【活用事例付き】「AR」と「VR」の違いをわかりやすく解説!さらなる新技術「MR」とは?
ARとVR、この2つについて何となく分かっているつもりでも、その違いについて実はイマイチ分かっていない…そんな人は多いのではないでしょうか。実際、ARとVRのどちらにも当てはまるようなソフトもありますので、混乱してしまうのも無理はありません。そこで今回はARとVRにはどんな違いがあるのか、それぞれの特徴や活用事例について解説していきます。
ARとVRの違いを分かりやすく解説!
ARは一言でいうと「拡張現実」、そしてVRはいくつかの訳語がありますので、ここではあえて「バーチャルリアリティ」と表現しておきます。両者の大きな違いについて、
✅ARは今いる現実世界がベース
✅VRは現実世界とは異なる世界(環境)に没入する
このような違いがあります。
VRの方は今いる現実世界とは全く別の環境を表現するために、VRゴーグル(ヘッドセット)を装着するのが特徴です。
VR(バーチャルリアリティ)の方が一般的に認知度が高いと思われるため、おさらいも含めてVRの方から詳しく解説していきます。
VRとは「バーチャルリアリティ」
VRとは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の略で、限りなく現実に近い体験ができる、いわば「もう一つの現実」のことです。
その「もう一つの現実」は、頭に装着するVRゴーグルの中に広がっています。私たちは目で見たり耳で聞いたり、体を動かしたりしながらバーチャルリアリティの世界に100%入り込むことになります。
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この「100%入り込む」というのがVRの大きなポイントです!!
ちなみにVRは日本語としては「仮想現実」と訳されることが多いです。ですが「バーチャル」を「仮想」と表現してしまうと「仮の」「本当でない」というニュアンスになってしまいますよね。
この「バーチャル」をより正確に表現するため、日本バーチャルリアリティ学会の解説を引用すると、
「みかけや形は原物そのものではないが,本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」(日本バーチャルリアリティ学会「バーチャルリアリティとは」)
このようになります。つまり、「現物ではないけれど、本質的には現実である」と捉えることができるのです。この「もう一つの現実」は人工的に作り出されることから「人工現実感」とも訳されています。
ARとは「拡張現実」
ARとは「Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)」の略。現実世界の中にデジタル技術による情報を重ねあわせることで「より面白くなったり分かりやすくなったりした現実」のことです。
ARは「目の前の現実」をベースにして情報をつけ加えていくことから「拡張現実(かくちょうげんじつ)」と訳されています。
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この「目の前の現実がベース」というのがARの大きなポイントです!!
前述のVRでは、VRゴーグルを頭に装着することで、「360°」「100%」バーチャルの世界に没入するのが大きな特徴でした。
一方、ARではあくまでも「目の前の現実」がベースとなっており、そこに何らかの情報が加わるという形なので、スマホアプリでも活用しやすい技術です。
抽象的な解説だけだとなかなかイメージしづらい面もありますので、ここからは具体的な活用事例で両者の違いを見ていきましょう。
VRの活用事例
まずは「100%入り込む」方のVRの活用事例ご紹介です。
ゲーム分野でのVR活用事例
ゲーム分野でのVR事例として比較的身近なのは「PlayStation VR」でしょう。これはPS5やPS4に接続することで、臨場感あるゲームやスポーツなどを楽しむことができるVRシステムです。
PlayStationといえばグラフィックがキレイなことが知られていますね。それがVRなら前後左右360°の視界に広がるということに。まさに自分が「ゲームの世界に入り込む」体験をすることができるでしょう!
それからもう1点、アミューズメント施設「ジョイポリス」での特設アトラクション「ZERO LATENCY VR」をご紹介。こちらはステージ内を自由に歩き回ることができること、そして6人同時プレイが可能であることが大きな特徴。
ゲームの舞台となるのはゾンビがはびこる世界(ゲームはいくつか種類あり)。襲ってくるゾンビを次々に撃ち倒していきます!リアルにゾンビが襲ってくるなんて怖すぎますが、お友達同士で参加できるなら頑張れるかもしれませんね!
45秒で分かりやすい紹介動画がありますので、載せておきますね。
医療分野でのVR活用事例
医療分野はVRの活用が進んでいる分野です。どのように活用されているか、いくつか事例をご紹介します。
手術のトレーニング
本来、手術は生きた人間を相手にするため失敗できませんし、簡単に手出しをすることができません。ですがVRなら本番さながらの臨場感の中で実際に執刀してトレーニングを積むことができるのです。これは医療技術の発展につながっていくに違いありません。
名医の手術をバーチャル見学
実際の手術では、間近で立ち会うことができる人はごくわずか。ですがVRを活用すれば、名医の手術をすぐ横の視点から目の当たりにする機会を得ることができます。
その他のVR活用事例
そのほかにもVRはさまざまな分野で活用されてきています。
●スポーツ観戦
⇒特定の選手の視点を体感することもできる!
●スポーツのトレーニング
⇒野球・ゴルフ・スキー・ヨガなど繰り返し練習できる
●不動産業界における賃貸住宅の「VR内見」サービス
⇒現地に足を運ばなくてもオンラインで内見が完結!
●高齢ドライバー体験
⇒認知機能が低下した高齢者による車の運転を体験できる
ARの活用事例
続いては「目の前の現実」ベースの「拡張現実=AR」の活用事例ご紹介です。
ゲーム分野でのAR活用事例
ゲーム分野でのAR活用事例としてよく知られているのは、スマホゲームの「ポケモンGO」。フィールドマップが現実世界と連動していて、実際に外に出て歩き回るとポケモンに遭遇。捕まえたり、バトルさせたりすることができます。
ポケモンGOの「AR+モード」なら、ポケモンがあたかも目の前の現実世界にたたずんでいるように見えます!ポケモンの方もこちらの動きに気づいているので、びっくりさせないように近づくなど、よりリアルに楽しむことができますよ。
プロモーションでのAR活用事例
スターバックスジャパンでは「SAKURA」シリーズのプロモーションにARを採用しました。その名も「#スターバックスさくら2021」。商品購入レシートなどに記載のURLにスマホからアクセスするだけで、今いる場所に満開の桜やキャラクターを表示させることができます。
ご好評いただいていた「#見上げるさくらAR」が、公式サイトから楽しめるようになりました ご自宅やお好きな場所に満開の桜を咲かせて、いつでもどこでもお花見気分を
ARでお花見したら、ぜひ #スターバックスさくら2021 のハッシュタグで教えてください。https://t.co/LZVLDYbj6X pic.twitter.com/uezF6ng6p7
— スターバックス コーヒー (@Starbucks_J) March 27, 2021
その他のAR活用事例
そのほかのAR活用事例はこちらです。
●家具購入前に自宅に「お試し配置」
⇒家具のサイズ感や、インテリアとの相性などがイメージできる
●建設現場での施工管理
⇒実際の現場に対応した3D図面を表示して進み具合をチェック
●メイクのお試し
⇒色味が合うか次々にお試しができる!
さらなる新技術「MR」とは
VR・ARに続いてさらなる新技術「MR」も登場しています。MRとは「Mixed Reality(ミクストリアリティ)」の略で「複合現実」と訳されています。これはAR(拡張現実)の発展形とされており「現実世界とバーチャルが融合した現実」のことを指します。
だんだんややこしくなってきましたが、大きな特徴としては、
・ARと同様「目の前の現実がベース」である。
・そこに現れる映像に対して実際に手を伸ばして操作できる
などが挙げられます。
代表例として「Microsoft HoloLens」などがありますので、興味がある方は詳しく見てみてくださいね。
VRとARの違いまとめ
今回はVRとARにはどんな違いがあるのか、それぞれの特徴や活用事例についてお伝えしてきました。
両者について簡単にまとめると、
●VR(バーチャルリアリティ):現実世界と全く別の世界がそこにある
●AR(拡張現実):現実世界に情報が付加される
それからVRの方は頭にVRゴーグルを装着しますが、ARの方は不要。
ARはスマホアプリなどでの活用が主流となっています。
以上が今回のまとめです。ゲームや映像などのエンタメも楽しいですし、ほかの産業でも実用的な活用がますます進んでいきそうですね。
(マイナビ学生の窓口編集部)