目次
この記事で書いている3つのポイント
① 敷金とは家主に払う補償金
② 敷金は一般的に家賃1~2ヵ月分
③ 敷金がたくさん戻ってくる部屋探しのポイントは「トータル費用」
② 敷金は一般的に家賃1~2ヵ月分
③ 敷金がたくさん戻ってくる部屋探しのポイントは「トータル費用」
敷金とはどういった種類のお金なのか
敷金(しききん)とは、部屋を借りる際に家主に支払う金銭のことです。借主(部屋を借りている人)が家賃を滞納した場合などは、敷金から天引きされることも。ここでは簡単に、敷金とはどういう種類のお金かについて解説します。
敷金は家主のために支払う保険の一種
家主側からすると何かあったときの担保のようなもの。反対に借主からすると、前払金、つまり「先に支払って何もなければ返還されますよ」という意味のお金のことです。
「敷金は、家賃の未払いやその他賃貸借契約上の損害賠償など一切の債務を担保するために、貸主に預けるものです。」
賃貸住宅トラブル防止ガイドライン より
「敷金は、家賃の未払いやその他賃貸借契約上の損害賠償など一切の債務を担保するために、貸主に預けるものです。」
賃貸住宅トラブル防止ガイドライン より
民法で定められているため、小難しく書いてありますが、簡単に言えば「部屋を借りる際に支払う、家主にとっての保険の一種」と考えられます。
このため家賃の滞納はもちろんのこと、故意に部屋に穴をあけてしまうなど、部屋の借主の責任が大きい場合などは、退去するときに敷金から引かれることになるので注意してくださいね。
このため家賃の滞納はもちろんのこと、故意に部屋に穴をあけてしまうなど、部屋の借主の責任が大きい場合などは、退去するときに敷金から引かれることになるので注意してくださいね。
保証金と敷金は同じ意味
保証金とは、敷金と同じ意味で呼び方が違うだけです。関東では敷金、関西では保証金と呼ばれることが多いのですが、呼び方の違いはあるにせよ意味は変わりません。
敷金とはどれくらいが目安になるのか
敷金は通常、家賃の1ヵ月分が多い
国土交通省「平成29年度 住宅市場動向調査」によると、敷金は家賃の1ヵ月分だった人が52.8%、2ヵ月分だった人が29%でした。半数以上が、敷金は家賃の1ヵ月分だったということがわかります。これを部屋探しにおける初期費用(最初にかかるお金)の目安として、予算にあらかじめ組んでおいた方がよさそうです。
契約内容に「敷金1ヵ月」「2ヵ月」といった表記がある場合、そのまま「家賃1ヵ月分」「2ヵ月分」と捉えて問題ありません。ひと月ごとの家賃単位に設定されているのは、万が一滞納してしまったときの家賃の担保を考えてのことです。
契約内容に「敷金1ヵ月」「2ヵ月」といった表記がある場合、そのまま「家賃1ヵ月分」「2ヵ月分」と捉えて問題ありません。ひと月ごとの家賃単位に設定されているのは、万が一滞納してしまったときの家賃の担保を考えてのことです。
敷金はいつ払う? 答えは契約するとき
敷金を支払うタイミングは、部屋の契約時です。契約時と言っても、契約書に署名捺印をするときに手持ちがなければ、支払期限があります。それまでに現金もしくは振り込みにて、ほかの初期費用などと一緒に敷金を支払うことになるでしょう。
初期費用と一緒に敷金がいくらになるかは、必ず不動産屋から説明があります。その際、もし疑問があれば遠慮なく聞いてみてくださいね。敷金はトラブルになることが最も多い種類の金銭なので、不安なことはその場で担当者に聞くのが一番です。
初期費用と一緒に敷金がいくらになるかは、必ず不動産屋から説明があります。その際、もし疑問があれば遠慮なく聞いてみてくださいね。敷金はトラブルになることが最も多い種類の金銭なので、不安なことはその場で担当者に聞くのが一番です。
部屋探しにおける契約の流れ
借りたい部屋が見つかったあとは、どのような流れで契約にいたり、最終的にカギを渡してもらえるのでしょうか。契約完了までの流れを説明します。
- 部屋の申し込み
- 入居の意思表示として申込金(家賃1ヵ月程)を預ける
- 宅地建物取引士から重要事項の説明がある(契約内容について説明を受けます)
- 入居審査(家賃が払えるかなど、借主の経済状況について審査されます)
- 契約にいたる(審査が通れば、契約書に署名捺印します)
- 金銭の支払い(ここで敷金を支払います)
- 入居日(契約日)にカギを預かる(審査が通ってお金も支払えたら、晴れて入居日当日にカギを渡してもらえます)
退去するとき、敷金は戻ってくるの?
敷金は基本的に退去後に全額戻ってきますが、契約次第ではそうでないこともあります。「ハウスクリーニング代は入居者負担」と契約書に記載されていれば、敷金から引かれることになるでしょう。
敷金は保証金と同じく、家主に預けているお金です。このため家賃の滞納などがなければ全額返金されますが、前述した通り、契約の内容次第では全額返金されないことも。部屋を借りる契約の際には十分注意してください。
敷金は保証金と同じく、家主に預けているお金です。このため家賃の滞納などがなければ全額返金されますが、前述した通り、契約の内容次第では全額返金されないことも。部屋を借りる契約の際には十分注意してください。
よくある敷金返還トラブル
よくある敷金の返還トラブルのひとつが、タバコで付いた壁のヤニです。これは国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にも記載されているのですが、タバコで汚れた壁紙などの張替え費用は、部屋を借りている人に請求されるケースがほとんど。
喫煙者の方は、敷金から引かれることを覚悟して部屋で吸うか、外の喫煙が可能な場所で吸うなどした方がよさそうです。
喫煙者の方は、敷金から引かれることを覚悟して部屋で吸うか、外の喫煙が可能な場所で吸うなどした方がよさそうです。
原状回復って?
敷金返還時によくでてくる、原状回復という言葉。これは通常生活していれば汚れてくるであろうもの以外は原状に回復、つまり元の状態に戻すという意味です。
たとえば敷金から差し引かれるものとして、フローリングに大きな傷ができるなど、通常気を付けていればできない傷などは原状回復を求められます。このとき敷金から引かれることもあるので、大きなものを動かすときなどは下に毛布を敷くなどして、床を傷つけないようにしましょう。
また原状回復の注意点として、借りた当時の状態に戻すわけではありません。畳が日焼けするなど、時間がたてばどうしても変化してしまうものは、原状回復する必要はないということです。
参考までに、国土交通省がだしているガイドラインには以下のように記述されています。原状回復とは「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・ 過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」とあります。
簡単に言えば、普通に生活して汚れる以外の傷などは元に戻してくださいと言うことです。賃貸物件はあくまでも借りているもの。それを忘れないように生活することが、退去時のトラブルを未然に防ぐことにつながるはずです。
たとえば敷金から差し引かれるものとして、フローリングに大きな傷ができるなど、通常気を付けていればできない傷などは原状回復を求められます。このとき敷金から引かれることもあるので、大きなものを動かすときなどは下に毛布を敷くなどして、床を傷つけないようにしましょう。
また原状回復の注意点として、借りた当時の状態に戻すわけではありません。畳が日焼けするなど、時間がたてばどうしても変化してしまうものは、原状回復する必要はないということです。
参考までに、国土交通省がだしているガイドラインには以下のように記述されています。原状回復とは「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・ 過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」とあります。
簡単に言えば、普通に生活して汚れる以外の傷などは元に戻してくださいと言うことです。賃貸物件はあくまでも借りているもの。それを忘れないように生活することが、退去時のトラブルを未然に防ぐことにつながるはずです。
敷金がたくさん戻る部屋探しのポイントは?
数ある不動産のなかで、敷金がたくさん戻る部屋探しのポイントは、ハウスクリーニング代があるかどうか! ハウスクリーニング代があり、契約書に敷金から差し引くことを明記していれば、退去のときに敷金から引かれます。「敷引」という言葉は、敷金から引きますよという意味です。
つまり敷金がたくさん戻る部屋を探すときは、敷引がない物件を選ぶことがポイント。ただし、退去時に部屋の汚れがたくさん残っていたり、破損があったりするとその修繕費用は敷金から引かれていくことになります。自分で掃除をして、できる限りきれいな状態で明け渡すようにしましょう。
つまり敷金がたくさん戻る部屋を探すときは、敷引がない物件を選ぶことがポイント。ただし、退去時に部屋の汚れがたくさん残っていたり、破損があったりするとその修繕費用は敷金から引かれていくことになります。自分で掃除をして、できる限りきれいな状態で明け渡すようにしましょう。
まとめ
賃貸契約をする前に知っておきたい初期費用のひとつ、敷金についての説明でした。敷金とはあくまでも家主に預けているお金であり、そして部屋の持ち主は家主です。できる限り丁寧に扱い、退去時には極力借りた当時と同じ状態で明け渡します。
家主と借主、双方が気持ちのいい関係を築いていきましょう。
家主と借主、双方が気持ちのいい関係を築いていきましょう。
監修:山本 勧(やまもと すすむ)
宅地建物取引士
兵庫県在住。不動産会社に6年勤務後、会計事務所にて5年勤務。その後、不動産とお金についての専門ライターとして独立する。不動産に関しては賃貸不動産から売買、リフォーム、土地活用関係まで幅広く取り扱っている。FP2級、簿記2級保有。