2021年03月05日 更新
これだけは譲れない! 一人暮らしの部屋選びで押さえておきたい条件って?
初めて一人暮らしをする人は「部屋の条件」といわれても具体的にイメージができないもの。お部屋の条件を一覧でまとめました。また、全ての希望を叶えるのは難しいこと。妥協ポイントの考え方も見て部屋選びの参考にしてみてください。
初めての一人暮らし、「過ごしやすい部屋がいい」「好きなものに囲まれて生活したい」なんて理想はあっても、実際どんな部屋を選んだらいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。 今回は、一人暮らしで押さえておきたい部屋選びの条件をあげてみました。
知っておきたい部屋選びの条件一覧
部屋選びの条件は、住む人の性格や求める生活によって少しずつ変わってくるもの。一般的な部屋選びの際に気にする条件をまとめてみました。自分にはどんな条件が必要か、考えてみましょう。
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物件条件の例
・賃料〇万円以下
・間取り
・広さ〇平米以上
・築年数〇年以内
・2階以上
・鉄筋コンクリート物件
「一人暮らしを始めるということは、身の回りのことも自分でしなければいけないということ。これまでの生活とは一変します。家を決めるにあたっては、部屋の設備だけではなく、立地条件などの「生活」を考えた部屋選びを考慮することがポイントです」(一人暮らしアドバイザー 小林さん)
部屋選びの条件の決め方って?
生活を便利にするために「あれも欲しい」「これも欲しい」と思ってしまいがちですが、部屋選びで大切なのはこれからの自分の生活に適した部屋なのかどうか。自分の理想と性格を踏まえた上で暮らしやすい部屋選びの条件を考えてみましょう。
物件は最低条件を決めておこう
賃料や部屋の広さ、物件の築年数など、自分の理想を決めておきましょう。また、実際はどこまで妥協できるのかも考えておくと部屋選びの際に決断しやすくなります。
賃料〇万円以下 |
毎月いくらまでなら支払い続けられるのかの確認を |
間取り |
ワンルーム・1K・1DKなど、自分の生活にはどんな間取りが合うのかを考えよう |
広さ〇平米以上 |
間取り図で見るだけでなく、内見で実際の広さを確認しておくことが大切 |
築年数〇年以内 |
あまりにも古いと耐震構造になっていない場合もあるのでチェックを |
2階以上 |
防犯面や虫対策には2階以上の物件を |
毎月かかる賃料。賃料が上がれば、その分理想に近い部屋が見つかる可能性も上がります。しかし、支払える限度の賃料でなければ暮らし続けることが難しくなるので、毎月いくらまでなら支払えるのかをきちんと確認しておきましょう。
1R(ワンルーム)、1K、1DKなど、一人暮らし用の部屋にはいろいろな間取りがあります。どんな部屋にしたいのか、自分の生活にはどんな間取りが合うのか、考えながら間取りを決めましょう。
一人暮らしの部屋ではどれくらいの広さがよいのか考えておきましょう。同じ6畳であっても部屋の形で使い方や家具の設置の仕方も変わりますし、柱などがあるとデッドスペースになることもあります。間取り図で見るだけでなく、内見で実際の広さを確認しておくことが大切です。
一人暮らしアドバイザー 小林さん
収納スペースがあれば、広さは20㎡弱で十分です。逆に、広さがそれ以上あっても収納スペースがなければ服の整理に困り大型収納を部屋の空間に置くことになって、部屋に圧迫感を感じることになるので、収納のチェックを必ずしておきましょう
築年数が経っている物件はやはり歴史がある分古く、汚れが目立つこともあります。また、あまりにも古いと耐震構造になっていない場合も。
しかし最近では、リノベーションされ、ほぼ新築と同様に生まれ変わっている物件や耐震診断で基準をクリアしている物件もあるので、ただ築年数が経っているだけで判断せず、実際に見てみることをおすすめします。新築のほうが家賃は高くなります。
階数が上がると外から人が侵入しづらくなるため、防犯面が気になる人は2階以上の物件を探すのがよいでしょう。また、虫対策にも上層階のほうがおすすめです。ただ、階が上がるごとに家賃が高くなるのが一般的です。
設備条件は代替案を考えておこう
これらは個人のこだわりに関わってくる部分です。自分の性格や思い描く生活に合うかどうかを考えながら自分にはどのような設備が必要か考えてみましょう。欲しい設備がついていないときの代替案も考えて必ずほしいもの、あったらよいもの、など分けておくと、あとで優先順位がつけやすくなります。
収納スペースの確保 |
備え付けの収納スペースがない場合は、荷物を置く場所があるかの確認を |
バストイレ別 |
お風呂でゆっくり過ごしたい人はバストイレ別を |
独立洗面台 |
洗面周りの持ち物が多い人や、ゆっくり身支度を整えたい人は要チェック |
浴室暖房乾燥機 |
ない場合はベランダに干しか、部屋干しで衣類乾燥除湿機になることを踏まえて選びましょう |
ベランダ・バルコニー |
浴室暖房乾燥機がない場合は洗濯物を干すためにあると便利でしょう |
室内洗濯機置場 |
洗濯機を外に設置する作りの部屋だと、寒い冬に濡れた洗濯物を外で扱うことに…… |
コンロ2口以上 |
料理の効率が大きく変わるので料理をつくる人にとっては重要なポイント |
エアコン付き |
工事費がかさむため、最初からついている部屋を選ぶのがおすすめ |
宅配ボックス |
家の近くにコンビニがある場合は、荷物をコンビニ受け取りにするなどで不要かもしれません |
オートロック |
防犯対策になり、特に初めて一人暮らしをする女の子には向いているシステム |
駐車場(駐輪場) |
自転車や原付二輪車を持っている場合は確認を |
収納スペースに関しては、大学生活で教科書や書籍の量が増えたり、衣類を買い足したりと、今すぐではなくともいずれ必要になる可能性が高いです。クローゼットやロフト、シューズボックスなどもともと部屋に備え付けの収納スペースが欲しいのか、あとから購入したタンスや棚を置く広さがあれば大丈夫なのかを考える必要があります。
自分に適した収納スペースはなんなのか、現状の荷物の確認とこれからの生活を想像して決めましょう。
一人暮らし用の部屋には、ユニットバス(UB)というお風呂とトイレが一緒になっているつくりりもよくあります。そうすることで、部屋のスペースを広くすることができますが、ゆっくり湯船に浸かりたい人や、生活に仕切りをつけたい人にはあまりおすすめできないので、その場合はバストイレ別の物件を探しましょう。
洗面まわりの持ち物が多い人や、ゆっくり身支度を整えたい人には独立洗面台があると便利です。独立洗面台がない場合はキッチンで歯を磨いたり、部屋に鏡を出して身支度をします。
天気や時間を気にせずに洗濯物を干すことができます。また、下着などを外に干したくないという人も、浴室暖房乾燥機があると悩まずに済みます。浴室乾燥機がない場合は、ベランダに干すか、部屋干しで衣類乾燥除湿機を使います。
浴室暖房乾燥機がない場合、洗濯物を干すときにベランダ・バルコニーはあったほうがよいでしょう。
物件によっては、洗濯機を外に設置する作りの部屋もあります。暖かい時期や夏は問題なくても、寒い冬に濡れた服を外で取り出すのはなかなか大変なことも……。もちろんそれでも大丈夫という人には問題ありませんが、室内にあったほうが便利なことも確かです。
コンロが2つあるだけで料理の効率が大きく変わるので料理をつくる人にとっては重要なポイント。備え付けのコンロがなく、自分で購入するタイプの部屋もあります。
最近の物件にはエアコンが備え付けられていることが多いですが、まれに付いていない物件も。あとからつけることになると工事費などもかさむため、最初からついている部屋を選ぶのがおすすめです。
宅配ボックスがあると、不在時でも荷物を受け取ることができます。アルバイトやサークル活動で家にいない生活になりそうな場合はあると便利ですが、コンビニで受け取ることもできるので、家の近くにコンビニがある場合は不要かもしれません。
入居者でないと建物内に入れないため、防犯対策になります。特に初めて一人暮らしをする女の子には向いているシステムです。TVモニターホン付きだとより安心です。
自分の自転車や原付二輪車を持っている場合はないと不便です。確認しましょう。
立地条件は生活のしやすさに直結!
部屋の広さや設備ばかり気にしてしまい立地条件を忘れてしまうと、いざ暮らし始めると生活しづらい、ということもあります。あらかじめ周辺情報をきちんと調べておき、実際に暮らし始めてからのギャップがないようにしておくことが大切です。
路線 |
ターミナル駅へのアクセスのよさもチェック |
大学や会社までの距離・手段 |
近すぎると私生活の行動が狭まることも |
最寄り駅から家までの距離・手段 |
近すぎると電車や人通りの騒音が気になることも |
周辺施設までの距離 |
コンビニ、スーパーが近くにあるかは自炊するしないにかかわらず重要 |
駅から家までの人通りや明るさ |
夜道の安全性が事前にわからなければ、不動産屋に聞いてみよう |
家から学校まで通いやすいことも重要ですが、ターミナル駅へのアクセスのよさなどが重要な人や、住みたい街がある人は考えておくとよいかもしれません。また、大学でキャンパス移動がある人などは事前に路線図を見て部屋の立地を決めると便利です。
生活のしやすさといった点で、通う大学や会社の最寄駅からどれくらい離れているのかは重要です。大学や会社の最寄り駅から遠すぎると通勤通学に不便ですが、近すぎると逆に私生活の行動の幅が狭まってしまうことも……。
また、家から自宅の最寄り駅までの距離も、近すぎると電車や人通りによる騒音が止まないことがあります。実際に駅からの距離を歩いてみて、確かめてみるのがよいでしょう。駅までのアクセス方法は、電車、徒歩、自転車などさまざまあります。自分に向いている方法を知って、自分に合った距離を見極めましょう。
特に重要なのはコンビニ、スーパーです。自炊をする、しないにかかわらず、ないと不便です。また、いざというときのために病院も近くにあったほうがいいことも。自分の生活のなかでどんな施設が近くにあるとよいのか考えておきましょう。
アルバイトやサークルの帰り道、夜道が暗くなっていることもあります。外灯があるのか、人通りはあるのか、実際に夜道を確かめることが難しい場合は不動産会社の人に聞いて見ましょう。
条件には優先順位を!
自分自身がどんな大学生活を送りたいのか、しっかり考えて優先順位をつけてみましょう。絶対に譲れない条件、妥協してもよい条件、などを決めておくことが大切です。
理想の暮らしから決めていく
一人暮らしをはじめたら、どんな暮らしをしたいか、自分の理想の暮らし方をベースに優先することを決めていく方法です。
たとえば、「できるだけ友だちを部屋に呼びたい」という人は少し広めな部屋を探してみるのもいいですし、逆に「片付けが苦手でコンパクトに暮らしたい」という人はミニマムサイズの部屋を検討してみるのもいいかもしれません。
「アルバイトを頑張りたい」人は帰宅時間が遅くなるかもしれないので、夜遅くまでやっているスーパーやコンビニが近くにあって、駅近の物件を探すのがよいでしょう。「自転車で大学に通う」つもりの人は、借りるアパートに駐輪場がついているか、確認を忘れないようにする必要があります。
自分の理想の暮らしを想像してみて、譲れない条件を考えてみましょう
ポイント制で決めていく
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部屋探しの条件を事前に書き出しておく
内見時にポイントを振って総合的にいい物件を探す
実際に内見に行ってみると、条件に合う部屋が見つからなかったり、部屋の雰囲気などで優先順位がブレやすくなったりします。そんなときは、部屋探しの条件を書き出してそれぞれに「絶対必要=3pt」「できれば必要=2pt」「あったらいい=1pt」の3段階でポイントを振ってみましょう。物件ごとに足し合わせたポイントを出して、自分の希望によりあっている物件はどれか、一定の基準で判断することができます。
工夫できることを探す
あらかじめこだわりの優先順位をしっかりつけていれば、妥協できるところや工夫できそうなとところはおのずと見えてきます。自分の思い描く一人暮らしのイメージと内見の部屋の様子をすり合わせて、重要でない部分はなにか、工夫や許容ができるところはないか考えてみましょう。
まとめ
こだわりの条件が増えれば増えるほど物件の候補は減ってしまうもの。自分の性格などを棚卸ししながら本当に必要な条件はなんなのか考えてみると、整理できるはずです。
監修:小林朗子
整理収納コンサルタント・一人暮らしアドバイザー
マンションデベロッパー、不動産仲介、リフォーム業界などを経て、現在は自宅やオフィスの整理収納コンサルティングを行う。実務作業が主な活動で、引越し・模様替え・衣替え・事務所移転などでお困りの方のお宅にて片付け作業を実施。新築マンションやリノベーションなどの住宅関連企業様とのセミナー開催やコラムの執筆等も行っている。
イラスト・MARIKO TANAKA
文・山下 茜(アート・サプライ)