大学と高校の編入・転入の違いをそれぞれ解説!必要な手続きや試験について
「この大学に編入してきました」「転入してきました」という人、見たことありますよね。
この「編入」と「転入」、どちらも途中からその学校に入った点では同じなのですが、実際はどのように違うのかご存じでしょうか?
今回は、編入とはどんな制度かと転入との違いを解説します。
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大学での「編入」と「転入」の違いとは
「編入」「転入」は、正確には「編入学」「転入学」です。大学での「編入」「転入」の意味の違いは、各大学によって定義が異なります。(高校での使われ方については後述します)
例えば、関東学園大学では
関東学園大学では、短大・専門学校を卒業後、また4年生大学を卒業後に本学の3年次に入学することを「編入」と呼んでいます。また、他大学を中途退学して本学の2年次・3年次に入学することを「転入」と呼んでいます。
(引用:関東学園大学 編入学・転入学制度)
と定義していますし、ソフトバンクグループ通信制大学のサイバー大学では
「編入学」とは、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等を卒業後(卒業見込み含む)次の学校へ入学することであり、 「転入学」とは、4年制大学に1年以上在学、30単位以上修得したうえで転出し、次の学校へ入学することです。
(引用:ソフトバンクグループ通信制大学 サイバー大学「編入学と転入学の違いを教えてください」)
と定義しています。
文部科学省の定義による編入学とは
編入(=編入学)に関しては、文部科学省のホームページにも
「編入学」とは、学校を卒業した者が、教育課程の一部を省いて途中から履修すべく他の種類の学校に入学すること(途中年次への入学)と解されています。 (引用:文部科学省 大学への編入学について)
と記載があります。
日本学生支援機構での「編入」「転入」の定義
『独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)』の「大学等の転入学に関する実態調査」では、次のように定義しています。
転入学の定義
- 〇「転入学」……学校種を同じくする他の学校からの入学
- (例)4年制A大学2年次修了→4年制B大学2年次または3年次
- (例)C短期大学1年次修了→D短期大学2年次
- 〇「編入学」……学校種の異なる他の学校からの入学
- (例)短期大学・高等専門学校卒業→4年制大学3年次
(引用:『独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)』「大学等の転入学に関する実態調査結果」)
「編入」と「転入」は卒業したかしないかの違い?
つまり、編入(=編入学)とは、ある学校を卒業した人(短期大学・高等専門学校・専修学校の専門課程修了者・高等学校専攻科修了者)が、ある大学の1年次の途中、また2年次以降に入学することです。
また、転入(=転入学)とは、ある大学で学んでいる学生が別の大学に移籍することです。
「編入学」の場合には「卒業」がポイントで、ある学校を卒業した人が、大学の途中年次に入学すると「編入学」。
ある大学のある年次に履修している人が、別の大学の途中年次に移籍すると「転入学」になる、と考えていいようです。
どちらも移籍先の大学では途中から学ぶことになります。もともと学籍のあった大学からは転出で、移籍先の大学から見ると転入というわけです。まるで住民票の異動みたいですね。
大学での編入学・転入学の手続きは?
大学の編入学・転入学の手続きとはどのようなものでしょうか?
これは大学、学部・学科によってばらばらです。そもそも編入学できる制度を持っていない大学もあれば、編入学のための試験(編入学試験)がある大学もあり、転入学制度はあるが試験実施予定はない、など実にさまざま。
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が各大学がどのような転入学制度を持っているかを調べたデータがあります。
データ参照元:『独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)』「転入学制度学校別一覧【大学等の転入学に関する実態調査】資料」
国立大学でも、「編」マークがあり対応している大学と「他」マークになっており個別対応(志願者がいれば対応)、「無」マークでそもそも編入学できない大学で分かれていますね。
受け入れ制度がある大学、その学部・学科では、3年次に編入学することが可能で、そのための試験を実施するというケースが多いようです。
試験の有無などは編入学学生募集要項を熟読する
編入にあたっての試験の有無などは、各大学の「編入学学生募集要項」を熟読しましょう。公式ホームページ上で公開されています。
例えば、筑波大学では「令和4年度(2022年度)募集要項等」を公開しています。
この募集要項の「編入学の年次」によれば、編入学の年次は「第3年次を原則」とし、出願資格にも「次のいずれかに該当し、令和元年6月以降にTOEICまたはTOEFLを受験している者とします」とあります。
希望する学科によって細かく分かれていますので、何が必要なのかよく読みましょう。
引用:筑波大学「令和4年度(2022年度)募集要項等」
高校での「編入」「転入」の違いとは
高校で使われる「編入」「転入」の2つの違いは、「編入」「転入」する人が学校を辞めてから他の学校に入るのか、辞めないで入るのかの違いです。
- ・編入(編入学):元いた学校を辞めて他の学校に入る
- ・転入(転入学):元いた学校を辞めないで他の学校に入る
高校での転入は、小学校や中学校でいうところの「転校」と同じ意味と思っておいていいでしょう。
「転入」は入学時期を選ばないが「編入」は限定されることが多い
高校での「転入」は入学時期を選ばず、筆記試験などが課されることもありますが、いつでも受け入れてもらえることが多いです。
「編入」に関しては、受け入れ時期が決まっており、編入試験に合格後の受け入れになることもあります。各学校によって対応が違うのであらかじめ問い合わせておくといいでしょう。
公立高校に編入・転入する場合は教育委員会に問い合わせを
事情があり公立高校に編入・転入する場合は、編入・転入を希望する高校がある地区の教育委員会に問い合わせておきましょう。
編入・転入に必要な手続きや流れ、複数校への併願の可否など詳しく教えてもらえます。
ホームページ上に大まかな情報が出ていることが多いのですが、編入・転入の事情は個人によって異なるため、電話か窓口を直接たずねた方が無難です。
高校に編入したい場合は単位の引き継ぎなども調べて
高校に編入したい場合は、前の学校で取得した単位が新しい学校でどこまで引き継げるのかも調べておいた方がいいでしょう。
単位によっては互換性がなく、似たような授業を再度受講する必要がある可能性もあるからです。
編入・転入に必要な手続きと併せて、教育委員会や高校に問い合わせましょう。
編入も転入も他の学校で学ぶこと!手続き等はしっかり調べて
編入も転入も簡単にいうと他の学校で学ぶことです。
編入は他の大学を卒業して他の大学に行く(大学の場合)、学校を辞めて次の学校に行くまでに空白期間がある(高校の場合)で、転入は空白期間なく他の学校に入るのでした。
どちらにしても編入・転入に必要な手続き等はしっかり調べておく必要があります。学びたい学校で学べないのは辛いので、問い合わせるべきところに問い合わせましょう。