中川大志「“わざわざ観に行く”、 “時間にお金を払う”っていうことを体験してもらいたい」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回お話を伺ったのは、9月6日(金)公開の映画『夏目アラタの結婚』で、連続殺人事件の死刑囚・品川真珠の無罪を信じる弁護士・宮前光一を演じた中川大志さん。これまでの自身の経験を振り返って、学生の今だからこそできることをアドバイスしてくれました。
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学生の君に伝えたい3つのこと
中川大志が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.興味を持ったことはなんでもやってみた方がいい
ーー学生のうちにやっておいた方がいいと思うことはありますか?
僕自身が学生時代にやっておきたかったことならたくさんあるんですけどね。お仕事をしていたので、“毎日学校に行く”という、普通のことがなかなかできなくて。
興味を持ったことはなんでもやってみた方がいいんじゃないかなとは思います。今って、スマホさえあれば簡単にいろんな情報が得られるので、情報の取捨選択が難しいと思いますし、調べただけでわかった気になることもよくあるんですよね。僕もそうなんですけど。でもそこで満足せずに、もし自分が気になったり、心が動くようなことがあるんだったら、実際にやってみたり、行ってみたり、会ってみたり、食べてみたり……いろんなことに挑戦してほしいなって思います。それで残ったものが、自分の本当の趣味になったり、仕事になったりしていくと思うんですよね。
2.“わざわざ観に行く”ことをしてもらいたい
ーー学生のうちに見てほしいと思うものはありますか?
この仕事をしている身としては、やっぱり映画館に映画を観に行ったり、劇場に舞台を観に行ったりしてほしいですね。自分で足を運んで作品を観に行くということは、1日の中で2時間とか3時間、そこに時間を割いて、お金もかかるんですけど、でも、それ相応の体験をしてもらえることを目指して僕たちもやっているので、 “わざわざ観に行く”ことをしてもらえたら嬉しいです。
ーー学生時代ってそんなにお金に余裕がなかったりするから、自分にとって決して安くはないお金をかけて観に行く作品は「元をとってやろう」じゃないけど、吸収しようという気持ちが大きいこともあって、実際にたくさんのことを吸収できる気がします。
そうですね。さっきの話とちょっと繋がる部分があるかもしれないですけど、今は、切り抜き動画とかで、見てなくてもドラマ1話分見た気になったりするじゃないですか。でも、それってすごく楽しい反面、僕らからすると悲しいことでもあったりするので……。
ーードラマ好き、映画好きからすると、そんなふうに観るのは「もったいないな」って思っちゃいますけどね。ダイジェストで見てしまったら、その作品の魅力は大幅に減ってしまってるのに、って。
そうですよね。なので、なんかそういう“時間にお金を払う”っていうことを体験してもらいたいなと思いますね。
3.習い事を通していろんなことを教えてもらった
ーーこれまで経験した中で、やっておいてよかったと思うことはありますか?
僕は3歳から小学校6年生までずっとダンスを習ってたんですけど、そこで学んだことはすごく大きくて。というのも、ダンスを教えてもらうことはもちろんなんですけど、それ以外の挨拶だったり、礼儀だったり、目上の人との話し方や接し方だったり、そういう部分をたくさん教えてもらいました。僕は早くにこの仕事を始めたのですが、どの現場でも恥をかかなかったというか。大人になるとそういうことまで言ってくれる人も少ないと思うんですよね。なのでそういう、習い事を通して、そのスキルをただ単純に得るだけではなく、先生方からいろんなことを教えていただくという経験はしておいてよかったなと思っています。
柳楽(優弥)さんや黒島(結菜)さんはいつかご一緒したいなと思っていた
ーー本作の出演のオファーを受けたときの感想はいかがでしたか?
原作が漫画ということもあって、非現実的というか、奇抜な設定ではあるんですけど、それを実写化するときに、どこまで3次元の世界に落とし込んでいけるかというところがチャレンジだなと感じました。共演者の柳楽(優弥)さんや黒島(結菜)さんはいつかご一緒してみたいなと思っていた方々で、堤(幸彦)監督も初めましての方だったので、この座組を聞いて「チャレンジしてみよう」と思いました。
ーー本作のどんなところに面白さを感じましたか?
やっぱり、起きていることの度合いの高さというところだと思います。大きな事件を犯した死刑囚にプロポーズをして結婚するという、かなり想像しがたいようなことが起こっています。でも、それぞれのキャラクターにきちんと弱さがあって、納得させられるというか。映画の向こう側ではファンタジックなんだけど、どこかリアルな世界と地続きなものにできれば、よりこの作品の厚みが出せるのかなと思って、そこに挑戦したいなと思いました。
ーー今回、弁護士の宮前光一という役を演じられましたが、どんな役作りをされましたか?
まず、一審ですでに死刑判決が出ている被告人を弁護するということが想像つかなくて。しかも彼は裁判をひっくり返そうとしてるんですよね。そこが台本を読んでいく中で最初のポイントだったので、監修に入ってくださっている弁護士の先生にいろいろとお話を伺いました。実際に死刑囚も弁護されたことのある方で、純粋に「怖くないですか?」とか。人を何人も殺した犯人を目の前にした時にどういう感情になるのかとか、そういうことを先生といろいろお話ししながらイメージしていきました。
あとは、僕の役どころがこの事件の説得力や事件の重さを牽引していくポイントでもあると思っていたので、少しでもリアリティーというか説得力が出せたらいいなと思って、弁護士としての仕事の業務内容や法廷の中での大体の流れなんかも聞いたりしましたね。
ーー宮前弁護士を演じる上で特に意識したことはありますか?
彼はすごく強い男だと思います。行動できる男だと思うし、かなりの覚悟と忍耐力と精神力があると思う。手弁当で弁護を申し出るってなかなかできることじゃないと思うし、そのエネルギーはどこから来るのかというと、やっぱり真珠なんですよね。宮前は常に彼女からエネルギーをもらっていたと思うので、僕も現場では常に黒島さん演じる真珠にしっかりとフォーカスするようにしていました。
映画現場で編集が同時進行で進んでいくのは初めてで驚いた
ーー今作ではシリアスな表情が多く、セリフもほぼ敬語でしたが、表情やセリフなどの部分ではどんな工夫をされましたか。
今回、象徴的に寄りのカットが多かったんですよね。今回、面会室のシーンで言うと、光の角度だったり、アクリルパネルに映る角度や位置だったりに結構制約があって。少しずれただけでカメラが映ってしまったり、見え方が変わってきてしまうような撮影環境だったので、監督からはわりと、顎の上げ下げだったり、顔の角度で繊細な指示があったので、それは印象に残ってますね。
ーー面会室でアラタと真珠が心理戦を繰り広げるシーンは本作の見どころのひとつだと思うんですが、面会室での撮影はいかがでしたか?
実は僕、黒島さんとは、現場ではほとんど面会室のアクリルパネルを挟んだ形でしか会ってないんです。撮影の合間に挨拶以外でお喋りすることもなかったですし。その方がいいと思ったんですよね。そうするとやっぱり隔たりを感じるんです。隔たりがあると、人って伝えようとする力が増すじゃないですか。距離が離れてたら声が大きくなるのと同じで、伝えようという力が増えるというか。アクリルを挟むと、声も聞き取りづらかったりするから、相手からもらおうとする力とか、相手に伝えようとする力が、普通に話してる時と違うんですよね。それは自分もお芝居しながら感じていたような気がします。アクリル1枚挟んでるだけなのに、この1枚が大きくて。すごく近い距離にいるんですけど、ものすごく遠くにいるような感覚というか。だから、心理的な距離感はすごくありました。
ーー撮影中、“堤監督ならでは”と感じた部分はありましたか?
現場でリアルタイムに編集が進んでいくところですね。映画って、撮影が終わって、素材が全部集まってから編集に入るというのがたぶん基本的な流れなんですけど、監督は撮れた素材をその場で繋ぎ合わせて、その場で編集が同時進行で進んでいくんです。もちろん仮編集なんですけど、仮のBGMなんかも入って、どんどん出来上がっていって。そういったことは、映画の現場では初めてだったので驚きました。
結構現場で途中段階を見せてくださったんですけど、それがもう本当にそのまま映画館で流せるようなレベルのものが出来上がっていて。それを見ることによって、この映画の目指すテイストというか、どんな方向性で、どんな世界観で作り上げられていくのかということを、監督と共有しながら撮影を進めることができたんじゃないかなと思います。
ーー堤監督から言われたことで、印象に残ってる言葉はありますか?
「ヨッ、男前!」って言われました(笑)。
ーー(笑)。それは何のシーンだったんですか?
何のシーンか忘れちゃったんですけど。特に宮前はシリアスなシーンが多いので、一生懸命テストでお芝居して、カットがかかったら「ヨッ、男前!本番もその男前でお願いします」みたいなことを言われて……。その時はやりづらかったですね(笑)。
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PROFILE

中川大志
1998年6月14日生まれ、東京都出身。『坂道のアポロン』(18)、『覚悟はいいかそこの女子。』(18)で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。直近の出演作に『砕け散るところを見せてあげる』(21/主演)、『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』、『犬部!』、『ブラックナイトパレード』(22)、『スクロール』(23/主演)、『碁盤斬り』(24)などがある。今後は10月に『チャチャ』の公開が控えている。連続ドラマW「ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-」(WOWOW)が10月放送。
映画『夏目アラタの結婚』9月6日(金)全国公開

元ヤンで児童相談員の夏目アラタ(柳楽優弥)が切り出した、死刑囚への“プロポーズ”。 その目的は、“品川ピエロ”の異名をもつ死刑囚、真珠(黒島結菜)に好かれ、消えた遺体を探し出すことだった。 毎日1回20分の駆け引きに翻弄されるアラタは、やがて真珠のある言葉に耳を疑うーーー「ボク、誰も殺してないんだ。」プロポーズからはじまった、予想を超える展開。 日本中を震撼させる2人の結婚は、生死を揺るがす<真相ゲーム>の序章にすぎなかった・・・。 ©乃木坂太郎/小学館 ©2024 映画「夏目アラタの結婚」製作委員会
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取材・文/落合由希
撮影/三橋優美子