【外務省の先輩社員】国際協力局政策課:杉原真帆さん 2ページ目
杉原さんの「ガクチカ(学生時代一番力を入れたこと)」は?
「留学」ですね。大学の交換留学ではなく、自分で行きたいと思ってプログラムを洗い出し、奨学金なども申請してゼロから進めたので、そこは大学受験の次くらいには頑張ったと思います。また、海外交流サークルでの活動も、学生時代に力を入れたことです。複数のサークルに所属していたのですが、その中で北京大学の学生と議論をするイベントに参加したことは思い出深いです。
歴史問題を始めとする日中の二国間関係というセンシティブなテーマについて、中国の学生と英語で議論をするというもので、かなり踏み込んだところまで意見をぶつけ合いました。お互い相容れないものや譲れないものも多くある中で、感情を交えながら論理的に話すことは、おもしろくもありハードでもあり、非常に有意義な時間でした。
仕事で役立っている大学時代の経験は?
大学時代は「じっくり考えること」に向き合った5年間でした。すぐに論理的かつ的確な答えを出せる、ナイフのように頭が切れる人や、じっくりと時間をかけて自分の意見を紡ぎ出す人など、いろんなタイプの「考える人々」が周りにいました。そのおかげで、私自身も知らず知らずのうちに「考えること」や「自分の意見を持つこと」に慣れて、何かについて深くじっくりと考えることを、ストレスなく行えるようになりました。「思考の手抜き」をすることなく、物事に向き合うことができるようになったので、さまざまな観点を整理した上で、自分の意見を主張することが求められる今の仕事にとっての大切な土台になったなと思っています。
また、外務省の仕事では海外のお客さまを招いて国内の案内や交流会を開くこともあります。そうした場面で、比較的スムーズに打ち解けられるのは、大学時代の留学や海外交流サークルでの経験のおかげかなと思っています。
就活前にやっておいたほうがいいことは?
さっき話したことと重なりますが、やはり「物事をちゃんと考える」ということですね。秩序立てながら、しかもユニークな視点で考えるということは、一朝一夕にできるものではなく、積み重ねを必要とするものだと思います。いろんな意見を持っている人と話し、そして相手の立場を想像しながら自分の意見を伝える。これを繰り返していくうちに自分らしい考えというのが見えてきます。そのように考える訓練をしておかないと、社会に出て、いざ物事を考えなければならない場合に、自分のペースやスタイルで考えられず、苦労することが出てくると思います。
あとは本を読むこと! 私の読書欲は、遅ればせながら大学に入ってから開花したのですが、本は言葉だけでなく、考え方などいろんなことを学ぶことができる素敵なものなので、たくさん読んでほしいです。自分の考えに寄り添うもの、全く異なった視点を教えてくれるもの、どれも後々まで生きてくると思います。また、語学についても、時間のあるうちに学んでおくといいと思います。これからの社会で働く上で、語学は絶対的なツールとなるので、ぜひ身につけておくことをおすすめします。
2年目ながら、国の意思決定にもつながる責任ある仕事を任せられている杉原さん。学生時代に抱いた「世界のさまざまな人々と物事を動かしていきたい」という思いが実現できているのではないでしょうか。杉原さんは、来年には海外に活躍の場を移すとのこと。そこでも大学時代の留学や交流サークルでの経験を武器に、日本の外交に貢献する大きな仕事をされることでしょう。
趣味:ダンス、読書、思いきり歌うこと
特技:ダンス、英語、自分らしい文章を書くこと
就活で受けた企業:インターンのみ2社
志望していた業界:外務省
今の会社の魅力:仕事のスケールの大きさ、頭を使うことができること
文:中田ボンベ@dcp
写真:ブリッジ
取材協力:外務省