春休みに手頃な電車旅はいかが? 関東1都6県500kmを140円で旅する方法【学生記者】
みなさんこんにちは。横浜国立大学経済学部1年の高晃です。
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季節はまだまだ冬本番ですが、大学生はもうすぐ春休みですね。4月からの新歓に向けて、バイトやサークル活動で忙しい人も多いと思います。そんな長い春休み、次第に聞こえてくる春の足音に誘われて、どこか遠くへ行ってみたくなる日もあるのではないでしょうか。しかし、旅行に行けるほどのまとまった休みが取れるとは限りませんし、なによりも大学生にはお金がありません。特にこの時期は、新歓に向けてお金は節約しておきたいところですよね。
◆値段は? 時間は? 学生旅行のお供「青春18きっぷ」の使い方を徹底解説!【学生記者】
以前の記事では、青春18きっぷを使った格安旅行を紹介しましたが、今回の記事ではそれよりもさらに安い「140円大回り旅行」を、筆者が実際にやってみた体験を踏まえて紹介したいと思います。
■「140円大回り旅行」とは?
JR各社の運賃規則によると、大都市近郊区間(https://www.jreast.co.jp/kippu/1103.html)のエリア内では、「同じ駅・区間を2回以上通ってはいけない」、「途中下車してはいけない」などのきまりを守れば、運賃は実際の乗車ルートに関わらず乗車駅から下車駅までの最安経路で計算することになっています。
つまり、ある駅から乗車し、一筆書きができるようなルートを通って隣の駅で降りれば、運賃は初乗りの140円しかかかりません。この規則を最大限に活用すると、一筆書きで北関東や房総半島をぐるっと回ることができます。これが「140円大回り旅行」の正体です!
■「140円大回り旅行」の魅力は?
まず、なんといっても安いです。昼食代を含めても1000円程度で済むのは、常に金欠に悩まされている大学生には非常にうれしいですね。また、一日で北関東から南房総まで回ることもできるので、季節の変化を実感することができます。北関東で窓の外に広がっていた冬の名残が、南房総では一足早く咲いた春の花に変わっていれば、春の訪れを感じられて朗らかな気持ちになれるのではないでしょうか。
さらに、計画の自由度が高いのもこの旅の特徴です。駅ナカのカフェで少しのんびりしたいと思ったら乗る列車を一本遅らせることができますし、計画を途中で切り上げて帰宅することも容易です。自由な気分で、山に海にと変化する車窓を140円で一日中楽しめるなんて本当にお得ですよね!
■「140円大回り旅行」の注意点は?
途中下車ができないので、買い物は全てて駅の改札内で済まさなければなりません。特に注意が必要なのは昼食の確保です。房総半島や北関東では、乗換駅でも昼食が売っているような売店が改札内にないことがあります。昼に両エリアを通る計画を立てた人は、房総や北関東への入り口になる千葉駅や高崎駅、大宮駅などでしっかり昼食を買っておくようにしましょう。また、せっかくの遠出なのでICカードを使うよりも紙の切符を買って旅行気分を味わいたいところですが、くれぐれも切符の紛失には注意しましょう。
さらに、紙の切符を使った場合、一定時間が経つと自動改札機を通れなくなってしまうので、帰りは駅員さんがいる改札から出なければなりません。駅員さんにしっかり事情を説明できるように準備しておきましょう。
■おすすめの路線は?
(上写真:JR八高線と同型の車両)
首都圏で大回り旅行をするなら、やはりJR鶴見線とJR八高線に乗るのがよいでしょう。鶴見線は川崎市から横浜市にかけての沿岸部に立地する工業地帯のど真ん中を走る路線で、窓の外に立ち並ぶ巨大な工場群は圧巻です。
そして、特に私がおすすめするのが八高線です。この区間は、首都圏の大回り旅行のなかで唯一の非電化路線となっており、のどかな風景とディーゼルエンジンの唸り声が都会の喧騒を忘れさせ、旅情をかきたててくれます。
■ まとめ
「大回り旅行」なんて初めて聞いた、という人も多かったと思いますが、いかがだったでしょうか。確かに、大回り中には同じような風景が続く区間もあり、飽きを感じてしまうこともありますが、大回りを完成させたときにはなんともいえない達成感があります。みなさんも、ふと遠くに行きたくなったときには自分なりの一筆書きで140円の大回り旅行を楽しんでみるのもよいのではないでしょうか。
文・高晃