新「洗濯表示」意味を覚えておきたい5つの基本記号。しっかり見分けて衣類を長持ちさせよう!

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服を裏返すと現れる取扱い表示(洗濯表示)のタグ。実は数年前から表示形式が変わったってご存じでしたか? 記号内への日本語表記が廃止され、一見、難しくなったように見えるものの、シンプルな表示は一度覚えてしまえばこっちのもの! 今回はそんな「洗濯表示」の読み方をご紹介します。

この記事で書いている3つのポイント

①まず覚えたい、5つの「基本記号」
②洗濯の強さや干し方は「付加記号」を読む!
③初心者は「×」マークと「手洗い」マークに要注意!

新洗濯表示の一覧

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2016年より国際規格の洗濯表示に統一

衣類の「取扱い表示(通称:洗濯表示)」とは、その名の通り、衣類を大切に着るための取扱い説明書のようなもの。洗濯→乾燥→アイロンなどといった一連の作業についての適切な方法を示しており、洗濯時はもちろん、新しく服を購入するときの参考にもなります。

元はJIS規格で定められていた洗濯表示が、2016年より国際規格(ISO)に合わせた新しい表示に変わりました。
記号内への日本語表記が廃止され、記号の数が22→41種類に増えたため、一見すると複雑になったように感じますが、一度理解してしまえばシンプルで分かりやすい! しかも国際規格なので、インポートファッションにもそのまま使える知識なんです。

5つの基本記号を覚えよう

洗濯表示は5つの「基本記号」と、「付加記号」や「数字」の組み合わせで構成されます。まずはそれぞれの基本記号と、それに対応する付加記号・数字の意味を見ていきましょう。

桶のマーク(=家庭洗濯について)

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覚えておくべき基本記号の1つ目は桶のマーク。これは家庭洗濯(洗濯機洗い、手洗い)についての表示です。
  • 下線は「洗濯時の強さ」を表します。線ナシは通常の強さで、「―」は弱く、「=」は非常に弱い力で洗う必要があります
  • 数字は、洗濯液の上限温度です
  • 桶に手が差し込んであるのは「手洗い」を意味し、上限温度は40℃です
  • 「×」が付いている場合、家庭での洗濯はできません

三角マーク(=漂白について)

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三角マークは漂白についての表示で、3種類しかありません。
  • ただの三角は「塩素系漂白剤」「酸素系漂白剤」どちらも使えます
  • 2本の斜線が入った三角は「酸素系漂白剤」のみ使えます
  • 「×」が付いている場合、漂白剤は使えません

四角マーク(=乾燥について)

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四角マークは乾燥についての表示で、タンブル乾燥(乾燥機)に関するものと、自然乾燥に関するものに大別されます。
  • タンブル乾燥(四角の中に「◯」)について
    • 「点(・)」は乾燥温度を表し、「‥」はヒーターを「強」などに、「・」は「弱」などに設定します。
    • 「×」が付いている場合、タンブル乾燥はできません
  • 自然乾燥(「縦棒(|)」、「横棒(―)」と斜線の組み合わせ)について
    • 「│」「‖」吊干しします
    • 「─」「=」平干しします
    • 「│」「─」は脱水後、「‖」「=」は脱水せず(絞らず)に干します
    • ひさしを表す「斜線」がある場合は、陰干しします

アイロンマーク(=アイロンについて)

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アイロンマークはアイロンについての表示で、4種類しかありません。
  • 「…」は200℃(高温)、「‥」は150℃(中温)、「・」は110℃(低温)までと、それぞれ温度の“上限”を表します
  • 「×」が付いている場合、アイロンは使えません
  • 当て布が必要な場合は、付記用語で「当て布使用」などと記載されます。付記用語までよく確認しましょう

丸マーク(=クリーニングについて)

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丸マークはクリーニングについての表示です。
  • 「P」や「F」はドライクリーニングの溶剤の種類なので、その違いは私たちは知らなくても大丈夫。PとFが出てきたらクリーニング店へと覚えておけばOKです。
  • 「W」はウエットクリーニングを表し、クリーニング店でのプロによる水洗いのこと。こちらもクリーニング店に持って行きましょう。
  • 無印に「×」が付いている場合、ドライクリーニングはできません。

最低限気をつけたい3つのポイント

そうは言っても、「初心者には分かりづらい!」と思う方もいるかもしれません。そこで、最低限押さえておきたい3つのポイントを、最後にご紹介します。

桶マークに「×」は家での洗濯NG

桶マークに「×」が付いていても、洗濯機のドライコースなら洗えるんじゃないか…。この考え方も危険です! 確かに旧・洗濯表示においては、「水洗い禁止」の表示があってもドライコースで洗濯可能というものが一部ありました。しかし、新しい洗濯表示では、各繊維製品の特性を考えた取扱い方法の上限を示す「上限表示」の考え方を取っています。
つまり、桶マークに「×」は「家庭での洗濯は不可」というのが絶対なのです。この表示がある衣服は、素直にクリーニング店にお任せするようにしましょう。

そのほかに「×」が無いかを確認

桶マークのほかに、三角マーク、アイロンマークなどのどこかに「×」が付いていたら、その取扱いはできません。どこかに「×」がついていないかを確認しましょう。

「手洗い」記号なら洗濯機NG

桶マークに手が差し込んである「手洗い」の記号がある場合、手を使った「押し洗い」や「ふり洗い」の方法で、優しく洗うようにしましょう。洗濯機に「手洗いコース」がある場合も油断は禁物。まずは説明書やメーカーのウェブサイトで、「手洗いコース」が新しい洗濯表示に対応しているかを確認してからの使用が確実です。

まとめ

いかがでしたか? 分からないままだと面倒に思える「洗濯表示」も、一度整理して覚えてしまえば、それほど難しくはないですよね。洗濯も化学。きちんと表示通りに取り扱えば、お気に入りの衣服もより良い状態で長持ちしてくれるでしょう。オシャレの面でもコスパの面でも、覚えておいてソンはない知識ですよ!
監修:本多弘美
家事・収納アドバイザー

医療系短大を卒業後、臨床検査技師を経て家庭に入る。生活の試行錯誤から収納を考え、収納アドバイザーとしてデビュー。経験から蓄積され導き出されたノウハウを体系化し、講演やテレビ、執筆などを行う。収納を考えることは、家事の効率化をもたらすことから、家事・収納アドバイザーに。科学的な視点に基づく広い視野からの分析も好評。掃除関連の提案も行っている。『クセになるおそうじ術(暮らしのイラスト便利BOOK)』 『パパッときれいすっきり!時短家事術(だいわ文庫)』

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