留学のお金の不安を解決! 留学奨学金の詳細や、先輩たちからのアドバイスも!
留学計画を考える上で必要不可欠となるのが資金の問題。
どんなことにお金が必要で、一体どのくらいの費用が必要なのでしょうか? 留学計画書の作成とともに、自分の希望を叶えられそうな奨学金プログラムの情報収集を始め、具体的な資金面の計画も立てていきましょう。先輩留学生たちが実践した、費用に関する解決策も参考にしてみてください。
▼INDEX
1.留学するためにはどのようなお金が必要?
2.留学奨学金の基本知識を身につけよう
3.留学資金に関して家族に相談するべきか?
4.私はこうやって解決! 留学費用を工面するための先輩たちの実話エピソード
5.お金の問題で諦めず、できることから始めよう
留学するためにはどのようなお金が必要?
大学生の留学には、こちらの記事で紹介したとおり、交換留学や私費留学、大学留学など、さまざまなタイプがあります。どんな留学計画かによって、かかる費用は大きく異なりますので、費用のことも頭に入れながら、留学プランを確認してみてください。
留学にかかる費用はさまざま
留学にかかる費用でおもな割合を占めるのが、学費・渡航費・滞在費の3つです。特に学費は、留学先の国や大学によって大きな差があるため、事前によく調べておく必要があります。また、滞在費に関してはホームステイ、学生寮、アパートやシェアハウスなどの選択肢があり、それぞれかかる費用が異なります。
これらに加え、食費や交通費、通信費などの日常生活費、海外留学保険料、パスポートの取得費用、国によってはビザの取得費用なども必要となります。プログラム内容によっては、教材費や試験受験料、オリエンテーションへの参加費用、留学エージェントの手配料などがかかることもあります。
留学期間が長くなれば、その分学費や滞在費、生活費は多くかかります。
大学生の留学費用、大体の目安はどのくらい?
例えば先進国エリアの私立大学に留学する場合、学費・渡航費・滞在費を含めた金額は、
・短期留学(2〜3週間程度)で約50〜80万円
・6ヶ月間で約200〜300万円
・1年間で約400〜800万円
が大まかな目安となります。
選ぶ国によって変動が大きく、英語圏の先進国エリア、特にアメリカやイギリスは費用が高く、最近は円安が続いているため、ニューヨークやシリコンバレーなどでは短期留学でも100万円、1年間では1000万円を超えるケースも。同じアメリカであっても、州立大学の場合の学費は私立大学よりも比較的安価です。
ただし、これはあくまで目安! 選ぶ大学の種類や受講するプログラム内容、エージェントの有無や、滞在先のタイプなどで、さらに大きく変わります。一概には言い切れませんので、参考程度に覚えておきましょう。ハイシーズンであれば渡航費は高額になりますし、行き先の国によって物価も異なりますので、事前に情報収集をしっかりと入念にしておくことが何よりも大切です。
トビタテ!留学JAPANの「留学大図鑑」に掲載された大学生の留学体験談を参考に、費用の目安を探ってみるのもおすすめです。
留学費用を節約するためのコツ
まずは、留学費用が安価な国を選ぶことが挙げられます。アメリカやイギリスに比べ、ニュージーランドやカナダ、オーストラリアなどは比較的費用が安い傾向があります。生活費に大きく影響する物価などもあわせて確認しましょう。
滞在費を節約するためには、ホームステイや学生寮を活用するのがおすすめです。現地の家庭で生活するホームステイは食費込みのプランが一般的なため、現地での生活費を抑えることができます。学生寮の場合はより滞在費が安く、大学に直結している場合は交通費を節約できるというメリットもあります。
また、早めに航空券を手配したり、ハイシーズンを避けたフライト選びも、渡航費を抑えるためのポイントです。現地では外食を減らしたり、公共施設で学生割引を上手に活用すれば、生活費の節約につながります。
そのほかにも、留学中に収入を得る手段としてアルバイトやインターンも検討してみましょう。一部の国では学生ビザでの就労が可能な場合もあり、ボランティアに参加することで、生活費の補助を受けられることもあります。受け入れ先は事前によく調べ、手配しておきましょう。
学費を抑えるなら交換留学をチェック
日本の大学と提携している海外の協定校に通う「交換留学制度」を使えば、日本の大学に在籍したまま参加するため、留学先の教育機関へ授業料を支払う必要がありません。学生寮に入れることも多いため、留学費用を大幅に削減することができます。
しかし、非常に人気は高く、学内では激しい選考争いが繰り広げられているのが現状です。選考基準も厳しく、TOEFL®やIELTSなどの検定スコアをクリアしなければ応募できないこともあるので、目指す人は早めの対策が必要です。
大学生ではエージェントなしで留学する人も多数
留学エージェントとは、留学手続きや学校選び、滞在先の手配や、出発前の準備、到着後のサポートなど、留学におけるさまざまなサービスを行ってくれる企業のことです。
高校生の場合はこのエージェントを介して留学する人がほとんどですが、大学生になると、エージェントを使わずに自分自身で手続きや手配をすべて行う人が多いといいます。当然、かなりの情報収集や手間が必要になりますが、より自分にあった選択ができ、サポート費用を丸々浮かせることができます。
留学奨学金の基本知識を身につけよう
留学資金に不安がある場合、学費や留学費用を支援してくれる奨学金は、学生やその家族にとって強い味方になってくれます。受けるには審査がいりますが、自分には無理だと諦める前に、しっかりと情報をリサーチし、自分にできそうなことから始めてみましょう。
留学奨学金とは?
留学に必要な費用をサポートする制度であり、国や自治体、学校、企業、NPOなど多くの機関や団体が留学生を支援するために奨学金制度を設けています。
奨学金を利用することで、経済的な理由などで留学を諦める必要がなくなり、学びの機会が一気に広がります。奨学金の種類や条件によって留学生に与えられる支援内容は変わってくるため、自身の状況に合った奨学金を見つけることが重要です。
給付型奨学金と貸与型奨学金の違い
奨学金には大きく分けて「給付型」と「貸与型」の2種類があります。「給付型奨学金」は返済の必要がなく、家庭の経済的負担を軽減できる点が魅力ですが、替わりに厳しい選考条件を満たす必要があります。
一方で「貸与型奨学金」は留学後に返済が必要ですが、給付型よりも申し込みやすく利用しやすいのが特徴です。返済方法や金利の有無などは支援機関やプログラムによって異なります。自分の留学プランと将来的な返済計画を考え、どちらの奨学金を活用するか検討してみましょう。
大学生向けの奨学金プログラムは?
大学生向けの留学奨学金制度は、高校生よりも充実しているため、制度やプログラムの詳細をしっかり比較し、自分の留学計画や経済事情に合わせた選択をすることが大切です。高額の給付金や将来的なキャリアに有利な条件の奨学金ほど、競争が激しくなっていますので、慎重に選ぶようにしましょう。
・日本政府(文部科学省)の奨学金プログラム
トビタテ!留学JAPANの「新・日本代表プログラム」は、文部科学省と日本学生支援機構(JASSO)が支援する、給付型奨学金が受けられる海外留学支援制度です。日本の大学等に在籍中の大学生や大学院生を対象に、短期間留学から1年未満の留学まで幅広く対応しています(別途、高校生向けの募集もあります)。将来的に「自ら社会に変革を起こしていくグローバルリーダー」となり、日本の未来を創る人材の育成を目的としており、留学計画の内容に沿った3つのコースから選んで応募することができます。
・日本学生支援機構(JASSO)の奨学金プログラム
独立行政法人である日本学生支援機構(JASSO)では、「トビタテ!留学JAPAN」のほか、大学生を対象とした交換留学や、学部学位取得型プ、大学院進学者向けの奨学金、給付型から貸与型までさまざまな支援制度を提案しています。在籍大学や卒業した大学等を通して奨学金に申し込むことができるため、留学センターなどに問い合わせてみましょう。
・学内の奨学金プログラム
大学によっては、大学の自主財源や寄付金などを財源とした独自の奨学金プログラムを設けている場合もあります。内容は大学により異なりますので、こちらも在籍する大学の留学センターなどに問い合わせてみてください。
・企業や民間団体が支援する奨学金プログラム
企業が提供する給付型奨学金は、特定の目的や分野に特化したものが多く、一定の条件を満たせば企業がスポンサーとなり、手厚い経済的支援を受けられます。また、公益財団法人やNPOといった民間団体による支援では、文化交流や地域発展など、テーマに応じた取り組みが評価の対象となることが多いです。目的や行きたい国が定まっている人は、チェックしてみましょう。
・学内の奨学金プログラム
一部の地方自治体では、地元出身の学生を対象とした給付型奨学金が用意されています。なかには、プログラム自体の費用からあらかじめ奨学金分が割り引かれ、「奨学金」というワードを使用していないものもありますので、注意しましょう。自分が対象となる自治体が奨学金制度を設けているかどうかは、インターネット上に掲載されていないというケースもありますので、電話などで直接問い合わせてみることがおすすめです。
そのほかにも、有名なアメリカやヨーロッパの大学では、留学生を対象とした給付型奨学金や、特定の学術分野や国際的なプロジェクトに貢献する学生向けの奨学金プログラムを設けています。英語での留学計画書や、語学試験スコアの提出を求められることがありますので、早めに対策しておきましょう。
トビタテ!留学JAPANの「留学奨学金検索ページ」や、日本学生支援機構(JASSO)の「進学資金シミュレーター」で、自分に合った奨学金を調べるのもおすすめです。
留学資金に関して家族に相談するべきか?
18歳の誕生日を迎えた成人であれば、基本的に留学の応募や契約は保護者の同意なしで応募者本人が行うことができます。なかにはアルバイトなどでお金を貯め、留学費用をすべて自分で支払う学生もいますが、大学生にとっては決して簡単なことではありません。
また、奨学金の申込みには、原則として生計維持者(原則父母)の収入証明書とマイナンバーの提出が必要となります。できるだけ親御さんと話し合い、一緒に留学費用の計画を立てるようにしましょう。
特に留学奨学金の申請は、必要書類が多く複雑な手続きも多いため、トラブルを避けるためにも、親子でスケジュールを共有し、一緒に資料の作成、確認などを行うと安心です。
なお、貸与型の留学奨学金は生徒本人の名義で借り、卒業後に本人が返還します。奨学金は収入に含まれないため、税法上の扶養親族の対象から外れることはありません。
私はこうやって解決! 留学費用を工面するための先輩たちの実話エピソード
トビタテ!留学JAPANの「留学大図鑑」から、大学生で留学を経験した人のエピソードをご紹介します。
最大限の準備と留学中の過ごし方のコツ

出典:トビタテ!留学JAPAN https://www.tobitate-mext.jasso.go.jp/zukan/detail-3171?tab=tips
渡航前が一番大変
出典:トビタテ!留学JAPAN https://www.tobitate-mext.jasso.go.jp/zukan/detail-3214?tab=tips
お金の問題で諦めず、できることから始めよう
奨学金の給付など、大学生の留学を応援するサービスは数多くあり、大学生だからこそ工夫できる資金のやりくりの方法もたくさんあります。まずは自分でも受けられそうな奨学金プログラムを見つけ、申請スケジュールを確認し、チャレンジしてみましょう。諦めない強い気持ちは、きっと留学生活においても役立つはずです。
まとめ
大学生の海外留学は、高校よりも奨学金のプログラムも充実しており、選択肢が広いことが魅力のひとつです。その分競争率も高くなりますが、奨学金を得られ資金面がクリアになれば、日本では味わえない貴重な体験ができ、自分の将来や社会に貢献することができます。情報収集を念入りにし、自分に最適なプログラムを見つけ、ぜひ世界に大きく羽ばたいてください。
情報提供
トビタテ!留学JAPAN
文部科学省が展開する、日本の若者の海外留学への機運を醸成する官民協働の留学促進キャンペーン。意欲と能力ある全ての日本の大学生や高校生が、海外留学に自ら一歩を踏み出すためのサポートを行う。
https://tobitate-mext.jasso.go.jp