ゆとり世代とはいつからいつまで? 現在の年齢と特徴を時代背景とともに解説
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「ゆとり世代」とはいわゆる「ゆとり教育を受けた世代」のことです。
かつての日本では、義務教育の短い期間の中で、膨大なカリキュラムを圧縮して教える「詰め込み教育」が行われていました。しかし、1980年度以降、数回にわたりカリキュラム内容を精査し、学習時間を減らしてゆとりを持たせるような学習指導要領の改訂が行われました。
この「ゆとりある教育を受けた世代」が、ゆとり世代と呼ばれているのです。
ニュースなどでたびたび耳にするこの「ゆとり世代」という言葉。では、そもそも何年生まれからがゆとり世代に分類されるのでしょうか?
今回は、どの年代に生まれた人がゆとり世代に当たるのか、またゆとり世代が生まれた時代背景、その特徴などをまとめてみました。
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ゆとり世代はいつからいつまで?
ゆとり世代は「ゆとり教育を受けた世代」とされていますが、実際のところ何年生まれから何年生まれまでがゆとり世代なのかは明確に定まっていません。というのも、「ゆとりを持たせる学習指導要領の改訂・実施」が1980年度、1992年度、2002年度の3度にわたって行われているからです。それぞれどのような変化だったのか整理してみましょう。
1. 1980年度のゆとり教育を受けた人
1980年度の改訂ではカリキュラムの精査や授業時間の削減が行われたほか、「ゆとりの時間」という「学校が創意を生かした教育活動を行う時間」が設けられるなどしました。初めてゆとり教育が行われたため、この時期に小中校生だった世代以降をゆとり世代だと考えている人もいます。
2. 1992年度のゆとり教育を受けた人
1992年度もカリキュラムの精査や授業時間の削減が行われ(施行は小学校が1992年、中学校が1993年、高等学校が1994年)、この年の9月から第2土曜が休みになりました。その後、1995年度からは第4土曜も休みになります。この世代からをゆとり世代とするケースも見られます。
3. 2002年度のゆとり教育を受けた人
そして2002年度の学習指導要領改訂では、小中学校の学習内容のうち3割を削減し、その分を高校での指導に回すこととなりました。またこの年から土日は休みになり「完全学校週5日制」となりました。大幅な学習内容の削減や休みの増加が、「ゆとり」の印象を強めたのか、メディアがこの教育を受けた世代について「ゆとり世代」と呼び始めました。その影響で、この年代に教育を受けた世代をゆとり世代だと考える人が一般的に多いようです。
以上を踏まえ、何年生まれの人がどのゆとり教育を受けているか、具体的に分類してみましょう。もちろん在学の途中で指導要領が切り替わり、2つのゆとり教育をまたぐこともありますので、あくまでも目安としてお考え下さい。
※早生まれの計算は省き、「年度」で表記しています。
(1)1980年度に施行されたゆとり教育を受けた人
1966年生まれから最終的な2003年生まれまでの全ての世代を、広い意味でゆとり世代と言うこともあります。ですが次の世代との区切りを設けるため、ここでは1966~1978年生まれまでの世代とします。
⇒【2021年現在では、43~55歳までの人】
(2)1992年度に施行されたゆとり教育を受けた人
1979~1986年生まれの世代。
⇒【2021年現在では、35~42歳までの人】
(3)2002年度に施行されたゆとり教育を受けた人
2002年度から2010年度まで続いたゆとり教育を受けた1987~2003年生まれの世代。
⇒【2021年現在では、18歳~34歳までの人】
と諸説あり、このうち(3)の「1987~2003年生まれの世代」をゆとり世代とする傾向が強い、と考えておくといいかもしれません。