食欲の秋に観たい! おなかが減るグルメ映画
料理人が主人公の映画や、料理店が舞台の映画には、おいしそうな料理が画面に何度も登場します。中には、見ていてついおなかが鳴ってしまうような映画もありますよね。
そこで今回は、「おいしそうな料理が次々に登場するおすすめのグルメ映画」をご紹介します。
『大統領の料理人』
(2012年)※日本公開は2013年
フランスの田舎町で小さなレストランを営む女性料理人オルタンスは、以前出会ったフランス最高の料理人ジョエル・ロブションからの推薦で大統領の専属料理人に抜てきされます。いきなりのことに驚きつつも大役を拝命したオルタンスは、周囲の協力を得ながら大統領の信頼が得られるよう腕を振るうことに……というストーリー。
ミッテラン政権時に女性初の大統領専属料理人となったダニエル・デルプシュをモデルにした伝記映画。大統領官邸で腕を振るった2年間と、専属料理人を辞めた後に南極のフランス観測基地で料理人を務めた1年間を描いています。ミッテラン大統領の心をつかんだ素朴な家庭料理が次から次へと登場する作品。フランス料理になじみがなくても、「おいしそう……」と思えるものばかりです。
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
(2014年)※日本公開は2015年
オーナーとけんかをし、ロサンゼルスの一流レストランを首になったカールは、故郷のマイアミでおいしい「キューバサンドイッチ」に出会います。その味に感動したカールは、キューバサンドイッチを販売するフードトラックの営業をすることに。一流レストランの総料理長だったカールが作るサンドイッチは絶品で、瞬く間に評判になり……というストーリーです。
キューバサンドイッチを販売する中で、あらためて料理と向き合うカールの姿がすてきな作品。もちろん登場する料理も魅力的です。物語の鍵となるキューバサンドイッチだけでなく、一流レストランのパートで登場する料理も「食べてみたい!」と思うことでしょう。
また、本作は『アイアンマン』シリーズの監督として知られるジョン・ファヴローが監督・主演・脚本・製作を務めた作品。ロバート・ダウニー・Jrやスカーレット・ヨハンソンなど、マーベル作品をほうふつとさせる豪華キャストも見逃せません。
『二ツ星の料理人』
(2015年)※日本公開は2016年
天才的な料理センスを持つアダムは「世界一のレストランを作る」という夢を抱いていました。しかし、麻薬と酒に溺れた過去があるため、なかなか職に就けません。そんな中、旧友のトニーからカウンセリングを受けることを条件に店を任されることに。アダムはミシュランに認められる店を作るため奮起するが……というストーリーです。
ミシュランの三つ星の獲得を目指す店だけに、出てくる料理はどれも美しくおいしそうなものばかり。それもそのはず、本作に登場する料理は、実際にミシュランで二つ星を獲得した人気シェフのマーカス・ウェアリングが監修したもの。また、出演俳優に調理指導も行っています。一流シェフの指導を受けた出演者たちが、流れるように料理を作り上げるシーンは必見です。
『幸せのレシピ』
(2007年)
マンハッタンにある一流レストランで料理長を務めるケイトは、交通事故で亡くなった姉の子供を引き取り一緒に暮らすことになります。しかし、めいはなかなか心を開いてくれず途方に暮れることに……。そんな中、レストランに完璧主義者のケイトとは正反対の陽気で明るい性格のニックが副料理長としてやって来て……というストーリー。
堅物で他者とのコミュニケーションが苦手なケイトが、正反対な性格のニックと交流することで少しずつ変わり、次第にめいとも打ち解けていく、というハートフルなストーリーが魅力的な作品です。もちろん登場する料理の数々も、舞台が一流レストランだけにおいしそうなものばかり。そうした豪華な料理だけでなく、ニックが賄いで作るトマトソースのパスタなど、何でもない料理まで魅力的です。
『南極料理人』
(2009年)
急きょ、南極観測隊員のメンバーとして派遣された海上保安庁職員の西村淳。彼の役目は日本の観測基地で隊員に料理を作ることでした。過酷な環境で観測を続ける隊員たちにとって、唯一の楽しみがおいしい料理を食べること。西村は、なんとか隊員たちを楽しませようと試行錯誤しながら毎日の料理を作ることになる……というストーリー。
一汁三菜を基本としたおなじみの家庭料理だけでなく、作中にはガソリンで焼いた塊肉のステーキや伊勢エビのエビフライなど、普段の生活ではまず目にしないような奇想天外な料理も登場。隊員たちから不満が出ることもありますが、西村はみんなを楽しませようといろいろな料理を作ります。海外のグルメ映画も魅力的ですが、日本人にとってはやはり日本料理が一番おいしそうと思えるかもしれません。また、必ず隊員全員で食卓を囲むというルールも好ましいと感じるのではないでしょうか。
▼イラストレーター・チヤキさんが描く、
映画『南極料理人』のみどころ
おいしそうな料理が数々登場する「思わずおなかが鳴ってしまうグルメ映画」をご紹介しました。空腹のときに見るとより楽しめるのですが、深夜など容易に食事が取れない時間に見ると「飯テロ」になるので要注意ですよ。
(中田ボンベ@dcp)