「汗が出たらどうしよう」- 人に言いづらい手汗の悩み、実は治療できるんです!
運動した時や暑い季節はもちろん汗をかきますが、「暑くもないのに手に出る汗が止まらない……」といった経験、思い当たることはありませんか? 「手に汗握る」という言葉があるように、緊張した時やストレスにさらされた時に出る汗もその一例です。
なかには、手汗が止まらないことについて日常的に悩んでいる人もいますが、その人たちはどんな場面で困っているのでしょうか? 今回はそんな手汗に関する悩みを15~30歳までの各年代405人に調査しました。
焦れば焦るほど止まらない……手汗の悩みの実態調査
そもそもどのくらいの割合の人が手汗に悩んでいるのでしょうか?
あなたは手汗のお悩みがありますか。
(女性)
(男性)
調査の結果、全体で女性41%、男性44%が手汗の悩みを持っており、男女比率はほぼ変わりませんでした。なんと、約2.5人に1人の割合で手汗に悩んでいる人がいることがわかりました。
共感できるかも……手汗の悩みあるある
手汗に悩んでいる人が一定数いることがわかりましたが、具体的にはどんなシーンで手汗をかくことが多いのでしょうか? 次の3つのようなエピソードが多く集まりました。
手汗をかきやすいシーン1 「ゼミやプレゼンなど大勢の前での発表」
大勢の前での発表やプレゼン、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか? いくら準備をしていても、発表の場では多くの人からの視線が向けられます。「失敗したらどうしよう」「何か変に思われていたらどうしよう」などとプレッシャーを感じることがありますよね。そのため、多くの人が手汗をかいてしまうシーンとして、例に挙げられていました。
手汗をかきやすいシーン2 「集中しなければいけない大事なテスト」
試験を受ける時、「合格したい!」とプレッシャーを感じる人も多いでしょう。合否によって、大学の入学や卒業が決まったり、昇進のチャンスや資格獲得に繋がっていきます。今までの努力を実らせるために、「集中力を発揮しなければ」と自身を追い詰めてしまうことがありますよね。このような集中力に関連するシーンも手汗をよくかくきっかけになってしまうことがあります。
手汗をかきやすいシーン3 「手をつなぐシーン」
恋人とのデートで手をつなぐシーンで、「手汗をかいていることがバレないかな……」と不安になってしまい、ますます汗が出てくることはありませんか? 相手を不快にさせたくないけど、雰囲気も悪くしたくない……と思えば思うほど、焦ってしまうこともあるそうです。
大きく3つのシチュエーションに分けて、手汗をかいてしまうシーンを紹介しました。手汗をかいてしまうことで、手を握れない・紙やペンなどあまり触りたくない……など日常生活に支障が出ている人が多いことが分かります。
若いうちだけ? 体質? その手汗の悩み、お医者さんに相談できます
実は手汗の悩みは、「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」である可能性があります。人によって、したたり落ちるほど汗をかくこともあったり、症状はさまざまです。汗で皮膚がむけたり、湿疹ができたりすることもあります。
手掌多汗症の発症は、幼少期あるいは思春期頃が多いといわれていますが、この症状に悩んでいるお子さんを持つご両親は、「大人になれば治る」と伝えてしまうこともあるよう。しかし、大人になっても治らないケースもあるため、軽視せずに正しい知識を持って向き合うことが必要です。
多汗症は汗をかく部位によって、発症する年齢が異なります。手のひらは13.8歳が平均発症年齢です。部位別の多汗症の平均発症年齢は、わきの下が19.5歳、足のうらが15.9歳、頭部が21.2歳です。
紙を持ったり、文字を書いたりする時に紙が濡れてしまう。握手をすると相手に不快感を与えてしまうのではないかと心配になる。パソコンやスマートフォンなど、電子機器が壊れてしまうことがあるなど、生活にさまざまな影響が出るといわれています。
手汗が気になり意識しだすと、さらに手汗をかくという悪循環におちいってしまうことがあります。また、治療法があることの認知が広がっていないために、成人になっても職場や日常生活に支障をきたしたまま、手汗で困っている方が大勢います。
手汗のために周囲の目が気になって、人との接触を避けるようになったりするだけでなく、うつなどを併発したりすることもあり、より深刻な状況になることもあります。
しかし、今回取得したアンケート結果によるとそもそも「手汗は医療機関で相談・受診できることを知っているか」という問いに対して、「はい」と回答したのは、女性26%、男性28%でした。また性別/世代においても認知率に差異はなく、医療機関で相談・受診できることの認知率は低いことがうかがえます。
手汗は医療機関で相談・受診できることを知っていますか。
(女性)
(男性)
また、「手汗のお悩みが緩和されるなら受診してみたいか」の問いに対して、「受診してみたい」と回答したのは、女性44%、男性51%という割合の結果が出ています。
手汗のお悩みが緩和されるなら受診してみたいですか。
(女性)
(男性)
「若いから」「体質だからしょうがない」といって見過ごされていることが多い手掌多汗症。あまり病気として認識されていることがないため、医療機関に相談するケースは少ないという結果ながらも治療できるなら治したい……と思っている人が多いことがアンケートによって浮き彫りになりました。
手汗に悩んでいるなら……
手掌多汗症に悩んでいる人が病院に行くという選択肢を持てるようになることは非常に重要です。まだまだ認知度が低い手掌多汗症に対して、親御さんや学校、企業などの社会全体が理解を深めていく必要があるでしょう。
日常生活する上で、様々なことに大きく影響を及ぼす手掌多汗症。手汗に悩んでいる人にとっては、「周りからどう思われるだろう」と日々不安を感じながら生活しています。原因が分からなければ分からないほど症状への不安は増していきます。しかし、新たな治療薬も登場しています。一人で悩まずに、まずは近くの病院に相談してみてはいかがでしょうか。
※出典 手汗のお悩み解決情報サイト みんなの手の汗サイト
記事監修
池袋西口ふくろう皮膚科クリニック 院長 藤本 智子 先生
~アンケート出典~
手汗に関するアンケート
調査時期:2023年9月20日~2023年9月21日
調査数:405名(女性:206名、男性:199名)
調査方法:インターネットログイン式アンケート
提供:久光製薬株式会社