就活では志望する企業や業界によっても、スケジュールが変わります。そのため準備期間やスタート、内定の時期も一人ひとり異なります。今回は、業界ごとの選考スケジュールに注目し、それぞれの特徴をつかんでいきましょう。
23卒の就活は、3月説明会、6月から選考開始となっていますが、業界や企業によってはそのスケジュールに従わない場合があります。
自分が志望する企業がどういう採用スケジュールになるのかを調べておかないと、
「エントリー期間が過ぎていた」
「インターンへの参加が必須だった」
といった事態を招いてしまうのです。
代表的な業界の選考時期についてまとめましたので、参考にしてください。
23年卒の基本的な就活スケジュールは、3年生の3月に説明会、4年生の6月に面接(選考)です。
(画像引用:マイナビ2023 2023年卒の就活全体スケジュール)
ただしこれは、経団連に加盟している企業の就活の話であって、未加盟企業や外資系企業、メガベンチャー、一部マスコミ、通年採用などはこのスケジュールには従いません。
そのため、自分が志望する企業や業界の採用スケジュールを調べて前もって把握しておくことが大切です。
一部業界では、優秀な人材を早く獲得したいなどの理由で、早期に選考を行う場合があります。そういった企業の多くが、インターンへの参加が選考に必須です。
インターンは大学3年の夏もしくは秋・冬に行われます。このような業界を志望している場合、ほかの人よりも早く就活の準備を進める必要があるのです。
選考時期が早い業界の一例を表にするとこうなります。
選考開始時期(目安) |
業界名 |
大学3年9月頃〜 |
外資系IT企業・食品業界・広告業界 |
大学3年10月頃〜 |
戦略コンサルティングファーム・外資系金融機関・出版業界 |
大学3年11月頃〜 |
総合コンサルティングファーム・外資系メーカー |
大学3年12月頃〜 |
テレビ局など一部マスコミ業界・通信業界 |
大学3年1月頃〜 |
不動産業界 |
選考時期が早い企業には、マスコミや外資系企業など人気のある業界が多いです。そのため倍率も高く、書類や面接についてもじっくりと対策をたてておかなければなりません。
日ごろから情報を確認し、「いつの間にか募集が終わっていた……」といったことにならないようにしましょう。
選考時期が経団連スケジュール以前から始まる業界の特徴について紹介します。
どんな採用活動が行われるのかなど、参考にしてください。
外資系企業は、日本の法人とは異なり、独自のスタイルやスケジュールで採用活動を行う企業がほとんどです。これは「優秀な人材を早目に獲得しておこう」という狙いがあると言われています。
早めに採用を開始する企業も多いですが、経団連のルールに近いスケジュールで採用活動を行っているところもあるため、注意してスケジュールを確認しておきましょう。
テレビ局や新聞社など、人気が高いマスコミ系も、選考時期が早い業界です。特にキー局といわれているテレビ局などは、3年生の11月ごろから選考が開始します。
そのため3年生のうちに内定を得る人もいるのです。マスコミ業界の慣習として、大手の採用が終了してから、地方の採用活動が始まります。
ただ、地方といえども人気の業界であり、就活の難易度が高いことには変わりません。しっかりとした準備を行い、選考に挑む必要があります。
コンサルティングファーム系も採用活動の開始が早いです。この系統の企業は、インターンへの参加が選考に参加するための必須条件になっていることがほとんどであり、インターンがそのまま選考につながります。
インターンで成果を残せるかどうかが成否を分けるといっても過言ではないでしょう。
ベンチャーでも、早いところでは2月から選考がスタートする企業もあります。ベンチャー企業の選考が早い理由には、内定を辞退する人を想定していることが挙げられます。
ベンチャー企業は成長が著しい反面、早々に内定を獲得しても、安定性を理由に辞退してしまうケースもあるようです。そのため辞退者の想定や、適切な応募人数の確保を考慮して選考を行い、他業種よりも早く内定を出す場合があります。
選考時期が6月以降となるのは、主に経団連に加盟している企業です。
経団連には、日本を代表する各種メーカーや商社、銀行など約1,300社が所属しています。経団連では、採用活動のルールとなる「採用選考指針」が掲げられており、加盟企業は基本的にこれに従い、6月以降に採用活動をスタートさせています。
例えば、総合商社や銀行は、経団連に加盟する代表的な業界です。
この業界は、3月に説明会、6月に面接、そして夏から秋にかけて内定が出るという会社が多いようですね。
経団連スケジュールは、就活の中でも基本的なスケジュールとして挙げられており、このスケジュールに沿って本格的に就活をスタートさせる人も多いのです。
選考開始が6月からだからと安心してはいけません。企業エントリーやエントリーシートの提出が3月で締め切られる企業もあるからです。
書類選考の一部であるES(エントリーシート)やWebテストは、日程に制約がないため早期に実施しできるのがその原因です。エントリー開始時期を見逃さないよう注意しましょう。
22卒の情報を参考にすると「マイナビ2022 編集部が選んだ有力企業の応募締め切り一覧」でも、3月下旬から5月初旬までにエントリーを締め切る企業が目立ちました。
自分が志望する企業のエントリーがいつまでなのかはしっかり把握しておきましょう。
経団連のルールでは、正式な内定を出すのは卒業・終了年度の10月1日以降となっています。
そのため、企業によってはそれより以前に選考に合格した場合、内定を約束をする「内々定」を出すことがあります。内々定の場合は、10月以降に正式な内定通知書が届き、正式に4月入社が確約されます。
業界の選考時期を知ることは、自分の就活におけるピークはいつなのか、ということを把握する上でも大切です。
選考が早い業界なら大学2年生の冬から準備を始めた方がいいでしょう。選考が遅い業界は、じっくりと準備を進めることができる半面、選考に落ちてしまうと応募する企業がなくなってしまうというリスクもあります。
そういったことにならないよう、就活の計画をしっかりと練ることが重要です。ベストな状態で選考に臨めるよう、計画的に就活を進めましょう。