著名人の方々に、自身の18歳のころを振り返っていただく連載企画“18歳のころ”。大人と子供の狭間でもある18歳は、未成年から成年年齢に変わる歳でもあり、多くの人が高校を卒業して新しい道を歩むタイミングでもあります。憧れのあの人の18歳のころを知ることで、これからの人生を送る上でのヒントを見つけられるかもしれません。

今回は『マイナビ TGC 2024 A/W』に出演された俳優・西垣匠さんが登場。今に繋がる決断をしたという18歳の頃を振り返ってもらいました。

▼磯村勇斗さん、木全翔也さん、杉野遥亮さんが登場！
学生の君に伝えたい３つのこと

西垣匠の18歳のころ

――18歳の頃を振り返って、印象的なことはありますか？

僕はずっとフェンシングをやっていたんですけど、辞めたタイミングがちょうど18歳でした。大学に入学してちょっと経ったくらいの頃だったんですけど、ずっと続けていたものを辞めた虚無感もありつつ、何か新しいことにチャレンジしたいなという気持ちもあった年だったのかなと思いますね。

――ずっと続けてきたことを辞めるのには勇気も必要だったのではないでしょうか。

そうですね。辞めるという決断をしたのは自分で、今までこういう大きな一歩を自分で踏み出すことをあんまりしたことがなかったのですごく勇気が必要でしたし、辞めたことを後悔するような人生を送っちゃいけないなとも思ったので、新しい何かに打ち込んでみようと思うようになりました。

――当時の自分に何か言葉をかけられるとしたら伝えたいことはありますか？

当時フェンシングを辞めたから僕はこの人生を歩んでいて、ずっと続けていたら普通の会社員になっていたと思うんですよ。だから「辞めないで」と言ってみたいです。辞めなかったらどんな職業に就いて、何をしているのかが気になるし（笑）、そっちの人生もきっと幸せだと思うから「頑張ってみて」と言いますね。

――18歳の読者に向けて、西垣さんからエールをお願いします！

18歳って本当に何者にもなれる歳で、ある種自由だけど、自由なことって手放しにいいことでもなくて、これまで与えられていたり、限られていた選択肢が急に増えたり、将来のことを考え始めて自分から何かを掴みにいかなきゃいけなくなる年でもあると思うんですよね。なので楽しむところはしっかりと楽しんで、ふと「こういうのが仕事になったらいいな」とか「これは心から楽しいな」と思えることをずっと心に留めておくと、就活のときとかに役に立つんじゃないかなと思います。

どんな結果でも人生の糧になるし全部が自分の成長に繋がる

――TGCのステージに立った感想を教えてください。

今回は2ステージ出させていただいて、最初（映画『六人の嘘つきな大学生』のスペシャルステージ）はサプライズで初めて客席から登場したんですけど、お客さんとの距離が近くて、みなさんも本当に盛り上がってくださったのですごく楽しかったです。そして2つ目のステージはロックな感じでしたね。僕、結構奇抜な衣装を着がちなんですけど、今回はまさか頭から羽が生えるとは思ってなかったですね（笑）。フィッティングのときにこれは今回もまたすごいことになるぞという予感はしていて。こういうファッション系に振り切ったお衣装は自分を消してどれだけ服の魅力を伝えられるかという意識になるので、それもすごく楽しかったですね。

――今回の衣装のポイントを教えてください。

まずハグしたら絶対に怪我するネクタイ（笑）。あと革ジャンの下に着ているものが振袖みたいになっているんですよ。お着物のひらひら感がありつつカッコよさも表現していて、和と洋の融合みたいなところもすごくポイントかなと思います。この衣装に鼻ピや唇のピアスが共存するってなかなか想像できないじゃないですか。こんなふうに着るんだ、これもつけるんだとスタイリングが出来上がっていくのがすごく楽しかったです。

――11月22日には出演映画『六人の嘘つきな大学生』が公開されます。西垣さんが、大学生という役柄を演じる上で意識したことはありますか？

僕は就活をしなかったんですけど、大学の同期はみんなしていたのでそのときに相談されたことを思い出したり、実際に同期に「あのときどういう気持ちだった？」と話を聞きました。今回の役が野球部のキャプテンだったので、慶応の体育会野球部に入っていた方とお友だちを通じて繋げてもらって、「どういうところに筋肉がつきますか？」とか、「コミュニケーション能力が高いイメージだけど、実際はどうですか？」と質問したり、そのときの答え方や話し方も参考にしましたね。

――実際の取材があった上で演じられたんですね。

そうですね。役が身近であればあるほど、みなさんの共感を得られるポイントになると思うので、そこはちょっとでもズレちゃいけないなと思って自分なりに頑張ってみました。

――この作品を楽しみにしている大学生へメッセージをお願いします。

この映画を観たら、就活がイヤになっちゃうかもしれないんですけど（笑）。でもお芝居の中で就活をしてみて、いい結果が出ようが残念な結果になろうが、それは人生の糧になるし、全部が自分の成長に繋がるなと思ったんです。いつか振り返ったときに「なんであんなことで悩んでいたんだろう」と感じるくらい、いい思い出になると思うので、あんまり頑張りすぎずにベストを尽くしてほしいですし、この映画でみなさんの後押しをできたら僕は嬉しいなと思っています。

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取材・文／東海林その子
撮影／米玉利朋子