JO1・白岩瑠姫「とことん遊ぶときと一生懸命に学ぶときとの切り替えが大事」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』で久間田琳加さんとW主演を務めたJO1の白岩瑠姫さんが登場。絵を描くことを愛する高校生・深川青磁役を演じた白岩さんに、将来のために役立つアドバイスや学生に聞いてほしいJO1の曲を教えていただきました。
▼白濱亜嵐さん、小森隼さん、高橋文哉さん、もーりーしゅーとさんが登場!
学生の君に伝えたい3つのこと
JO1・白岩瑠姫が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.とことん遊ぶときと一生懸命に学ぶときとの切り替えが大事
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
将来やりたいことだったり、なりたい職業が明確に決まっているのであれば、それに付随した何かを勉強したり、将来の自分のためになることに時間を使うのがいいと思います。僕はもともと今の仕事をやりたいと思っていたわけではなかったから、もっと早くからダンスや曲を作ること、演技の勉強をすることができていたらよかったなと思うことがあるんです。もしまだ夢がないなら、そのときにしかできない経験をしてほしいです。友だちと思い出を作る中で何か見つかるものもあるだろうから、そういう時間も大切にしたほうがいいなと思うし、そうやってとことん遊ぶときと何かを一生懸命に学ぶときとの切り替えもすごく大事だなと思います。
2.いろんな作品に触れると知識が増える
――学生のうちに見たり、聞いたりしたらいいと思うものはありますか?
僕は学生時代から辛いことがあったり悩んだりすると、夜景や、冬だったらイルミネーション、夏だったら花火、夏祭りとかキレイなものを見ていましたね。あと世の中にはいろいろな名作といわれる作品があるじゃないですか。僕は今そういう作品を観ているんですけど、学ぶことがあるし、「あ、こんなことで悩んでたんだ。くじけてたらダメだ」と自分の悩みが小さく思える気がするんです。今回僕が演じた青磁が言っていたように「世界は広いからもっと挑戦しなきゃ」と前向きになれることもあると思うし、たくさんの作品に触れると知識が増えてそれも武器になるから、学生のうちにできていたら強いと思います。
――名作をご覧になっている中で、特に印象に残っている作品はありますか?
いっぱいあるんですけど、最近は感動する系の作品を観ていたんですよ。『アルマゲドン』、『ノートブック』『アバウト・タイム』などいろいろ観たんですけど、やっぱり僕は『タイタニック』がすごく好きで、落ち込んだときに観たくなります。夜景を見に行くのと同じように、キレイなものに触れるとちょっと前向きになれるというか。ワールドカップを見ると、次の日にすごく活気に満ち溢れて「俺もやってやろう!」と思うのと似たようなものがある気がします。
3.「僕らの季節」は心が落ち着く曲
――学生におすすめしたいJO1の楽曲を教えてください。
もちろん今回の映画の主題歌になっている「Gradation」は聞いてください(笑)。あと僕は「僕らの季節」がイントロからすごく好きで、浄化されてスーッとストレスや悩みがなくなるというか、すごく落ち着きます。冬の曲なので夏に聞く機会は少ないと思うんですけど、冬が近くなったり、心を落ち着けたいときにぜひ聞いてほしいですね。
演じた“深川青磁”は結構共通点があって親近感が湧いた
――9月1日(金)には、白岩さんが初めて主演を務めた映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』が公開されます。オファーが来たときはどう思われましたか?
演技自体、JO1全員が主演した『ショート・プログラム』というドラマ以来で、今回はほぼ初めてに近い形でやらせていただいたので、役作りや演技に対して詳しいことがわからなかったんです。なので、まず共演者の方たちから盗むというか、真似して全部吸収するぐらいの気持ちでやろうと思っていました。僕が演じた深川青磁という役は、原作を読んでいる中でも結構共通点があったので、そういう意味では演じやすかったというか、力を抜きながら自然に演じることをイメージしていましたね。
――具体的にどういった共通点があったのでしょうか。
原作に出てくる外見の説明も似ているところがあるんですけど、一番は考え方や中身ですね。青磁のセリフは結構クサいところもあるんですけど、それも自分が普段生きていく中で思っていることというか。「人生一度きりしかないから、やりたいことをやったほうがいい」とか「言いたいことを言ったほうがいい」みたいなセリフがあるんですけど、僕もライブ中に「このステージが自分の人生で最後になってもいいように」ということをよく言うんです。そういう似ているなと思うところがあったので、演じるということを気負わずにやろうかなと意識していました。
――青磁は学校で目立つ存在でありながら、周りには打ち明けてない、見せていない部分も持っていましたよね。そういったところはどう見ていましたか。
JO1は4年目なんですけど、僕は今までメンバーに相談をしたことがなくて。別に隠しているわけではないんですけど、ひとりで抱え込んでしまうところはすごくわかるなと思いながら、親近感が湧いていましたね。
――相談しないのは自分で解決したいという思いがあるからなのでしょうか?
結局自分自身が変わらなかったら環境も何も変わらないという部分もあるし、あと JO1では年下のメンバーが多いので、下の子に気を使わせてしまったり、負担をかけてしまうことはなるべくしたくないなという気持ちがあって。でも年上の2人もチームのことを考えてくれていて、そこにもあんまり負担をかけたくなくて。なのでひとりで解決方法を探したりしますね。
初めての主演映画が『夜きみ』でよかった
――出演発表の際のコメントを拝見すると、監督とのやりとりが多くあったのかなと思うのですが、印象的なことはありますか?
僕が演技について何もわからない状態だったので、シーンごとにいろいろアドバイスをいただいたりすることが何度もありました。一番印象に残っているのはクランクインして2日目くらいに、僕自身も(茜を演じた)久間田(琳加)さんも人見知りでなかなかコミュニケーションが取れていなかったので、現場を作る座長としてのアドバイスをいただいたこと。僕は俳優さんが普段どうやってシーンの前に役を作るのかがわからなかったので、あんまり話しかけないようにしていたんです。だけど久間田さんだけじゃなく、スタッフさんとかいろんな人に話しかけて、現場の雰囲気を作るのが座長の仕事でもあると教えていただいて。それから積極的に話すようになって、自分から発言しやすくなったり、分からないことを素直に聞ける状況にもなって。あとは自分がミスしてしまったときもそんなに重い空気にならなかったし、撮影前に気軽に話していいんだとわかってからはすごく気持ち的に楽になったなと感じたので、アドバイスをいただけたことは大きかったなと思います。
――最初は監督に「久間田さんに自分から話しかけました」など、報告をされていたらしいですね。
今日はどっちから話しかけたのかを聞かれたので、「僕から行きました」「向こうから来てくれました」というのを、最初のほうは報告をしていたかもしれないですね(笑)。多分、監督も見守ってくれていたんだと思います。
――今作では絵にも挑戦されていますが、いかがでしたか?
今まで絵を描く機会はあんまりなかったのですが、教えてくれた絵画監修の方が、僕と年齢も近くて、すごく意気投合してしまって。僕がJO1の活動をしているときにも「絵ってこうやって描くといいんだよ」とか、ペンの持ち方から細かいディティールまで動画で送ってきてくださって。僕もキャンバスを作るところから家で何回もやってみたり、実際に絵を描いてみたりして、だいぶ上達して。もともと絵を見たり、インテリアとして抽象絵画を調べたりすることに興味はあったので、自分で描けるようになる楽しさがありましたね。劇中にも僕の作品が2個出ているんですけど、それもすごく嬉しかったです。
――完成した作品をご覧になった感想を教えてください。
撮る前に台本でその前後のシーンを確認したりして、繋がりを意識しながら撮るんですけど、完成した作品ではそこに音楽が入ってきたり編集が入ったりして、より感動しました。茜だけのシーンはもちろん台本では知っているけど、観るのは初めてだったので、新鮮でお客さんと同じ気持ちで観ました。すごくいい映画だなというのが一番の感想ですね。すごく映像もキレイだったし。まだ大きいスクリーンでは観られていないので、公開日の9月1日には観に行こうかなと思っています(笑)。
――試写は2回連続でご覧になったそうですが、それはなぜだったのでしょうか。
1回目はスタッフさんとか、いろんな関係者の方と試写室で観たので、あんまり集中できなくて(笑)。僕が出てくるたびに横に座っている社長がちょっかいをかけてきたりするんですよ。まあ愛されているなと感じたんですけど、内容自体があんまり入ってこなかったので、帰ってから冷静にひとりで観たときにやっと内容が入ってきましたね。今4回くらい観たんですけど、3、4回目は「もし次、演技のお仕事が来たときにどう活かしていくか」とか、「このシーンよかったな」「このシーンはもうちょっとこうできたな」と細かく見ることができました。
自分の選択が合っていたと思えるようにしていくことが自分の役目だなと思っている
――そして白岩さんが所属するJO1のみなさんで主題歌を担当するのも嬉しいことですよね。
嬉しいですね。もともと学園を舞台とした作品をやってみたいと思っていたんですけど、日々演技のレッスンをしているわけではなかったから夢の話かなと思っていたんです。でもこういうお話をいただいて、主演というのがまず嬉しかったのに、撮影していく中で主題歌をJO1が歌うと決まって本当に嬉しかったです。映画の主演作で主題歌を担当するのは初めてだったので、みんなもすごく喜んでくれたし、僕もなんですけど「Gradation」がJO1の中で一番好きな曲になったというメンバーも何人かいたので、それを聞くとやっぱりすごく嬉しいですね。
――映画の内容とマッチしている楽曲ですよね。
レコーディングは映画を撮り終えた後だったので、これが最後に流れるんだなと思いながら録ったんですけど、すごく映画に合うなと思って。歌詞や世界観もこの映画のために作られたんだなと感じたり、歌詞の中に青磁や茜という言葉が入ってくるのがとにかく嬉しかったですね。映画を観てから聞いたらまた違う良さがあるのかなと思うので、ぜひ観てほしいなと思いますね。
――今回は高校生役を演じられましたが、学生時代の印象的なエピソードはありますか?
高校1年生の文化祭で劇をやることになって、久しぶりに学校に行ったら「ピーターパン」のピーターパン役になっていたんですよ(笑)。この劇で主役をやって優勝できたのが一番の思い出かなと思います。最初は出るのに抵抗があったし、教室の上のほうにある窓ガラスから登場するシーンとか、今思うとすごく恥ずかしいんですけど、そういうものをみんなで作るのが楽しかったですね。
――青磁にとっての絵のように、白岩さんが学生時代に熱中したことは?
中学はもうずっとサッカー漬けでしたね。小学校の頃から始めていたんですけど、学校に行って、家に帰る間もなくそのままサッカーのクラブチームに行って、夜中に帰ってきてまた学校みたいな暮らしをしていて。それが小学生のときから8年くらい続いたんですけど、みんなが遊んでいるのを見るとすごく羨ましかったし、でも自分は電車に乗りながら太ももを机代わりにして宿題をやっているのを思い返して、「こんなに頑張る必要あるのかな?」みたいに思ったんです(笑)。ちょうどそのときに芸能の世界にも興味が出てきたので、もっと他のことをやったり、みんなと同じような青春を送りたいなと思って、高校生のときはそこに時間を注いでいました。
――そこで切り替えてよかったと思いますか?
よかったですね。その高校の3年間があったから、そのときの友だちと今もずっと仲が良くて本当に僕にとってかけがえのない支えになっています。ただサッカーを頑張った8年間は決して無駄ではなかったと思っています。そういうひとつひとつの選択が自分を変えていく中で、それが合っているか、合ってないかは誰にもわからなくて。でも今こうしてここに座って仕事をすることも、もしあのときサッカーを選んでいたらできていなかったかもしれないので、この選択が合っていたと思えるようにしていきたいと思っています。
PROFILE
白岩瑠姫(JO1)
1997年11月19日生まれ、東京都出身。グローバルボーイズグループ・JO1のメンバー。これまでに発売した7作のシングル全てが主要音楽チャートで1位を獲得し、昨年末の「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たしている。個人では「JO1のオールナイトニッポンX(クロス)」のメインパーソナリティーを務めている。22年にJO1主演ドラマ「ショート・プログラム」(Amazon Prime Video)に出演。本作が映画初出演で映画初主演となる。
映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』9月1日(金)全国ロードショー
学校ではマスクが手放せず、周囲の空気ばかり読んでしまう「優等生」の茜。
自由奔放で絵を描くことを愛する、銀髪のクラスメイト・青磁。
何もかもが自分とは正反対の青磁のことが苦手な茜だったが、彼が描く絵と、まっすぐな性格に惹かれ、茜の世界はカラフルに色づきはじめる。
次第に距離を縮めていくふたりの過去はやがて重なりあい、初めて誰にも言えなかった想いがあふれ出す――。
https://yorukimi.asmik-ace.co.jp/
出演:白岩瑠姫(JO1) 久間田琳加
箭内夢菜 吉田ウーロン太 今井隆文 / 上杉柊平 鶴田真由
監督:酒井麻衣
原作:汐見夏衛「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」(スターツ出版 刊)
脚本:イ・ナウォン 酒井麻衣
音楽:横山克 濱田菜月 主題歌:JO1「Gradation」(LAPONE Entertainment)
製作:『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会 制作プロダクション:C&Iエンタテインメント、アスミック・エース
配給:アスミック・エース
©2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会
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取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子