【海外留学のトラブル例】現地でのよくある問題や先輩たちの体験談を紹介!
どんなに入念に対策しておいても、海外ではトラブルは必ず起こり得ます。今回は、留学中に起こりやすい具体的なトラブル事例や、その対処法をまとめました。もしも実際に問題が起きてしまったときに、冷静な判断ができるようにしておきましょう。先輩たちが実際に留学中に体験したトラブルエピソードも紹介しますので、ぜひ自身の留学生活のための教訓にしてみてください。
▼INDEX
1.気を付けるべきトラブルは国や地域によってさまざま
2.留学中のよくあるトラブルと回避策
3.万が一トラブルに巻き込まれたときは?
4.先輩に聞いた! 留学中のトラブル事例をご紹介
5.トラブルを乗り越えて自分自身の経験値を上げよう
気を付けるべきトラブルは国や地域によってさまざま
留学中のトラブルを避けるための対策や注意点は、どの国・地域に行くかによって変わってきます。同じヨーロッパでも治安が比較的いい国もあれば良くない国もあり、さらにアメリカでは、州によっても治安状況や法律は異なります。まずは、自分の留学先の正しい情報を取り入れ、それぞれの場所にあった回避策を考えてみてください。
日本は海外の他の国と比べると、圧倒的に治安が良い国です。日本ではそれほど危なくないような道やお店でも、海外だと犯罪に巻き込まれてしまう可能性もあります。渡航先では「ここは日本ではない!」という意識を持ち、より注意して行動するようにしましょう。
留学先の地域の大まかな治安状況は?
あくまで目安ですが、海外の地域ごとの治安情勢や、トラブルの傾向を簡単にご紹介しておきます。留学先を選ぶ際や、安全対策のための大まかな参考にしてみてください。
・北米
高い教育レベルと、圧倒的な教育機関数を誇るアメリカは、大学生に根強い人気です。しかし、決して治安が良いとはいえず、銃の所持が認められているため犯罪率も高く、ドラッグなどの危険性も。比較的治安のいい州や都市でも、危険度が高い特定のエリアには近づかないようにしましょう。同じ北米でもカナダは治安が良く、親日国でフレンドリーなため、留学初心者におすすめです。
・ヨーロッパ
さまざまな国からなるヨーロッパでは、国や都市によって治安レベルが大きく異なります。現在はウクライナ周辺は危険レベルが非常に高い状況です。留学先や観光地としても人気のイギリス、ドイツ、イタリアなどでは、つい安心しがちですが、特定地区ではスリや詐欺が多発しており、テロのリスクもあるので注意しましょう。
・オセアニア
世界的にみて治安が良く、親日的でフレンドリーな国が多いため、オーストラリアやニュージーランド、フィジーなどは留学初心者や高校生にも人気です。それでも犯罪率は日本よりも高いため、注意して行動しましょう。
・アジア
アジアも国や都市によって治安レベルが大きく異なります。特に郊外や途上国では、スリやぼったくり、感染症などへの注意が必要です。費用や物価が安く、フィリピンやマレーシア、シンガポールなどは英語圏とあって人気の留学先です。
・中南米、アフリカ、中東
治安がいい国もありますが、外務省が示す「危険レベル」が高い国が多く、感染症のリスクも高いのが現状です。しかし、先進国では学べない貴重な経験ができ、その国にしかない文化にも触れることができるとあって、大学生で留学する人は少なくはありません。留学先として検討する際は、家族や大学の教職員で現地に詳しい方などに相談して決めるようにしましょう。
自分の行き先に合わせた対策を!
こちらの記事でも触れましたが、国や地域ごとの詳細な治安情勢や危険情報は必ず外務省の「海外安全ホームページ」で確認し、危険度が「レベル2」以上に該当する国・地域には渡航しないようにしてください。
また、国・地域別「安全の手引き」のページでは、国や都市ごとの安全対策マニュアルがかなり詳しく掲載されています。自分の留学先である場所の注意事項を、しっかりと読んでおきましょう。
留学中のよくあるトラブルと回避策
海外留学中に起こりやすい、いくつかのトラブルをまとめました。未然に防ぐためのポイントも一緒に押さえておきましょう。
スリや置き引きなどの盗難トラブル
海外では特に日本人はターゲットにされやすく、油断するとすぐに狙われてしまいます。人混みや観光スポットに行く際や、見知らぬ人に声をかけられたときは、特に持ち物への注意が必要です。多額の現金や貴重品は持ち歩かず、お財布やスマホはストラップをつけるなどして、身体から離さず服の下などにしまいましょう。パスポートなどはコピーをとり、分散させて保管するのがおすすめです。
また、ぼったくりやスキミングなどの被害を防ぐためには、買い物では信頼のおけるお店を選ぶことも重要です。
<回避策>
- ・大金や貴重品は持ち歩かない
- ・荷物や貴重品は身体から離さない
- ・歩きスマホはしない
暴行やドラッグなどの犯罪トラブル
日本ではめったに起こらないことも、海外では起こり得ます。犯罪率の高い「危険エリア」には近づかず、夜間の外出は控え、できる限り現地の信頼できる人と一緒に行動しましょう。強盗などに襲われた際は、決して抵抗しないようにしてください。犯人を刺激すると暴行などにつながり、命にかかわる可能性もあります。まずは身の安全を最優先にしましょう。
また、親しげに近づいてきた人を安易に信用してしまうと、睡眠薬を飲まされたり、ドラッグの誘い、詐欺などに巻き込まれることもあります。少しでも怪しいと感じたら「NO」と断り、その人について行ったり、すすめられた飲食物を口にするのは控えてください。
<回避策>
- ・危険なエリアには近づかない
- ・夜間の外出、一人歩きは避ける
- ・危険な目に遭ったら抵抗しない
- ・見知らぬ人を安易に信用しない
病気やケガなどの健康トラブル
日本とは違った環境に行くと体調を壊しやすく、行き先によっては感染症のリスクもあります。大事故はもちろん、衛生面が整っていない国では小さなケガでも傷口が感染して重症化するケースもあるので注意して生活しましょう。海外での医療費は高額になるため、万が一のときに備えて必ず海外旅行保険に加入し、指定された予防接種を受けておくようにしてください。
軽い症状であれば、医薬品で対応しましょう。現地でも購入できますが、日本より効き目が強く、合わない可能性もあるので、日本からの持ち込みが認められている薬を用意することがおすすめです。
持病やアレルギーがある人は、ホストファミリーに事前に伝えておきましょう。口にできないものなどは英語で紙に書き出し、貼り出しておくと安心です。
<回避策>
- ・海外旅行保険に加入しておく
- ・日本で予防接種を受けておく
- ・日本から薬を持っていく
- ・日本語が通じる病院を調べておく
- ・アレルギーなどは紙に書いて伝える
現地の人との対人トラブル
言葉も文化も生活習慣も違う人たちと生活するとなると、当然お互いに不快に感じることもあります。トラブルを避けるためにまず大切なことは、ホームステイ先や寮、学校などで決められたルールやマナーを守ることです。
ホストファミリーやクラスメイトとなじめないと感じたときは、積極的に自分から話しかけてみましょう。大抵のことはコミュニケーション不足が原因で、不快に感じたことも誤解である可能性もあります。
明らかにホストファミリーから嫌がらせを受けたり、アジアンヘイトで自分だけ差別されていると感じた際は、留学エージェントやコーディネーターに相談し、ホームステイ先の交換を依頼してみてください。
<回避策>
- ・ルールやマナーは必ず守る
- ・積極的に自分から話しかける
- ・誤解がないか意識を変えてみる
- ・語学や現地の文化、慣習を学んでおく
写真撮影によるトラブル
海外では珍しい景色や光景も多く目に留まり、思い出やSNSに残そうと写真を撮る人も多いはずです。しかし、多くの国では空港や政府関連施設、軍用施設、美術館などでは撮影が制限されており、禁止エリアで撮影するとカメラを没収されたり警察に拘束されることもあります。
また、国民性や民族性などから、現地には撮影されることを嫌う人もいます。思わぬトラブルに発展したり、お金を要求されることもありますので、写り込みにも十分配慮しましょう。
<回避策>
- ・撮影禁止エリアを把握しておく
- ・不用意に人や景色にカメラを向けない
- ・人と写るときは本人の許可を得る
その他のトラブル
そのほかにも、飛行機の乗り継ぎに失敗した、現地でお金が引き出せなかった、バスの乗り方がわからなかった、など、小さなトラブルはたくさんあります。大抵のことは事前準備や下調べをきちんとしておけば防げますので、万全な対策を心がけてください。
慣れてきたときこそ、注意が必要!
はじめのうちは緊張感を持って行動しますが、海外での生活に慣れてくると徐々に油断が生まれ、トラブルに巻き込まれやすくなります。また、海外に行った経験のある人ほど現地の人からフレンドリーに話しかけられやすく、相手次第では犯罪に巻き込まれる可能性も。「自分は大丈夫だ」と過信せず、常に気を引き締めるよう意識しましょう。
万が一トラブルに巻き込まれたときは?
自分では解決できないような事態に直面したときの、おもな対処法を紹介します。特に慣れない海外では予期せぬことが起こるとパニックになりやすいので、冷静に対応できるよう覚えておきましょう。
まずは身の安全を確保する
事件や災害、テロなどの事態に遭遇したときは、まずは自分の命を最優先に考えましょう。通報や連絡は、身の安全が確保できてからです。犯罪に巻き込まれそうなときはまわりの人に助けを求め、緊急性が高い場合はすぐに警察へ連絡しましょう。
日本大使館や総領事館を頼る
留学中にトラブルに巻き込まれた際、在外公館である大使館や領事館は非常に大きな助けとなります。パスポートの紛失、事件や事故、緊急入院の際は、気軽に相談してみましょう。
トラブルで気が動転しているときに、言語の異なる現地の警察や病院と直接コミュニケーションをとることは、留学生にとってハードルが高いものです。もちろん、困りごとすべてを解決してくれるわけではありませんが、日本語で対応してもらえ、現地警察への届出や緊急移送に関するアドバイスや支援、医療機関情報の提供など、さまざまなサポートを行ってくれます。
緊急連絡先に連絡をする
クレジットカードやキャッシュカード、スマートフォンの盗難・紛失の際は、すぐに日本の契約会社に連絡をしましょう。病気や事故の際は、加入している保険会社に相談するのもおすすめです。
どうすればいいかわからないときは、在外公館のほか、留学エージェントにも相談してみましょう。万が一の際にすぐに事態を把握してもらえるよう、留学中は日本の家族や大学、受け入れ先の機関とこまめに連絡をとっておくようにしてください。
これらの緊急連絡先は、リストにしてメモにまとめておくことで、素早い対応ができます。
先輩に聞いた! 留学中のトラブル事例をご紹介
高校生の時に留学を経験した先輩たちの、リアルなエピソードをご紹介します。下記のエピソード以外にも、トビタテ!留学JAPAN「留学大図鑑」では、さまざまな留学生たちの留学体験談が掲載されています。トラブルの体験や解決策を紹介している人もいますので、ぜひ参考にしてみてください。
エストニア共和国への入国審査で、1ヶ月程度留学生として滞在することを告げると学生ビザの取得の有無を聞かれ、日本人はシェンゲン協定加盟国ではビザ免除で90日間滞在できることを告げると、受け入れ先の学校からの証明書の提示を要求されましたが、メールで非常に軽いノリでOKを頂いた手前、証明書等は頂いていませんでした。メールの文面を見せても信用してもらえず、15分程度待たされた後、大柄な男性警官2人にまた1から説明させていただくと、私の便がその日空港に到着する最後の国際線かつ2時間以上遅延していたこともあり、入国審査のゲートを早く閉めたかったのか何とか無事入国することが出来ましたが、入国に時間を要した関係でトラムの終電を逃してしまい、30分程度歩いて宿へ向かうことになってしまいました。 グッチさん(エストニア共和国/期間:約1ヶ月) |
夏服ばかり持っていったせいで、寒さに耐えながら毎日過ごす羽目になりました。現地にUNIQLOがあったので速攻で冬服を調達しに行きました。あと、ホスト先のご飯が全部冷凍ものだったことも困りました。ホストファザーに相談して、自由に料理する許可を得られたので良かったです。ホストファミリーにハウスルールをあらかじめ聞くこと(調理ができるのか、門限は何時なのかなど)が大事だと学びました。それによって日本から日本食を持ってたりなど対策できるので。 カイさん(オーストラリア・ブリスベン/期間:1ヶ月) |
ホストブラザーとトラブルになり、結果ホストファミリーを変えなければいけないことになりました。身の危険につながるぐらいまで発展しまい、かなり怖かったですが、留学中にしていた陸上の練習に行くと嘘をつき、チューターの人に連絡し、車で助けに来てもらいました。以前からチューターの人と仲良くしていたので親身に話を聞いてくださり、色々と対応してくれたおかげで難を逃れました。 たいきさん(イタリア/期間:10ヶ月) |
公園でウクライナ人を名乗る中東系の物乞いの方に話かけられ、食料か金銭を要求され、振りほどくことが出来ず、急いでいたので近くのATMで€5をキャッシングして渡した際に、ATMから出てくるデビットカードを取られてしまいました。アプリで直ぐに利用停止手続きを行うことができ、不正利用による被害も発生せず、カードを複数枚持っていたのでその後の生活にも影響なかったのは不幸中の幸いでした。 グッチさん(エストニア共和国/期間:約1ヶ月) |
あまりイタリア語を勉強せずに留学したら、派遣先が田舎すぎて、全然英語を話す人がいなくて生活に慣れるのが少し大変でした。さらに、学校や周りに黄色人種が私1人だったので、普段からなめられたり、差別されることが多かったです。自分は運が良く、話しかけてくれる人もたくさんいたのでその人たちと遊んだり、その人からイタリア語を勉強できました。無闇に全ての人に下手に出て対応する必要はないと思いましたね。 たいきさん(イタリア/期間:10ヶ月) |
ロンドンで予約していたドミトリー式の宿にチェックインしようとした際に、規約には一切そのようなことは記載されていなかったのにも関わらず、18歳未満の宿泊はお断りしているようで、チェックインさせて貰えず、深夜1時近くに宿を失ってしまいました。日付が変わってしまっていたのでオンラインの予約サイトも使用出来ず、深夜のロンドンで徒歩で宿を探すことに。なんとか1時間程度で、元々予約していた宿と同じくらい格安の宿を見つけることが出来て良かったです。 グッチさん(エストニア共和国/期間:約1ヶ月) |
トラブルを乗り越えて自分自身の経験値を上げよう
事前に留学先の下調べをしていくと、さまざまなトラブル事例が目に留まり、不安になる人も多いかと思います。しかし、命さえあればほとんどのことは乗り越えられます! まずはやれるだけの対策をし、それでもトラブルが起きてしまったときは立ち向かいましょう。
海外において大学生は、立派なひとりの“大人”であり、周囲の人が必ずしも手厚いサポートをしてくれるとは限りません。責任感を持って困難を乗り越えれば、自分自身の成長につながります。こうした経験は、きっと社会に出てからも生かされてくるはずです。
まとめ
前回のトラブル対策への事前準備に続き、今回は実際に留学中に起こりやすいトラブル例や対処法を紹介しました。先輩たちに起こったリアルなトラブル体験談はとても参考になりますので、自身の行き先や留学計画と照らし合わせて役立ててください。
情報提供
トビタテ!留学JAPAN
文部科学省が展開する、日本の若者の海外留学への機運を醸成する官民協働の留学促進キャンペーン。意欲と能力ある全ての日本の大学生や高校生が、海外留学に自ら一歩を踏み出すためのサポートを行う。
https://tobitate-mext.jasso.go.jp