『伝え方が9割』佐々木圭一さんと大学生に聞く「若者のLINEコミュニケーションの実態」
こんにちは! マイナビ学生の窓口編集部です。大学生のみなさん、LINEは使っていますか? 今ではメールよりも断然主流で、LINEのアプリが壊れてしまうと泣くほど困る……という方も多いのでは? 友だちと遊ぶ予定もメールや電話だったのに今ではLINEで全部済ませることができてしまいます。そんなLINEの登場で学生のコミュニケーション方法はどのように変化したのでしょうか?
そこで今回は、コミュニケーションといえばこの人! 「伝え方が9割」の著書でコピーライターの佐々木圭一さんと就職活動中の2人の現役学生に、LINEによるコミュニケーションについていろいろ話を聞いてみました!
● 今回の登場人物
佐々木圭一さん
株式会社ウゴカス代表。コピーライター。「伝え方が9割」の著書。
あみ
国立大学4年生。関西出身、大学進学のため上京。広告業界を中心に就職活動中。
りょう
私立大学4年生。サッカー部の副キャプテン。 人材派遣会社を中心に就職活動中。
スタンプは手抜き!?
佐々木さん 2人はやっぱりLINEよく使っているの?
あみ 普通に使っています!
りょう 僕はサッカー部に入っているんですが、遅刻防止のために朝起きたらグループLINEでスタンプを押して、部員の「起きた確認」をしています。練習に遅刻したら僕ら坊主にしなきゃいけないんですよね(笑)。
あみ 坊主!? でも、女友だちとのグループLINEと恋人とのLINEのやりとりはまた違う気がしますね。女友だちとのやりとりは言葉を多めに使うようにしているけど、恋人とのやりとりはついつい短文になっています。
佐々木さん LINEが普及したことによって、便利な半面、自分自身の言葉で表現することは減りましたよね。例えば、「今日 は楽しかったね」で楽しそうなスタンプを押せば終わっちゃう。
あみ たしかにそうですね。
佐々木さん LINEがなければ「今日は楽しかったね」のあとにどう楽しかったのか考えるけど……LINEの便利さやスピードというメリットがある一方で自分の気持ちで考えるチャンスが減ってしまったような、そんな気がします。
あみ わたしもですが、最近はまわりの子もあんまりスタンプは使わないかも。とにかく女の子同士のLINEはみどりが大きい!
佐々木さん 「みどりが大きい」っておもしろい表現だ! 文字数が多いから一つのふきだしが大きいってことだよね。
あみ あ! そうです!
りょう スタンプは女の子が使うイメージ。ものぐさな男子たちはあんま使わないかも。
あみ ポン、ポンポンと会話があって、締めにスタンプを押すことが多いかな。
りょう 女の子がいるグループLINEをみるとたしかにそんなイメージがあるわ!
あみ 友だちがかわいいスタンプを使っていたら真似してすぐダウンロードしていたけど今はなんか変わった気がします。
佐々木さん どういうこと?
あみ スタンプだけだと、「あいつスタンプで済ましている」って雰囲気になっちゃうような。だから、今はスタンプを使う人も友だちの中では前より減っている気がします。
佐々木さん スタンプだけだと済ましているって、もう今の子たちは逆にわかってきているみたいですね。なかなかおもしろい。
LINEで意識するべき「感情30%増し」って?
佐々木さん LINEを使っていて困った経験はありますか?
りょう 高校時代、サッカーの練習中に後輩のボールが僕の背中に当たってしまって。その後にLINEで後輩が謝ってきたんですよね。「全然大丈夫だよ」って絵文字がないものを送ったら、逆に怖がられてしまいました。本当に気にしていなかったのに……。
佐々木さん デジタルの文字の言葉はあっさり聞こえるんだよね。だから相手にうまく伝わりにくいみたい。だからデジタルメディアは感情30%増しで送る必要があると思う。
あみ&りょう 感情30%増し……?
佐々木さん 絵文字をつけたり、ビックリマークを二個つけたりすること。それを怠ってしまうと相手に冷たく伝わってしまう恐れがあります。
あみ たしかに、「。」だけだったりそれすらなかったりすると冷たく感じてしまいます!
あみ わたしはLINEの履歴が消えちゃうところがいやです。
佐々木さん&りょう あーー
あみ 暇なとき履歴見返したくなったりしませんか? たとえば、この前イライラしてたけどなんで怒ってたんだっけ、とか。
佐々木さん もしかしたら、LINEでのやりとりって記憶に残らないぐらい薄いものなのかもしれないですね。悪く言うとその場限りと言うか……。
あみ そうなんですよ~! メールが消えても気にしなかったんですけど、LINEの履歴が消えちゃうのはLINE特有でイヤだな~と思います。
佐々木さん もしかしたら2年後とかにはLINEというツールが消えている可能性があるよね。そこを比べると手紙は強いなぁと思います。
あみ LINEの文字と、手紙でかく文字は違いにありますよね。手書きのほうが温かみがあって相手により気持ちが伝わりやすそう。
佐々木さん 卒業するときもLINEで「ありがとうございました」もできるけど、手紙で送ったほうが、もらった先生のことを考えると何年後かにみたときに「こういうやついたよな」と思い出してくれる確立が高そうだよね。相手の記憶に残りやすいというか。
りょう たしかに! 今度サッカーの試合があるんですけど、そこで母親に手紙を書いて読むイベントがあるんですよ!
佐々木さん それはお母さんは絶対喜ぶやつだね。
あみ お母さん泣いちゃいそう。
佐々木さん 就活している学生から僕はOB訪問を受けると、手紙をもらうことがありますが、一番丁寧なのは手紙を送りつつ、FBやメールで御礼を来れる人かな。自分のために時間をつかってくれたのが手紙をもらうと明らかだし、その人の記憶もしっかり残りますね。
LINEやメールより手紙?
佐々木さん直伝の就活コミュニケーション
佐々木さん そういえば……僕もOB訪問のとき常にハガキをかばんの中にいれていましたね。
あみ&りょう えええええええええ!
佐々木さん ただのハガキだと印象に残らないから上半分は自分の写真にしたものを。自意識過剰なんですけど……。あと文字をたくさん書くのは面倒くさかったから(笑)。
あみ そういう手紙の使い方もあるんですね
佐々木さん 会ってくれる30分の間に売り上げを上げることもできるのに、自分のために時間を作ってくれたOBに手紙を書くのはいいことだと思う。もしかしたら人事と繋がっているかもしれないし……単なるLINEやメールでありがとうございました、だと別にまた会わなくていいかなと思ってしまいそう。
りょう 記憶にも残りそうですね。
あみ 手紙をもらうことがないから、不意をつかれるというか……。
佐々木さん 自分の大学と住所を書いて30通~50通かばんの中に準備していましたね。毎日持ち歩いていました。
りょう 手紙じゃなくてハガキってところがいいですね!
あみ ハガキのほうが気軽な感じ! 自己PRにもつながるなぁと思います。
(ポケットから万年筆をとってすらすらと書き出す佐々木さん)
佐々木さん 便箋とかだと少し仰々しいけどハガキならすぐ見てくれると思ったんだよね。今、僕が就活生なら、こんな風にページをめくれる風にすみっこを描いて、ここに一言メッセージをのせるかも。
あみ ちらって何かがのぞいている感じ気になる……! ここに何か強く推したいことをかくと相手の人も「おっ!」って思ってくれそうですね。
佐々木さん 相手のことを考えると手紙をもらったほうはうれしいと思います。最上級の思いを伝えたいのであれば手紙がいいのかも。
りょう たしかに、やっぱり手紙のほうが企業の人に思いは伝わりやすそう。
佐々木さん
僕はOB訪問が終わってすぐ下のメッセージの欄に御礼の言葉を添えて、近くのポストに投函していました。そしたら明日の朝には相手に届くだろうし。
あみ 今日この帰りに郵便局によってハガキを買って帰ることにします!!
まとめ
今回の3人のお話を聞いて、わかったことは以下の3点!
● 会話に入らずにスタンプだけで済ます人は、相手に悪いイメージを与えることもある。
● LINEやメールなどデジタルコミュニケーションは絵文字や「!!」をつけるなど、感情30%増しを意識するといい。
● ここぞ! というときはメールやLINEではなく直筆の手紙を出すと相手に好印象!
LINEでスタンプだけで返信するとマイナスの意味でとらえられる、ということには驚きでしたね。ついついスタンプに頼りがちですが、きちんと文章で伝えることが相手の誤解もまねかず、気持ちのいいコミュニケーションにつながるとのこと。さらに想いを伝えたいときは、佐々木さんのアドバイスのように、手紙やハガキなどの手書きのメッセージが有効的。普段もらわない分より記憶に残りやすいし、丁寧な対応が好印象に受け取ってもらえそうですよね。
LINEは便利で楽しいツールですが、全てのコミュニケーションがうまくいくわけではありません。伝え方や伝える手法を工夫して、相手と自分の気持ちにズレのないコミュニケーションが実現できるといいですね。
文:学生の窓口編集部
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