2018年11月27日 更新

賃貸の火災保険って自分で探すの? 一人暮らしで大事な火災保険のこと

部屋を借りる際には、火災保険へ加入することになります。「そもそも賃貸における火災保険ってどんな保険なの?」「自分で探す必要があるの?」など、気になる疑問とともに注意事項もご紹介。一人暮らしをはじめるにあたって考えたい大事な火災保険のことをお伝えします。

この記事で書いている3つのポイント

①賃貸の火災保険とは、火災における損害を補償するもの
②自分が起こしたトラブルだけでなく、隣人から飛び火した損害にも対応
③大学生の一人暮らしなら、最低限の家財を補償してくれる火災保険を

賃貸の火災保険とは?

賃貸の火災保険とは、火災による損害を補償するためのものです。その目的は2つあり、1つは借主の家財が火災で損害を受けたことによる補填。
もう1つの目的は、火事によって建物が損害を受けた場合の、家主に対する原状回復義務(火事が起きる前の状態に戻す)を果たすためです。
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火災保険は必要? どんなときに役立つの?

火災保険は、借主と家主を両方助けてくれる保険です。とはいえ「家事さえ起きなければ、加入しなくても良いのでは?」と感じる人もいるかもしれません。
どうして火災保険が必要なのか、具体的にはどんなときに役立つのでしょうか?

火災保険は自分と家主のための保険

たとえば借りている部屋で火事を起こしてしまった場合、うっかりでは済まされないような重大な過失でない限り、「失火責任法」という法律により、賠償責任は負わなくていいと定められています。
しかし部屋を借りる際の契約で、「原状回復義務」という言葉を耳にするはず。これは「借りた状態に戻してください」という意味です。

つまり火災で部屋が焼けてしまった場合も、もちろん「原状回復義務」があります。黒コゲの部屋を、借りたときの状態に戻さないといけません。このときに火災保険が必要になってきます。「お金がなくて回復させられません」となっては家主も困ってしまうため、賃貸契約する際には必ず火災保険の加入が必要です。

自分は火事を起こすことなんてない、と思っていても隣家が火事を起こし、自分の部屋が燃えてしまう可能性もあります。そのとき、こちらもまた失火責任法により、重大な過失がなければ隣家には賠償責任がありません。しかし借主には「原状回復義務」があり、家主に対しての責任は残ります。
火事は自分だけが気を付けていればいいというものでなく、万が一のときに困らないためにも必要な保険なのです。

火事だけでなく災害と水漏れも補償される

火災保険は、火事が原因の損害だけでなく、落雷などの災害や水漏れによる損害も補償されるのが一般的です。落雷によりパソコンなどの家電が壊れることもあり、あるいは洪水で床上浸水することも考えられます。
その際、火災保険に加入しておけば、このような損害までカバー可能です。前述したとおり、家主のためだけでなく、借主も助けてくれる保険と言えるでしょう。
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地震が原因の火事は保証されない

火災保険では、地震が原因の火事は保証されません。また地震保険は単体で加入することはできず、必ず火災保険とのセットになります。地震における損害も心配の場合は、地震保険にも入るほうがいいでしょう。

火災保険はどうやって入る? 注意点は?

火災保険の大切さがわかったところで、実際にどのように加入するのかをチェックしてみましょう。そのとき、気を付けたいポイントもまとめました。

貸契約を結ぶ際に不動産屋で加入する

賃貸における火災保険の入るタイミングは、部屋を借りる際の契約時です。
不動産屋で気にいった部屋が見つかり契約を決めた場合、賃貸契約と同時に火災保険の契約も結ぶことが一般的。通常は契約時に、不動産屋から火災保険の紹介と説明があるため、納得がいったらそのときに加入します。

契約時は火災保険の金額に気を付ける

借主が賃貸契約するとき、不動産屋から火災保険の説明があります。その際、必ず適切な金額の火災保険になっているか確認が必要です。

保険全般に言えることですが、高級な家財がないにもかかわらず、家財の保険金額が過度になっていれば、それは下げたほうがいいでしょう。もし高額なパソコンや家具などを持っているのであれば、その金額をカバーできるだけの火災保険に入るべきです。
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大学生に適した火災保険はどんなもの?

不動産屋にすすめられる火災保険ですが、自分で選ぶこともできるのでしょうか? 選べるとすれば、大学生の一人暮らしにはどのような保険が適しているのか、必要な補償内容を確認していきます。

保険会社は選べるが、契約内容に注意

不動産屋にすすめられるままに火災保険に入ることは、悪いことではありません。不動産屋は火災保険の会社と業務提携を結んで、火災保険の商品の内容をよく勉強しています。通常は、借主や家主にとって最適なプランを提供してくれるはずですよ。

もちろん自分で選ぶこともできますが、時間がかかるのと、契約内容には注意しておいたほうがベターでしょう。保険について詳しい人であれば問題ないのですが、そうでない場合、万が一の事故が起きた際に、補償内容が不十分となり、思わぬ出費につながることもあるからです。

自分で選ぶメリットは、他社の火災保険を比較検討できること!
おすすめは、インターネットで火災保険の会社をいくつかピックアップし見積もりをとって、自分にあった保険プランを選ぶ方法です。ただし自分で選んだ保険で賃貸契約ができるかどうかは、不動産屋へ事前に確認しておいたほうが良いでしょう。

一人暮らしの学生なら最低限でも十分

大学生が一人暮らしのために部屋を借りるとして、高額な家具を購入する予定がなければ、家財に関しての補償は最低限で十分です。もちろん学生によっては高級家具などを持参するかもしれませんが、特別そういったことがなければ、家財の補償プランは1番低い金額で問題ないでしょう。

また保険契約の契約期間ですが、通常は1年契約や2年契約などから選ぶことができます。予算が厳しい場合、1年契約にしたくなりますが、そうなると2年契約よりも割高になるため、注意してくださいね。

また、火災保険は部屋を借りている限り、加入し続ける必要があります。更新の際、支払い期限を1秒でも過ぎてしまうと再申し込みが必要です。その際は無保険となりますが、運が悪いと、この無保険のときに洗濯機のホースが外れ水漏れし、階下の入居者が損害を被ることもあり得ます。更新は一般的にコンビニなどの振り込みなどが多いので、忘れないようにしましょう。
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まとめ

以上、賃貸の火災保険について紹介しました。一人暮らしをするまでは親が契約していることも多く、なかなかなじみがないかもしれません。これを機に自分にあった火災保険を選び、万が一のことがあったときに後悔しないようにしましょう。
監修:山本 勧(やまもと すすむ)
宅地建物取引士
兵庫県在住。不動産会社に6年勤務後、会計事務所にて5年勤務。その後、不動産とお金についての専門ライターとして独立する。不動産に関しては賃貸不動産から売買、リフォーム、土地活用関係まで幅広く取り扱っている。FP2級、簿記2級保有。
※掲載の価格、商品スペック等は掲載時の情報です。

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