2019年06月16日 更新

洗濯のりで衣類は長持ち、さらにきれいに仕上がる! 使い方を基本から解説

ドラッグストアなどで見かける「洗濯のり」は、加工デンプンを主な成分とした洗濯用の仕上げ剤です。いつもの洗濯にひと手間プラスするだけで、衣類がぱりっと仕上がるだけでなく、コーティングする働きもある便利なアイテムです。「洗濯のり」の基本的な使い方や、思わぬ失敗をしないために覚えておくべき注意点について紹介しています。お気に入りの衣類をご自宅で上手にケアして少しでも長く愛用したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

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洗濯のりはこんなに便利!

洗濯のりを使うメリット ①クリーニングのように仕上がる

布地の繊維は洗濯を繰り返すたびに痩せて細くなるため、次第に柔らかく肌に馴染みがよくなる半面、布地本来のコシやハリが失われていきます。また、洗濯によって衣類に負荷がかかることで布の織目や縫い目が型崩れを起こし、これが「何となくくたびれた印象」の原因になってしまいます。
そこで衣類をコーティングしてハリを与えたるために使うのが「洗濯のり」です。

特に綿製のシャツなどはシワになりやすいため、のり付けしアイロンがけをするとパリッとハリのある仕上がりになります。
クリーニング店で仕上げたようなスッキリとした清潔感のある印象になるので、自分で行えば、クリーニング代の節約になるだけでなく、何度もお店に足を運ぶ手間が省けるので一石二鳥です。

洗濯のりを使うメリット ②汚れを防いでくれる

衣類をコーティングすることで布地を守り、汚れを付きにくくする効果も期待できます。汚れが付着したとしても、洗濯時に汚れとのりが一緒に剥がれ落ちるので、汚れも落ちやすくなります。

摩擦や皮脂汚れによって痛みが目立ちやすい襟元や袖口を保護し、いつまでも衣類をきれいに保てるのは大きなメリットと言えるでしょう。
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洗濯のりの種類

市販の洗濯のりは、成分の違いによって「天然・人工(化学のり)・半合成」の3タイプに分かれています。
それぞれの特徴によってメリットとデメリットがあり、使い分けることでより効果的に仕上がりますので、最初にチェックしておきましょう。

天然のり

「天然のり」は主にデンプンを原料に作られたもので、片栗粉や小麦粉といったデンプン質の多い食品から自作することもできます。
肌がデリケートな方でも安心して使える点がメリットですが、その一方で虫食いや変色といったリスクがあるため、特に衣類を長期保存する場合にはおすすめできません。

人工のり

「人工のり」の中に、「半合成のり」と「化学のり」の2つのタイプがあります。

前者は天然デンプンを化学処理で改良した「加工デンプン」や、植物繊維(カルボキシ・メチルセルロース・ナトリウム)を原料としています。
後者のほうが比較的肌にやさしいといわれていて、主に合成樹脂(ポリ酢酸ビニル)から作られています。衣類にハリやコシを与えたり汚れから守ったりと、機能に特化しているのが特徴です。
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洗濯のりのタイプ

洗濯のりは、洗濯の際に規定の量を投入して使う「ボトル式」と、衣類が乾いたあと部分的にのり付けをする「スプレー式」の2タイプです。さらにボトル式にも乳液タイプ、ジェルタイプ、粉末タイプなどがあります。
それぞれ特徴が異なりますので、用途や好みに応じて上手に使い分けましょう。

乳液タイプ

洗濯機に投入する一般的な液状洗濯のりは「乳液タイプ」です。3種類のうちもっともソフトな仕上がりになり、シーツやカーテンのように面積の広いものを全体にまんべんなくのり付けしたい時に便利です。

ジェルタイプ

ジェルタイプは、ウールなどの傷みやすい衣類に適しています。水で薄めて使う「天然のり」もジェルタイプです。浴衣や作業服など、乳液タイプよりもしっかりとしたハリを持たせたい時や、肌が敏感な方の衣類におすすめです。

粉末タイプ

糊は種類にもよりますが、使用頻度が極端に少ないと、糊そのものにカビや雑菌が繁殖してしまうケースがありますが、粉タイプの糊材はカビや雑菌がこのむ水分がないため、使用頻度が少なくても長持ちします。使い方は乳液やジェルタイプと同じ使い方で糊付けを行えます。

スプレータイプ

いつでも手軽に使えるスプレー式は、ハンカチなどの小物やシャツの襟・袖口などをピンポイントでパリッと仕上げたい時に便利です。
主にシリコンや耐熱ポリマーといった成分を含んでいるため、アイロンがけの際にすべりがよく、洗濯のりが焦げ付きにくいという特徴があり、初めて使う方にもおすすめです。

使用方法に書かれていますが、一定の距離を離して吹きかけることが大切です。近い位置からスプレーすると、のりの濃度が濃すぎてしまいシミになったりアイロンの際に焦がしたりする原因になるので注意しましょう。

洗濯のりを使ってみよう ①洗濯機を使用する場合

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次に手順を紹介します。
まとまった量の衣類を手軽にのり付けしたい場合は、ボトルタイプを使って洗濯機で仕上げるのが一般的です。

のり付けしたい衣類を洗濯機へ入れる

「のり付け」するタイミングは、「すすぎ」が終わってからです。のり付けしたくない衣類を一緒に洗濯している場合は、脱水まで済んだタイミングで洗濯槽から取り出しておきましょう。

低水位で脱水までのコースをセットしてスタートさせる

あまり水が多いとのりが効きにくく不経済になるため、洗濯槽に残った衣類が浸る程度の低水位で水を溜めてコースをスタートします。
「のり剤」は洗剤の投入口からではなく、洗濯槽に直接投入しましょう。手動の場合は3分間ほど回して洗濯のりを全体になじませます。

軽く脱水して乾かす

洗濯が終わったら、軽く30秒ほど脱水します。あまり長く脱水してしまうとシワの原因にもなるため短めに行います。
また、洗った後はすぐに干すことも余計なシワを作らないためのポイントです。このとき、パンパンとたたいて予めシワを取っておくと、後でアイロンがけが楽になるのでおすすめです。

洗濯のりを使ってみよう ②手洗いする場合

小物やごく少量の衣類は、洗濯機よりもたらいなどを使って手洗いしましょう。
洗濯機で「すすぎ」まで済ませてから手洗いすれば、よりスピーディーで経済的です。デリケートな衣類に使用する時にも刺激の少ない手洗いがおすすめです。

たらいなどに水を張って、そこに洗濯のりを入れる

洗いおけやたらいを用意し、衣類全体が浸る程度の水を張ります。「のり剤」はムラにならないようよく混ぜておきましょう。

衣服を浸してもみ洗いする

のり剤の中に衣類を畳んで入れたら、全体に行き渡るようにもみ洗いします。

水をしぼり、タオルで余分な水分を取って干す

もみ洗いが済んだら軽く水を絞ります。このとき、上下に手を添えで圧をかけるように絞るか、おにぎりを握る要領で優しく絞ります。
雑巾しぼりや絞りすぎは型崩れや繊維を傷めるの原因になるので注意しましょう。タオルで水分を取ったらハンガーなどで乾かします。洗濯機を使って軽く脱水しても良いでしょう。

洗濯のりを使用する時の注意点

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洗濯のりを使う場合には、主に以下の3点に気をつけてください。

洗濯機で使用した後は必ず洗濯槽を洗う

洗濯機を使う場合は、洗濯槽にのり成分が残っています。のりの成分は特にカビになりやすいので注意が必要です。水を張った洗濯槽を空回しして取り除いておきましょう。

洗濯のりと柔軟剤は1:1で併用できる

衣類にハリを持たせる「洗濯のり」と、繊維を柔らかく仕上げる「柔軟剤」は、1対1の割合で同時に使うことができます。両方を同じタイミングで専用の投入口から入れてください。このテクニックはクリーニング店でもよく用いられています。

のり付けした衣類は自然乾燥させる

のり付けした衣類を乾燥機にかけると故障の原因になることがあります。ハンガーに掛けるなどして自然乾燥させましょう。

まとめ

クリーニング店から戻ってきたシャツは、いつも新品のようにシャキッとして気持ちの良いものですが、家で「洗濯のり」を使うことでより手軽に、経済的に衣類を蘇らせることができます。いつもの家事にワンステップ加えるだけなので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。
監修:神崎健輔
実家がクリーニング店でもあったので小さな頃から洗濯を手伝い、クリーニング師の資格を取得して洗濯の知識をとことん勉強。 現在は、白洋社クリーニングと宅配クリーニングネクシーという二つのクリーニングカンパニーに所属。 「洗濯ハカセ」を名乗り、日々ストイックに「もっと洗濯がキレイに楽にできる方法」を研究しなが培った知識をブログで発信中。 家庭での洗濯が上手になる方法や、クリーニングいらずの洗濯術などを公開しながら、テレビ、雑誌、ラジオとたくさんのメディア でも活躍中
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