ここ数年で非常に増えているのが「サバイバル番組」。さまざまな人気番組がありますが、中でも人気が高いのが、ディスカバリーチャンネル制作の『サバイバルゲーム』シリーズ(原題『MAN vs.WILD』)です。元イギリス特殊部隊のサバイバル専門家ベア・グリルスが、実際に過酷な状況から脱出しつつ、サバイバル術を紹介するという内容です。今回は、この『MAN vs.WILD』シリーズで紹介されたサバイバル術の中から、「これはもしものときに役立つかもしれない」というものを紹介します。

■役立つけど実践するのに勇気がいるものも……

●「時計と太陽で方角を知る」

遭難中、何らかの状況で移動しないといけなくなった場合、重要なのが「方角を知ること」です。ただコンパスがない状況では方角を知ることができませんよね。そこで使えるのが腕時計で方角を知るテクニック。腕時計の短針を太陽に向けて、その短針と12時の中間が南になります(北半球の場合)。

他にも、棒を地面に突き刺してその影の先端を地面にマーキング。それから15分経過して影が移動したら、先ほどのマークと、動いた影の先端を線で結びます。これが「東西の線」となります。つまり、最初のマーク側が西、次のマークが東になるのです。

●「何より大切なのはシェルター」

十分な装備品がない状態で遭難した場合、大事なのは「シェルター作り」です。雨や寒さをしのげるシェルターの有無は生死を分けます。枝を重ねてその上に大きな葉を何枚もかぶせたような簡易シェルターでもいいので作り、床部分にも体温を奪われないように落ち葉や干し草を敷き詰めるといいでしょう。また、シェルターを作るときは、周囲に動物の足跡やアリの巣がないかも確かめると良いそうです。

『サバイバルゲーム』には、他にも「体の大きな動物の死骸の腹部に入って暖を取る」というウルトラCテクニックも登場していましたが、これは素人にはちょっとまねできませんよね(笑)。

●「ナイフがないときは石で作る」

シェルター作りをする際、ナイフがあると枝や葉を切ったりするのに便利です。しかしナイフがない状況もあるでしょう。そこで使えるのが「石のナイフ」です。石を割り、ナイフのように鋭く薄く割れているものをピックアップします。シェルター用の枝や葉、また、木のつる程度ならこの石のナイフで十分に切ることができます。良い形の石が見つからない場合はいくつも石を割ってみましょう。

シェルターやツール作りの他にも、捕獲した獲物をさばいたり、持っている食材を切ったりとサバイバルには欠かせないアイテムです。

●「虫は貴重なタンパク源」

『サバイバルゲーム』の見どころの一つが「ベア・グリルスが何でも食べる」というもの。ヘビにカエルに、さらにはよく分からない虫など、さまざまなものをバクバク食べます。しかも虫に至っては「頭は硬いので落とします」くらいで、ほとんどそのままだったりします。そう簡単にまねできませんが、極限のサバイバルでは少しでも栄養補給するのが生き延びるポイント。もしものときは実践すべきことでしょう。

劇中で何でも食べているベア・グリルスですが、虫を食べる上でアドバイスしていることがあります。それが「舌を刺すような刺激があれば食べない方がいい」ということです。それ以外は、「ごちそう」です。

●「竹から水を得る」

飲み水がない状況になった場合、沢を探すのがベストですが、歩き回って見つからないこともあります。そんなときは、周囲に竹がないか探しましょう。竹の節と節の間の空洞には水がたまっていることがあり、その部分をたたくと音がするので見分けることができるそうです。あとは竹を割って水を摂取すればOKです。竹の多い日本の山では使えるテクニックかもしれません。

他にも、「海水から真水を作る方法」も紹介しています。穴を掘って海水を注いで真ん中に容器を置き、ビニール(可能ならば黒色のもの)で穴にふたをします。すると穴の中の温度が上がって海水が蒸発し、ビニールに水滴が付きます。この水滴がビニールのたわんでいる部分に集まり、容器に水がたまっていくのです。海水はあるけど真水がない、という状況で役立つかもしれません。

『サバイバルゲーム』シリーズの中に登場した「サバイバルテクニック」を5つ紹介しました。他にもさまざまな「そんなのアリ!?」というサバイバル術が披露されているので、気になる方はぜひ番組を見てみてください！

(中田ボンベ＠ｄｃｐ)