【モスバーガー「MOS」の意味は?】大学生が広報さんに直撃した結果… 創業者の想いや背景が見えてきた ガクラボ調査隊!#ロンよりゲンバ。
こんにちは、ガクラボ学生ライターのサカイミハルです!
突然ですが、みなさんは「モスバーガー」の「MOS」が何を意味しているか、知っていますか?
バイト帰りのある夜、お腹を空かせてバーガーを待ちながらふと思ったこと……、
「MOSって、何の略なんだろう?」
普段から何気なく使っているもの、食べているもの、見ているもの。
でも、「どうして?」と改めて考えてみると、意外と知らないことが多いと思いませんか?
AIに聞く前に、直接会いに行く
今は、分からないことがあればスマホで検索したり、AIに質問したりすれば、すぐに答えを知ることができます。
でも、答えを知るだけで本当に「分かった」と言えるのでしょうか?
そんな疑問から始まった企画が、ガクラボ調査隊!「ロンよりゲンバ。」です。
この企画では、日常の中で気になったことをそのまま検索して終わらせるのではなく、実際に現場へ足を運び、つくった人や関わっている人に直接話を聞く、というものです。
「MOS」って、そもそも何のこと?
そこには、どんな想いが込められている?
創業者の想いは、今のモスにも残っている?
そんな疑問を、モスバーガー本社にお伺いし“中の人”に直接聞いてみました。
「MOS」には、どんな意味がある? 名前に込められた創業者の想い。
MOSという名前は、Mountain(山)・Ocean(海)・Sun(太陽)の頭文字から生まれました。
山のように気高く堂々と、海のように深く広い心で、太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って――。
自然への限りない愛情と感謝、そして人としてありたい姿が込められています。ここまでは、調べればすぐに出てくる「答え」です。
では、なぜ「山・海・太陽」という言葉が選ばれたのでしょうか?
取材で伺ったのは、創業者の櫻田慧(さくらだ さとし)さんが自然を深く敬愛していたというエピソードでした。
創業者はワンダーフォーゲル部に所属していた経験があり、自然を大切にする精神がMOSという名前にも表れているのだそうです。
さらに、モスバーガーの創業には「日本人に合うハンバーガーを届けたい」という想いもありました。アメリカの人気バーガー店「トミーズ(Tommy's)」のハンバーガーに感動した創業者は、現地で修業。帰国後は、そのまま販売するのではなく、日本人の味覚に合わせて商品を開発しました。
そして、日本のハンバーガーチェーンとして初めて「テリヤキバーガー」を販売したのです。「自然を愛する」「日本人に合うものをつくる」。
こうした創業時の考え方は、商品だけでなく、店舗づくりにも表れていました。
店を常にきれいに保ち、笑顔で接客することを徹底。その結果、利益だけを追求するのではなく、地域の人に愛される店舗へと成長し、やがて全国へと広がっていきました。
そして、創業時の想いを次の世代へ伝える仕組みも。モスバーガーには創業秘話を描いた本があり、入社した社員全員に配られているそうです。
「創業者がどんな想いで会社をつくったのか」を、社員一人ひとりが知る。
私はこの話を聞いて、企業の“原点”を社員みんなで共有することが、モスらしさを受け継いでいくことにつながっているのではないかと感じました。
名前の意味を知るだけなら、数秒で答えは見つかります。
でも、実際に話を聞いてみると、「MOS」という3文字の奥には、創業者の経験や価値観、そしてそれを受け継いできた人たちの姿がありました。
「MOS」は、ただのブランド名ではなく、モスバーガーの“原点”そのものなのかもしれません。
実はこんなところにも!モスの“こだわり”
「自然を敬愛する」という創業時からの想いは、実は商品にも表れています。その一つが、食の多様性を広げる「フードダイバーシティ」への取り組みです。
モスでは、1987年に「モスライスバーガー」、2015年に「ソイパティ」、2020年には「グリーンバーガー」を発売。
今でこそ、植物由来の食材や多様な食の選択肢への関心が高まっていますが、モスはそのブームよりもだいぶ前から、さまざまな人が楽しめる商品を生み出してきました。
そして、今回私が初めて知ったのが「菜摘(なつみ)」シリーズ。バンズの代わりにレタスで具材をサンドできる、モスならではの商品です。
「ハンバーガー=バンズ」という常識を少し変えてみる。
そんな発想からも、食べる人の多様なニーズに寄り添おうとするモスの姿勢が感じられます。
普段何気なく食べているハンバーガーにも、実は「自然を大切にする」というモスの考え方が隠れていました。
次にモスへ行くのがちょっと楽しみになる!野菜の豆知識。
モスバーガーといえば、ハンバーガーに入っているシャキシャキの野菜。実は、その野菜にも知られざるこだわりがあります。
もともとモスでは、店舗周辺の八百屋さんから野菜を仕入れていたそうです。
全国チェーンにまで広がった今でも、モスでは国産の生野菜を使うことを大切にしており、野菜の多くは契約農家からほぼ毎日店舗へ届けられます。
そして、届いた野菜は店舗で洗ってカットしているそうです。さらに、店舗には「野菜掲示板」が設置されており、その日に使用している野菜がどこから届いたのかを確認できるそうです。しかも、野菜の仕入れ先は店舗や日によって異なります。
次にモスへ行ったとき、「今日はどこの野菜かな?」と掲示板をチェックしてみると、「地元の野菜だ!」なんて発見があるかもしれません。
こうした野菜の安定供給を支えるため、モスでは全国に約2,000軒の農家と契約をしているほか全国8カ所に自社農園「モスファーム」も展開しています。
各地の産地を訪ねながら仕組みを整え、現在のサプライチェーンができるまでには約10年もの時間がかかったそうです。
いつも何気なく食べている野菜。その産地まで見てみると、モスでの食事が少し違って見えてきそうです。
広報さんに聞いた! プライベートでも頼んじゃう“推しモス”は?
ここまでモスバーガーのこだわりについて聞いてきましたが、ここでちょっと気になる質問を。「みなさんが、プライベートでもつい注文してしまうメニューは?」
まず下川さんが挙げたのは、「テリヤキチキンバーガー」。おすすめの理由を聞いてみると、実はチキンの焼き方に秘密がありました。チキンは「焼く→タレをつける→もう一度焼く」と二度焼きしているそうです。
専用の機械で上下から火を通すことで、余分な油を落としつつ、鶏皮をパリッと焼き上げています。
続いて高橋さんの推しは、「モスチーズバーガー」。なんと、入社するまでモスバーガーしか食べたことがなかったという高橋さん。
入社後、店舗に配属されてからいろいろな商品を試した結果、「モスチーズバーガーが一番好きになった」と話してくれました。特に印象に残ったのが、チーズ一枚で味が変わること。定番商品だからこそ、ぜひ一度試してほしいと教えてくれました。
そして、広報リーダーの山口さんは、「スパイシーモスチーズバーガー」。辛いものが好きという山口さんのお気に入りで、ハラペーニョの輪切りが入っているのがポイントです。暑い日に「辛さが欲しい!」というときにもぴったりだそうです。
サラダセットにして、“ベジファースト”を意識することもあるのだとか。
そんな話をしているうちに、盛り上がったのがモスの商品名の略し方。
「テリヤキチキンバーガー」は「テリチ」、「モスチーズバーガー」は「モッチ」、「スパイシーモスチーズバーガー」は「スパモッチ」などなど。
これらの略し方は、キャスト(店舗スタッフ)同士でやり取りする際に使われており、なんと略称テストまであるそうです。
下川さんは、以前「ワイワイナゲットセット」を「ワイナゲ」と略して注文するお客様がいて、「もしかして他店のキャストかも!?」とびっくりした話を教えてくれました。
いつもは正式名称で呼んでいる商品も、実は“モス好き”の間ではこんな呼び方があるのかも。次に注文するときは、ちょっとだけ「テリチ」「モッチ」と呼んでみたくなりませんか?
働く人にも受け継がれる「モスらしさ」
最後に聞いたのは、「モスで働いていて、この会社らしいな」と感じるエピソード。
まず教えていただいたのは、社内コミュニケーションを大切にする文化です。
毎週の打ち合わせや、1on1ミーティングなど、社員同士が話す機会が多いというモス。1on1では、仕事の課題や悩みもフランクに相談できるそうです。
テレワークが普及した今でも、オフィスにふらっと立ち寄って話すことから、新しい仕事が生まれたり、働きやすさにつながったりすることもあるのだとか。
そして、モスらしさを語るうえでもう一つ大切なのが、「次行程はお客様」という考え方です。
これは公式の標語として掲げられているものではありませんが、研修などを通して社員に受け継がれているマインドです。
例えば、店舗でテーブルを拭いたりゴミ箱を片付けたりするのも、「汚れているから片付ける」のではなく、「次に使うお客様のために」という考え方から行っているそうです。
この考え方は、店舗の外にもつながっています。店舗の周辺を掃除する「朝課」も、その一つです。周りの人や環境を大切にする姿勢は、仕事だけにとどまりません。
プライベートでも、トイレの洗面台を使ったあとに「次に使う人のために」と水滴を拭くなど、自然と行動に表れるのだそうです。
さらに、創業者の言葉が載った日めくりカレンダーもあり、社長も毎日めくっているそうです。
海外にも店舗を広げる今だからこそ、創業時の理念に立ち返り、「モスブランド」として大切にする考え方を共有しているといいます。
今回の取材を通して感じたのは、企業を見るとき、事業や商品だけではなく、「その会社は、何を大切にしているのか」まで知ることの面白さです。
就職活動では、仕事内容や待遇など、目に見える情報を調べる機会が多いものです。
でも、実際に働く人の話を聞いてみると、その会社が大切にしている価値観や、人との向き合い方が見えてきます。
「自分は、その考え方に共感できるだろうか?」そんな視点で企業を見てみると、就職活動で出会う会社も、少し違って見えてくるかもしれません。
「知っている」の、その先へ。
「MOSって、なんでMOSなんだろう?」
そんな小さな疑問から始まった今回の取材。調べれば、「Mountain・Ocean・Sun」という答えはすぐに見つかります。
でも、実際にモスで働く方に話を聞いてみると、その3文字の背景には、創業者の自然への想いや、日本人に合う商品を届けたいという考え、そして地域に愛される店をつくってきた歴史がありました。
さらに、野菜の産地や商品へのこだわり、社員同士のコミュニケーション、「次行程はお客様」という考え方まで。
普段何気なく利用しているモスバーガーの中に、たくさんの「想い」が息づいていることを知りました。
「答えを知ることは、ゴールではない」
その答えが生まれた背景や、そこに込められた想いまで知って初めて、「分かった」と言えるのかもしれません。
スマホやAIで、いつでも答えを検索できる今だからこそ、自分の足で「現場」に行ってみる。そこで出会った人の言葉や、その場で感じたことは、検索結果には出てこない。
今回、「MOS」の意味を知るために会いに行った私は、帰るころには、モスバーガーの“意味”だけではなく、その背景にある“想い”を知ることができました。
さて、次はどんな「どうして?」を、現場まで確かめに行こうかな。
ガクラボ調査隊!「ロンよりゲンバ。」
次回も、AIに聞く前に、現場に会いに行ってきます。
取材・文:サカイミハル(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:株式会社モスフードサービス(URL:https://www.mos.jp/)




























