目次
部屋を借りるときの礼金とは?
「礼金」とは、文字通り「お礼」のお金です。大家さんへのお礼として「貸してくれてありがとう」、子どもが初めて一人暮らしするときに「お世話になります」などという意味で、大家さんにお金を渡しするお金です。
礼金のほかに「敷金」という言葉もよく聞きますよね。敷金は賃貸物件の「保証金」のようなもので、家賃が払えないときなどに敷金から引かれるなど、家賃やその他の賃貸仮契約上の債務を担保するために貸主に預けるお金です。 敷金は契約や退去時の部屋の汚れ具合によっては返金される場合もありますが、礼金は返ってくることはありません。
礼金のほかに「敷金」という言葉もよく聞きますよね。敷金は賃貸物件の「保証金」のようなもので、家賃が払えないときなどに敷金から引かれるなど、家賃やその他の賃貸仮契約上の債務を担保するために貸主に預けるお金です。 敷金は契約や退去時の部屋の汚れ具合によっては返金される場合もありますが、礼金は返ってくることはありません。
礼金の相場は?安くならないの?
礼金はお礼として支払うお金といわれても、戻ってこないなら「もったいない」「できれば安くしたい」と思うかもしれません。実際に支払う礼金はいくらくらいなのか、地域による違いや値引きしてもらえるかどうかをご説明します。
礼金の相場は?いつ払う?
礼金の相場としては、だいたい家賃の1カ月分といわれています。礼金は入居するときに敷金や保険料、仲介手数料などと一緒に「初期費用」として支払うことが多く、全部あわせると家賃の5カ月~6カ月分にもなります。「1人暮らしをはじめるにはお金が必要」とされるのは、この初期費用が影響しているんですね。
ちなみに、住宅用の物件の家賃や敷金・礼金などは「非課税取引」といわれ、消費税がかからないことになっています。
ちなみに、住宅用の物件の家賃や敷金・礼金などは「非課税取引」といわれ、消費税がかからないことになっています。
地域で礼金に違いはあるの?
礼金の相場は地域によって違いがあります。
- 東京……家賃1カ月分
- 北海道・東北……礼金なし(例外はある)
- 大阪などの関西地方……礼金はないが「敷引き(しきびき)」がある
特殊なのは関西地方でしょうか。礼金はありませんが「敷引き」という習慣があり、支払った敷金のうち家賃の1.6カ月分程度が返金されません。そのため、礼金と同じと考えられているようです。
礼金は交渉できる?
「気に入った物件があるけれど礼金が高い!」というときは、思い切って値下げ交渉をしてみてもいいかもしれません。礼金は法律で決まったものではないので、絶対に支払うものではありません。空きが出ている物件は大家さんも「早く入居してほしい」と思っているので、スムーズに交渉できることがあります。
具体的に礼金の値下げ交渉はどうする?
値下げ交渉といっても、オーナーである大家さんに直接連絡する必要はありません。まずは賃貸物件を紹介してくれる不動産業者に、「物件は気に入ったけど予算が足りない」と伝えてみましょう。
不動産業者も慣れているので、「交渉してみましょうか?」と言ってくれるケースも多いです。不動産業者が大家さんに交渉しやすいように、「礼金が下がればすぐ契約します!」など意欲をアピールしておくのも効果的です。逆に、完全に心が決まる前に礼金の交渉はやめておきましょう。礼金を下げてもらったのに、「やっぱりほかの物件に決めます」となれば大家さんもがっかりしますし、何より協力してくれた不動産業者に失礼になってしまいます。
不動産業者も慣れているので、「交渉してみましょうか?」と言ってくれるケースも多いです。不動産業者が大家さんに交渉しやすいように、「礼金が下がればすぐ契約します!」など意欲をアピールしておくのも効果的です。逆に、完全に心が決まる前に礼金の交渉はやめておきましょう。礼金を下げてもらったのに、「やっぱりほかの物件に決めます」となれば大家さんもがっかりしますし、何より協力してくれた不動産業者に失礼になってしまいます。
礼金なし物件はお得?デメリットを知っておこう!
最近では礼金がいらない「礼金なし物件」も増えています。「礼金がいらないなんておトク!」と思いますが、礼金がゼロの物件には注意点もあるんです。
礼金なしの物件は人気がないのかも……?
駅近やバストイレ別、近所にスーパーがあるなど、人気の条件がそろっている賃貸物件なら、礼金があっても入居希望者はいるものです。それでも礼金なしの物件という場合、ちょっと住みにくいポイントがあることがあります。大家さんの立場からすると、「礼金はなくていいから誰かに住んでほしい」というときに「礼金なし」という魅力をプラスするのです。具体的には近所が騒がしかったり音漏れがしたり、耐震性が心配……などのケースが考えられます。
家賃が高くなる?
設備などの条件に問題がないのに礼金なしの物件なら、「すぐ契約したい!」と思ってしまいます。しかし、思わぬ落とし穴がひそんでいることがあります。例えば、家賃が相場より高いケース。家賃を高くすれば、礼金なしでも大家さんは礼金分のお金を回収できるのです。また、契約前に支払うお金の内訳をよく見たら、クリーニング代やカギの交換費用が相場以上に高いというケースもあります。
まとめ
法律で支払うことが決められているわけでもないから礼金は安く済ませたいと思う人もいるかもしれません。たしかに大家さんとの交渉や物件の探し方によっては、礼金を抑えることもできます。ただ、礼金なしの物件に注意しておきたいポイントもあるので、そこに住む間の総額費用を比較して物件を選ぶようにしましょう。
監修:森田浩行
リアルティマート株式会社 代表取締役。不動産コンサルタント
大手財閥系不動産会社にて神奈川県西部(主に湘南エリア)の売買仲介を担当。売却案件に強く、相続対策や不動産活用等の案件や賃貸住宅建設・募集の企画提案の実績は600件以上。マネージャー就任後も1000件以上の案件(売買実績)に携わる。2017年に独立し現職。現在は売買全般、賃貸住居系のほか、テナントリースの案件も数多く取り扱う。宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)資格を保有。