2020年07月13日 更新

じゃがいもを冷蔵庫で保存してはダメ? 日持ちするための正しい保存方法

じゃがいもの保存方法で注意したいのが、冷蔵庫に入れないことです。ここでは、じゃがいもを冷蔵庫に入れてはいけない理由やどのように保存すればよいのか、詳しく解説します。一人暮らしの食生活、たくさん買ってしまったじゃがいもを最後まで使い切りましょう。

じゃがいもは非常に日持ちする野菜で、一人暮らしをしている人は、値段が安いときにスーパーでたくさん買って、長期間にわたって使いつづけることもあるでしょう。しかし、その保存は常温が基本。
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じゃがいもを冷蔵庫で保存してはいけない理由

冷蔵庫は食品の品質を保持するためのものですが、野菜の中には冷蔵庫での保存が向かないものがあります。そのひとつが、じゃがいもです。
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有害物質アクリルアミドが発生する

近年の研究で 、冷えた状態のじゃがいもを「揚げる」「焼く」といった120度以上の高温で調理した場合、アクリルアミドという発がん性を指摘されている有害物質をより多く発生させる恐れがあるということが分かってきました。
そのため、揚げ物などに使用するじゃがいもは特に常温保存がよいでしょう。目安となるのが6度前後で、これ以下の温度での保存はリスクが高まります。ただし、「煮る」「蒸す」などの調理法ならアクリルアミドの増加は抑えられます。水を使用した調理法であれば、100度が沸点となるので、アクリルアミドの発生条件である120度の長時間加熱を避けられるためです。
なお、一度冷蔵庫で保存したじゃがいもも、常温に戻して1週間ほど置いておけばアクリルアミドの発生を抑えられます。切った後に十分に水に晒すのも効果的ですよ。
(参考:日本食品分析センター『5-2 食品中のアクリルアミド(2014年10月)』)
(参考:農林水産省『家庭調理でできること』)

食感が失われる

冷蔵庫の中は乾燥しているため、じゃがいもを長期間冷蔵庫で保存していると、水分が抜けてしまいます。水分が抜けたじゃがいもはしわしわになってしまうだけではなく、味が落ち、ホクホクとした食感が損なわれます。
また、低すぎる温度ではじゃがいものでんぷん質が低温障害を起こし傷むのも早くなります。
冷凍にも適していません。特に生のじゃがいもを冷凍すると細胞の組織が壊れ、解凍時に水分が流れ出してすかすかの触感になってしまいます。

じゃがいも保存の基本

じゃがいもの賞味期限を延ばすポイントのひとつに、保存場所が考えられます。じゃがいもの特徴を正しく理解して、おいしい状態で保存するコツを身につけましょう。
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常温で保存する

前述のとおり、常温の方がデメリットが少なく、長期の保存が可能です。冷蔵庫内の乾燥だけでなく、湿気も嫌うので風通しの良い場所での保存がおすすめです。土が付いたままだと、湿気を呼び込んでしまうので、しまう前に一度よく払うようにしましょう。

じゃがいもの保存期間

常温なら、正しい状態であれば3ヵ月から4ヵ月、長くて半年はもつと言われています。常温保存はなにもしなくてもいいとも思われがちですが、適切な環境での保存が賞味期限をより伸ばしてくれます。湿気対策としては、紙袋や新聞紙がおすすめです。じゃがいも包んで保存し、湿ってきたら取り替えるようにしましょう。

直射日光を避ける

じゃがいもは光を浴びると光合成をはじめ、発芽や皮が緑に変色するなどの現象が現れます。変色した皮や芽には、ソラニンというアルカロイドの一種である毒素が含まれており、食中毒や頭痛、下痢、嘔吐といった症状を引き起こすことがあります。そのため、光が当たらない場所にじゃがいもを保管することが大切です。新聞紙や紙袋は光を遮る効果もあります。
万が一、皮が緑色になった場合はその部分の皮を包丁で厚めに剥きましょう。芽が出てしまった場合も同様に、包丁で深く削り取れば、通常のじゃがいもと遜色なく使えます。

どうしても冷蔵庫で保存するなら野菜室を使う

温度が上がる環境下にさらした場合にも、じゃがいもの発芽は進みます。前述のとおりじゃがいもの芽は食中毒の原因になります。温度が5度以下の暗いところでは発芽が抑えられるため、夏場に限っては、冷蔵庫での保存を考えましょう。冷蔵室の温度は2度から6度ですが、野菜室は3度から8度とやや高く、低温にも弱いじゃがいもの保存に適した環境と言われています。

冷凍ならマッシュポテトがおすすめ

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もし冷凍したい場合は茹でてからマッシュポテトにするとよいでしょう。フリーザーバッグなどに入れて平らにし、冷凍庫に入れます。その際、アルミ箔を敷いたトレーに入れるか、金属トレーを利用して、できるだけ早く冷やしましょう。
冷凍したマッシュポテトは、ポテトサラダやポタージュなどの温かい汁ものに使えるので便利です。
また、マッシュポテトなどで冷凍した場合の保存目安は1ヵ月です。

じゃがいもを保存する際のコツ

保存環境以外にも、おいしい状態を長く保つための秘訣があります。ちょっとした工夫が大きな違いを生むので、ぜひ参考にしてみてください。

りんごと一緒に保存する

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りんごから放出されるエチレンガスには、じゃがいもの発芽を抑制する働きがあります。りんごと一緒に、隙間が出来ないよう、袋や段ボールに入れて冷暗所で保管すると効果的です。ただし、エチレンガスは温度や湿度の影響を受けやすく、まったく効果を発揮しない場合もあるので、こまめに確認するようにしましょう。

下処理をしてから保存する

切ったり皮を剥いたりした後のじゃがいもは、手をつけていない状態より傷みが早くなってしまいますが、傷みを遅らせる方法はあります。空気に触れないよう、水に浸けおきましょう。こうすれば2日ほどは保存が可能になりますが、栄養素が水に溶け出してしまうので、早めに食べるのがおすすめです。茹でたじゃがいもは容器に入れるか、ラップをして保存しましょう。処理済みのじゃがいもはとにかく、空気に触れさせないようにするのがポイントです。

まとめ

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じゃがいもは長期保存ができる野菜の代表格ですが、おいしく食べるためにはちょっとした保存のコツが必要です。忙しい毎日の中で実践するのは大変かもしれませんが、どれも難しくはないことばかりです。正しい保存方法を身につけて、いろいろなじゃがいも料理を楽しみましょう。
監修:横川仁美
管理栄養士。食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表
メタボリックシンドロームの人へ向けた保健指導を中心に、ダイエットサポート、電話相談、雑穀販売等のカウンセリング等を行う。 健康食育シニアマスターやマイ穀スタイリスト、ヘルスケア栄養ライターの資格も保有。  https://yokokawa-hitomi.com/
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