スティーブン・セガールの映画「沈黙の○○」は何作ある? 実は日本だけのシリーズってほんと?
アクションスター、スティーブン・セガールといえば「沈黙シリーズ」。2018年11月には最新作『沈黙の達人』が日本でも公開されます。沈黙初作品の『沈黙の戦艦』が公開されたのは1992年で、なんとその期間26年にもなります。
息の長いシリーズだなぁと感心する人がいるかもしれませんが、実はこの「沈黙の○○」というタイトルは日本でのみ通用するもの。「007」や「スターウォーズ」のような、作品のシリーズを表している訳ではなく、全く関係のない作品が「セガールさん主演作」としてひとくくりにされている感覚です。いわば「沈黙の〇〇」と言えば「セガール」というくらいのブランドネームとなっています。
その数が多すぎて、よほどのファンでないとどれだけあるのかわからないほど。しかし、その作品群はどれから見ても楽しめ、予備知識がなくても何も問題ありません。
今回は、映画界最強の呼び声も高いセガールさんが大活躍する「沈黙の○○」がいくつあるのか、セガールさんの背景とともに紹介していきます。
▼こちらもチェック!
クリント・イーストウッドだけじゃない! 監督でも大成功を収めた映画俳優7選
無双の男スティーブン・セガールは、日本が生んだアクションスター?
アメリカ人のセガールさんですが、17歳で来日し日本には10年以上住んでいたため、非常に日本語が堪能です。関西在住だったのでアクセントはあくまでも関西弁が基本。また阪神タイガースの大ファンとしても知られています。
日本では英語を教えながら剣道や柔道、空手道といった武道を学んでいて、合気道は七段の腕前を認められています。アメリカに帰国した後には、その巧みな格闘術を生かしてアクション映画スターとなりました。
デビュー作は『刑事ニコ/法の死角』(1988年)。この作品では「原作」にもクレジットされていますが、セガールさんが演じる主人公ニコは「7歳の頃に日本に渡り、合気道の修業に明け暮れた」という背景を持っています。これはセガールさん自身の人生を投影したものでしょう。
とにかく「いかつい顔立ち」ながら、どこか優雅な物腰のセガールさんは、アクションスターとして独自のポジションを築き、キャリアを伸ばしていきます。
沈黙シリーズの第1作『沈黙の戦艦』(1992年)では、合衆国海軍の戦艦ミズーリ内に侵入したテロリストに対して、仲間を救出しながらほぼ一人でやっつけるコック長、ケーシー・ライバック兵曹を演じました。
この『沈黙の戦艦』のスマッシュヒットにより、セガールさんには
「とにかく強い」
「ハラハラしない」
「普段はおとなしいのに、やるときはやる」
「無双」
といったキャラ属性が付きます。その後も、セガールさんは「やたらと強い不屈の男」を演じ続けていくのです。
ちなみに『沈黙の戦艦』の正式な続編(キャラクターも踏襲されている)には、『沈黙の○○』ではなく『暴走特急』という邦題が付けられました。沈黙シリーズの第2作とされた『沈黙の要塞』(1994年)は、『沈黙の戦艦』とは主人公も違う全く関係ない作品です。
ややこしいですが、沈黙シリーズかそうでないかに関わらずセガールさんが無双なのは相変わらずです。セガールさんの魅力を感じるのに「沈黙」かそうでないかはあまり関係ありません。
セガールさんの「沈黙シリーズ」は46種類!
筆者のカウントが正しければ、1992年の記念すべき沈黙シリーズ第1作『沈黙の戦艦』から、2018年公開の映画『沈黙の達人』まで、テレビドラマシリーズやセガールさんへのインタビュー作品なども含め「沈黙の○○」という邦題が付けられたものは46作もありました。
以下が「沈黙シリーズ」の作品です。(公開順)
原題が『TRUE JUSTICE PART○』『TRUE JUSTICE 2 PART○』とあるのはテレビドラマのシリーズで、こちらにも各話に「沈黙の○○」という邦題が付いているのです。
また『沈黙の男セガール ガチトークバトル』は、セガールさんにインタビューをした作品。作中では、自分のキャリア、半生について語っています。
●『沈黙の戦艦』(原題:Under Siege)1992年
●『沈黙の要塞』(原題:On Deadly Ground)1994年
●『沈黙の断崖』(原題:Fire Down Below)1997年
●『沈黙の陰謀』(原題:The Patriot)1998年
●『沈黙のテロリスト』(原題:Ticker)2001年
●『沈黙の標的』(原題:Out for a Kill)2003年
●『沈黙の聖戦』(原題:Belly of The Beast)2003年
●『沈黙の追撃』(原題:Submerged)2005年
●『沈黙の脱獄』(原題:Today You Die)2006年
●『沈黙の傭兵』(原題:Mercenary For Justice)2006年
●『沈黙の奪還』(原題:Shadow Man)2007年
●『沈黙のステルス』(原題:Flight of Fury)2007年
●『沈黙の激突』(原題:Attack Force)2007年
●『沈黙の報復』(原題:Renegade Justice)2007年
●『沈黙の逆襲』(原題:The Keeper)2009年
●『沈黙の鎮魂歌』(原題:Driven to Kill)2010年
●『沈黙の鉄拳』(原題:A Dangerous Man)2010年
●『沈黙の復讐』(原題:Born to Raise Hell)2010年
●『沈黙の宿命』(原題:TRUE JUSTICE PART1)2011年
●『沈黙の啓示』(原題:TRUE JUSTICE PART2)2011年
●『沈黙の背信』(原題:TRUE JUSTICE PART3)2011年
●『沈黙の弾痕』(原題:TRUE JUSTICE PART4)2011年
●『沈黙の挽歌』(原題:TRUE JUSTICE PART5)2011年
●『沈黙の神拳』(原題:TRUE JUSTICE PART6)2011年
●『沈黙の男セガール ガチトークバトル』(原題:THE VOICE VERSUS: STEVEN SEAGAL)2012年
●『沈黙の絆』(原題:TRUE JUSTICE2 PART0)2012年
●『沈黙の嵐』(原題:TRUE JUSTICE2 PART1)2012年
●『沈黙の掟』(原題:TRUE JUSTICE2 PART2)2012年
●『沈黙の牙』(原題:TRUE JUSTICE2 PART3)2012年
●『沈黙の炎』(原題:TRUE JUSTICE2 PART4)2012年
●『沈黙の刻』(原題:TRUE JUSTICE2 PART5)2013年
●『沈黙の魂』(原題:TRUE JUSTICE2 PART6)2013年
●『沈黙の監獄』(原題:Maximum Conviction)2013年
●『沈黙の処刑軍団』(原題:Force of Execution)2014年
●『沈黙の執行人』(原題:A Good Man)2014年
●『沈黙のSHINGEKI/進撃』(原題:Gutshot Straight)2014年
●『沈黙の制裁』(原題:Absolution)2015年
●『キリング・サラザール 沈黙の作戦(ミッション)』(原題:Killing Salazar)2016年
●『沈黙のアフガン』(原題:Sniper: Special Ops)2016年
●『沈黙の粛清』(原題:Code of Honor)2016年
●『沈黙の包囲網 アジアン・コネクション』(原題:The Asian Connection)2016年
●『沈黙の帝王』(原題:The Perfect Weapon)2016年
●『エンド・オブ・ア・ガン 沈黙の銃弾』(原題:End of a Gun)2016年
●『沈黙の激戦』(原題:Contract to Kill)2016年
●『沈黙の大陸』(原題:中国推销员/China Salesman)2017年
●『沈黙の達人』(原題:Attrition)2018年
このように、セガールさんの主演作にはほとんど「沈黙の○○」という邦題が付けられています。
さすがに66歳(2018年現在)ともなっているため、最近の作品では顔立ちもふっくらとしてきていますが「やたらと強い不屈の男」は今も健在。最新作『沈黙の達人』でも悪漢をばったばったとなぎ倒しています!
セガールさんには2016年の『沈黙の粛清』のキャッチコピーがピタリとはまります。「このオヤジ、無双。」。
セガール映画未経験の方は、これを期にぜひチェックしてみてください。
(高橋モータース@dcp)