声優になるには? 声優になるための道を5パターン紹介!その仕事内容や、向いている人の特徴とは?
「声優」は、声の演技のプロフェッショナル。アニメやゲームに登場するキャラクターの魅力は、声を吹き込む声優に大きく左右されるといっても過言ではありません。近年、アニメやゲームの人気と相まって「声優になりたい」と希望する人は多く、憧れの人気職業となっています。今回は、声優になるにはどうすればいいか、向いている人の特徴、またそのシゴトについて詳しくご紹介します。
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声優の仕事とは?
声優のシゴトを大まかに分けると、次のようなものがあります。
・アニメやゲームに登場するキャラクターの声
・洋画の吹き替え
・テレビ番組やCMのナレーション
・ラジオパーソナリティー
・顔出しでの舞台活動やアイドル活動
声優のシゴトは「そのキャラクターに命を吹き込むこと」と言われます。アニメ、ゲームだけではなく、洋画の吹き替えなどでもそれは同じ。それぞれの場面にふさわしい声の表現で視聴者を魅了することができる人、それが声優なのです。
また、声だけではなく顔出しで活動する声優もいます。例えば舞台活動やアイドル・歌手活動などですね。
そして注目のメディアは何といってもYouTube。企業もプロモーションで積極的に活用しているため、ナレーションとしてのシゴトは増えていくでしょう。また個人でVTuber(バーチャルYouTuber)として活動する可能性も考えられます。VTuberとは顔出しをせず、自分の代わりにキャラクターなどを使って出演するクリエイターのこと。内容の面白さとともに声の魅力も存分に発揮できそうです。「声」のシゴトは新しいフィールドへと広がりを見せているのですね。
声優はどんな風に仕事をしているの?
声優として活躍するには、まずプロダクション(声優事務所)に所属するのが一般的。これは会社に就職するイメージとは少し異なります。会社に雇用されて毎月給料をもらえるわけではなく、実際にシゴトを得られて初めて報酬がもらえるようになります。
テレビ番組やCMのナレーションについては、オファーを受けたり、あるいはオファーの内容に応じて事務所が選抜するパターンが多いです。ですがアニメの仕事については、オーディションで選抜することがほとんど。この時はベテラン声優も交えて力を競い合うわけです。
このように見てみると、声優とは安定とほど遠い職業であることが分かります。長寿番組で一定期間安定することもあるかもしれませんが、番組が終わればまた一から仕事を取っていかなければなりません。そのため常にスキルを磨き続け「必要とされる人材」であり続けることがとても大切な職業なのです。
普段のお仕事は次のような流れで行われます。
1. 現場となる録音スタジオに出掛ける
2. 音響監督などスタッフと打ち合わせ
3. キャラクターを演じる
本番テークのOKが出るまで何回も録り直すことも。録音は長時間になることもあり、終わりが読めないのも特徴の1つです。めげずにプロとして演じ続けることのできる気力・体力も必要になりますね。
声優になるための道を5パターン紹介!
憧れの声優になるためにはどうしたらいいのでしょうか。
一般的に考えられるルートを5パターンご紹介します。
・声優養成所⇒プロダクション所属
・専門校⇒プロダクション所属
・専門校⇒声優養成所⇒プロダクション所属
・俳優やタレント⇒声優に転向(経験者向け)
・一般公募のオーディションを直接受ける(経験者向け)
【オススメ!】声優養成所⇒プロダクション所属
声優養成所とはその名の通り、声優に特化した養成所。基本的にプロダクション(声優事務所)直属の育成機関であることが特徴です。このルートをオススメとした理由は、次のとおりです。
*声優養成所がオススメな理由*
・大学とのWスクールが可能→他の職にも就きやすい!
・社会人でも通える→リスクヘッジできる
・学費が比較的安め
・見極めがしやすい
声優養成所はコースにもよりますが週1〜3日程度の通学。時間帯にも配慮があるためWスクールや社会人でもOK。そしてレッスン時間が短いこともあってか専門校と比べると学費が安めです。自分で学費を工面することも可能になってくるでしょう。
「見極めがしやすい」というのは、カリキュラムの途中でも審査があったり、途中退所を余儀なくされたりと「実力の世界」なのです。何となく在籍して学費を払い続けるリスクを極力省くことができます。
*声優養成所の例*
・日本ナレーション演技研究所
・プロ・フィット声優養成所
・青二塾
・81ACTOR'S STUDIO
・スクール・デュオ 他多数
声優養成所に入るためには審査(オーディション)があるケースと書類審査のみのケースがあります。そしてカリキュラムを終えたらどうなるかですが、エスカレーター式に系列のプロダクションに入れるわけではありません。そこにもやはり審査があります。
“毎期3〜10数名が所属や預かりになっているので、本科に入った約10〜50%が所属する可能性があります。”(プロ・フィット声優養成所)
これはあくまでも一例ですが、養成所のカリキュラムを終えたとしても、むしろプロダクションに入れない人の方が多いのです。また、特例で審査なしで入れるケースも皆無ではありませんが、特待生的なレアケースであることは理解しておきましょう。
専門校⇒プロダクション所属
専門校とは声優の専攻コースを持つ専門学校やスクールのこと。アニメ・ゲーム系の専門学校に声優コースとして設けられていることが多いです。
専門校でのカリキュラムを終える頃には、オーディションを受けてプロダクション所属を目指すことになります。なるべく多くのプロダクションとパイプを持っている学校の方が、選択の幅が広がるためおすすめです。
これは養成所と専門校の両方に言えることですが、プロダクション所属へのオーディションに合格できないと、そこで頭打ちになってしまいます。もう一度別のところでレッスンし直す、別のオーディションにチャレンジする、別のシゴトを検討する、など自分で納得する道を探っていくことになります。
専門校⇒声優養成所⇒プロダクション所属
これは先にお伝えした2つのパターンの合わせ技のようなものです。
専門校から直接プロダクション所属オーディションに受からなかった場合でも、声優養成所の入所オーディションに合格すれば、そこから改めて声優を目指すことができます。
ちなみに「専門校」と「養成所」を比べた場合、「養成所」の方がプロに近い位置付けとなります。ですから「専門校」を卒業してもそこから直接プロダクション所属・デビューを勝ち取るのはほんの一握り。多くの人は改めて養成所に入り直すか、別のシゴトにつくことも考えなければなりません。
俳優やタレント⇒声優に転向
他に声優になるルートとしては、俳優やタレントを経て声の仕事を増やし、そのまま声優一本で進む、という例もあります。声優黎明(れいめい)期はこのパターンが当たり前だったそうですが、近年こうした例は増えており、声優になるためのステップとしてまずアイドルになる、という人がいるくらいです。
一般公募のオーディションを直接受ける
大手タレント事務所やレコード会社が声優部門を新たに設置するケースも増えています。そうした事務所や会社主催のオーディションに参加し、いい結果を残した場合も、そのまま事務所所属になったりします。
ただしこの場合は経験者などプロとしての実力を既に持っている人に限られます。声優を一から目指す人にはハードルが高くおすすめではありません。
声優プロダクションに入ってからも油断は禁物
さて無事オーディションに合格すれば、晴れてプロダクション所属です。声優プロダクションは実は数限りなく存在するのですが、ここでは主なものを挙げておきます。
*主な声優プロダクション*
・アイムエンタープライズ
・81プロデュース
・アーツビジョン
・青二プロダクション
・大沢事務所
・プロ・フィット
・マウスプロモーション
・賢プロダクション
・東京俳優生活協同組合
・VIMS
一口に所属といってもまだ安心はできません。実は正規の所属のほかにも、
・預かり
・準所属
・ジュニア所属
といった「見習い」のような段階があるのです。この見習いの状態だと、事務所によっては「規定の実績を残さないと退所になる」という規約が設けられていることも。たとえば1年以内に何らかの作品に出演する、といった具合です。事務所としてもお金を稼いでくれない人を所属させておく理由はない、ということですよね。
見習いから正所属にランクアップするのはまた高いハードルがあります。さらに実力をつけ、チャンスを掴み、「プロとしての実力があるな」と認められればようやく正所属になることができるのです。険しい道ですね。