、今担当している『ハイチュウ』も認知度の高い商品で、スーパーやコンビニなどどこでも置いてあります。それだけ多くのお客さまに手に取っていただいている商品ですから、反響も大きく、弊社の相談室にも多くの感想が寄せられます。「おいしかったよ」といった声も多く、「自分が携わった商品が、多くのお客さまにポジティブな影響を与えているんだ」と感じます。

以前、泣いていたお子さんがハイチュウを食べたら泣き止み、ニコニコと笑顔になったところを目にしたことがありました。子供もお母さんもハッピーになった瞬間で、自分の仕事が世の中に良い影響を与えているんだなと、改めて実感した瞬間でした。

――反対に難しいと感じる点はなんでしょうか?

お客さまに愛されるには、その時代に合った価値観やわくわく感を提供しないといけなません。しかし、ハイチュウは1975年に発売で、これまで500種類以上もの商品を展開してきました。これだけ前例がある中で、新しい価値やおいしさをお客様に提供し続けることを、実現させるのは簡単ではありません。ハイチュウが積み上げてきた歴史を乗り越えるのは非常に難しいですね。もちろん、それだけに大きなやりがいを感じる仕事でもあります。

――印象に残っている仕事はありますか?

『ラムネ』を担当していたときの話なのですが、受験のお供にラムネを用意する受験生が増えているということを知り、「受験のマストアイテム」としてプロモーションを行うことになりました。

その際、大手予備校とコラボレーションし、受験生に向けた動画を作りました。私自身、受験時にその予備校に通い、学生時代にはアルバイトをしていたので、プロモーションという手段を通じて、自分がお世話になった企業とともに、お客様に情報発信できたのは嬉しかったです。

物事を進めるスケジュール力とロジカルな思考が必要

――マーケティングや商品の仕事で必要なスキルは

「当たり前のことを当たり前にすること」です。決められた期限までに物事を進めるなど、「当たり前のこと」ができない人は、信頼を得られません。特に私のように「周囲の人の協力を得ながら進める仕事」だと、信頼を得られないと商品の発売が実現できません。

また、マーケティング部で仕事をする上で「スケジュールを管理・把握する力」は必要不可欠です。自分が司令塔になり、スケジュールを組み立てないといけません。バックキャストといって、ゴールから逆算してスケジュールを立てる能力は、私自身も大事にしていることです。

加えて、ロジカルな思考も大事です。お願いしたい内容を、たがえることなく相手に理解してもらうには、論理立てて説明することが必要です。とはいえ、「ロジカルに考える」といっても難しいので、私は「目的」「戦略」「戦術」という、3つの大事な要素に分けて整理し、説明するようにしています。

――仕事以外の時間で心掛けていることはありますか?

マーケティングの仕事をする上で、本を読んだり、人間観察をすることは大事ですが、しっかりと休んでめりはりを付けるよう心掛けています。とはいえ、自分自身も消費者なので、買い物をしたり、おいしいものを食べたりした際は、「どのように心を動かされたのか」を考えるなど、つい仕事につながる思考になってしまいますね。

『ハイチュウ』には楽しませる工夫が盛りだくさん

――ハイチュウは1975年に発売されましたが、どのような経緯で誕生したのでしょうか?

ソフトな食感のフルーツ味のキャンディができないかと考え、森永製菓のロングセラーである『ミルクキャラメル』の製造技術を基礎に開発したのがハイチュウです。これまでに何度もブレークスルーはありましたが、直近では「ハイチュウは子供が食べるもの」というイメージから、「子どもも大人も楽しんで食べられるもの」と感じて頂けるような商品を展開しています。

例えば、大人も満足できる濃厚でジューシーな味わいと心地よいもちもち食感の『ハイチュウプレミアム』など、大人も楽しめる商品を展開することでお客さまの層を拡大することができました。結果的にブランドの売上規模も大きくなり、会社にも貢献することができました。

――『ハイチュウ』の秘密など、「実は……」というエピソードがあれば教えてください。

実は『ハイチュウ』のパッケージは時代によって細かく変わっています。その時々で細かく変わっているので、それぞれになじみのあるパッケージがあるかもしれません。また、包み紙には「今日もがんばった、ハイチュウどうぞ」など、励ましのひと言が書かれています。ぜひ就活など大変なときに包み紙のメッセージを見て癒やされてほしいね。

他には、『ハイチュウ』の構造も昔と変わっています。以前は外側が白色、中が色付きのものでしたが、現在は外側が色付き、内側が白色に変わっています。色つきの果汁がふんだんに含まれる層を外側にすることで、口に入れた瞬間からジューシーさを味わって頂けるよう変更しました。長い歴史の中で、変化と共に新しい価値を生み出してきました。

――『ハイチュウ』という商品の魅力はどんな点でしょうか。こだわりのポイントなどあれば教えてください。

「おいしさ」や「安全品質」へのこだわりは当たり前で、その上でこだわっているのは「わくわく感」や「楽しさ」です。『ハイチュウ』はいかにお客さまにわくわくしてもらえるのかがモットーで、常に楽しんでいただけることを考えて作っています。とはいっても、その楽しさがお客さまに伝わらないと意味がありません。楽しさにこだわる一方で、その楽しさを「お客さまに伝えること」にもこだわっています。

――個人的に好きな自社商品があれば教えてください。

『ハイチュウ』の中では『ハイチュウプレミアム』ですね。『ハイチュウ』のワンランク上のもちもち食感と濃厚でジューシーな味わいぜひ味わってもらいたいです。それ以外の弊社商品だとビスケットの『マリー』です。私の祖父は体が弱く、食べられるものが限られていたのですが、『マリー』は祖父が大好きで、一緒に食べられる唯一のお菓子でした。老若男女問わず、誰もが笑顔になれる思い出の商品です。

森永製菓の魅力は「楽しさ」

――江原さんの考える「森永らしさ」はどんなことでしょうか?

森永製菓は、「おいしく、たのしく、すこやかに」というコーポレートメッセージを発信しています。この中の「たのしく」は、『ハイチュウ』もそうですが、森永製菓という会社の魅力だと感じています。森永製菓で働いている人は、お菓子が好きだったり、森永の商品に魅力を感じて入社した人で、誰もが楽しく前向きな考えを持っています。私自身、すごくポジティブな気持ちで働けているので、「楽しさ=森永らしさ」なのではないでしょうか。

――森永製菓を森永を選んだ理由はなんだったのでしょうか?

就活のときは、「自分が好きなことをしてお金を稼ぎたい」という考えを軸にしていました。食べるのが好き、ショッピングが好きなので、食品関係や百貨店などを見ていましたね。最終的に森永製菓に決めたのは、お客さまに与えられる影響の大きさとその範囲の広さでした。森永製菓の仕事は、100円といったお小遣いの範囲でも、楽しさ、うれしさを提供できます。

先ほどもお話ししたように、老若男女問わず、多くの人に価値が提供できる会社だと感じました。また、「人の良さ」もあります。面接で会った人事担当の人柄がよく、シンプルに「この会社で働きたい」と思いました。

――今後の展望があれば教えてください。

『ハイチュウ』の日本での知名度は90%以上です。アメリカでもエンゼルスとスポンサー契約を結ぶなど、メジャーリーグをきっかけにハイチュウを知って、食べてみようという人が増えています。しかし、他の国での展開はまだまだで、ほとんど知られていない状況です。『ハイチュウ』には人と人をつなぎ、笑顔にする力があります。日本だけでなく世界中、老若男女問わず多くの人に愛される商品にしたいですね。

学生時代しかできないことは学生のうちにしておこう

――学生時代に頑張ったこと、また現在の仕事に生かせている経験があれば教えてください。

一番頑張ったのは大手予備校でのアルバイトの仕事ですね。生徒に教えるのではなく、黒板を消したり、受付をしたりするスタッフとして働き、大学3年のときにはアルバイトのサブリーダーのようなポジションを任されました。いかに塾生に良いサービスを提供できるか、仕事のスキルを向上させられるかを考えて実践しました。その経験は仕事にも直結しているかもしれません。

また、私は文学部の日本史学専攻で、太平洋戦争がなぜ起こったのかをゼミで考えていました。その際、人の気持ちや思考、因果関係をさまざまな角度で検証しました。人の気持ちを考えることや、因果関係をロジカルに検証することは、実は今の仕事にも通ずる大事なスキルです。当時は就職してから役立つとは思っていませんでしたが、マーケティングの仕事でそのときの経験が役立っています。

――これから就活を迎える学生にアドバイスはありますか?

社会人になると学生時代と比べてプライベートの時間が減ります。コロナ禍の今はなかなか難しいですが、例えば海外旅行など、長い休みが必要となる経験は、学生のうちにしておくといいですね。「学生時代にできなかった」と後悔しないよう、時間のあるときに挑戦してもらいたいですね。

――最後に学生にメッセージをお願いします。

学生と社会人では「世の中に与えられる影響力の大きさ」が変わります。私自身、学生時代までは家族など身近な人をたのしませることしかできませんでしたが、今では森永製菓の商品を通じ、多くのお客さまにプラスの影響を与えることができていると考えています。

その上で私が言えるのは、「誰もが世の中にプラスの影響を与えられる力を持っている」ということです。個性や経験は人それぞれ違いますが、その人だからこそできることがあります。

コロナで大変な今だからこそ、自分がどんなことをしたいか、世の中にどんな影響を与えたいのかを考え、これから先の日本や世界をより良いものにする人になってもらいたいなと思います。

 ――ありがとうございました! 

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

編集後記

『ハイチュウ』を通じ、楽しさやわくわくを多くの人に届ける商品開発の仕事について伺いました。実際、自分が携わった商品を食べた人が笑顔になる瞬間を見るのは、何物にも代えがたい瞬間でしょう。自分自身も楽しみながら仕事をし、多くの人を笑顔にしたいと思っている人は、森永製菓の商品開発の仕事を目指してみてはいかがでしょうか。

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文:高橋モータース@dcp

編集:学生の窓口編集部

取材協力:森永製菓株式会社

『ハイチュウ』オフィシャルサイト

https://www.morinaga.co.jp/hi-chew

森永製菓株式会社

https://www.morinaga.co.jp/

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