木村昴「食わず嫌いせずいろいろ挑戦して経験するのが楽しい学生生活の秘訣」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は8月18日に公開する映画『尾かしら付き。』に出演した木村昴さんが登場。木村さんが学生時代に経験したことから、この先の人生を豊かにするアドバイスをくれました。
▼白濱亜嵐さん、小森隼さん、高橋文哉さん、もーりーしゅーとさんが登場!
学生の君に伝えたい3つのこと
俳優・木村昴が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.恋愛をしてほしい!
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
絶対に恋愛だと思います。恋愛をすると人の気持ちがわかるようになるし、自分の気持ちに気づくこともあるんですよ。僕はそれがすごくよかったなと思う反面、もっと恋愛しておけばよかったなとも思っていて。高校1年生のときに頑張って告白して生まれて初めての彼女ができたんだけど、付き合ったあとにどうしたらいいかわからなくてモジモジしていたら、結局手も繋がないまま別れちゃって(笑)。そのあとだいぶこじらせて、高校3年間はそんな色っぽい話もなく過ぎたんですけど、でも「好きかもしれない」と気づいたり、「もしかしたら彼女も僕のこと好きなのかな?」「どう思われてんのかな?」と真剣に考えていた時間ってやっぱりいいなと思うんですよ。思いを伝えるというのもそうだし、相手の気持ちを考えたり、自分の気持ちを整理することは絶対に大人になってからも活かされると思うので、恋愛は頑張ってでもしたほうがいい気がする。テスト勉強とかよりも(笑)。それくらい大事なんじゃないかなと大人になって振り返ると思いますね。
2.理不尽なこと、気に食わないこともとりあえず受け止める
あと学生時代、僕は自分の力を過信していたというか、制服を着なかったり、先生に反発したり、一時期「学校の先生の言うことを聞いてたまるか!」みたいな時期があって。そしたらある時、先生にちょっと理不尽なこと言われたときに「喧嘩するか?」みたいなことになったんですよ。「お前、来い!」と胸ぐらを掴まれて、俺も先生の胸ぐらを引っ張って2人で職員室に入って揉み合いになって、でもそのときに先生に怒鳴られたことが十中八九正論で「うわ、俺ダサ」と思って(笑)。先生は真っ当なことで怒っていて、俺がちゃんとしてないのが悪いんだよなと喧嘩しながら気付いちゃって、大人の正論がめちゃくちゃ刺さって腹が立ったんですよ。それで職員室の外で仲間が「大丈夫か?」と言って待っているのを「帰る!辞めてやる!」って3時間目くらいに学校を出て行ったんです。一応そこそこ校則が厳しい進学校だったもんですから、「帰りはこの道を使って帰りなさい」という駅までのルートが決まっていたんですけど、それを「知るか!」って普段通らない道を通って行ったら橋がかかっていて、ベタですけど橋の真ん中で川底を見ながら「先生の言っていることが正しいな……俺、何やってるんだろう」と悔しくなって、めっちゃ泣けてきて。その日は天気がよくて、そんなに深い川じゃないから川底がキレイに見えて、でっかいダンボールみたいなものが沈んでいるのを眺めていたら、そのダンボールが急にヒラヒラ、バタバタと動き出して泳いでいったんですよ。よく見たらでっかいエイで(笑)。めっちゃびっくりして誰かに言いたいけど、周りに学生がいるわけもなく、「うわ、エイ!でか!」と驚いていたときに「先生、ありがとう」と思ったんです(笑)。今日先生に怒られていなかったらこの時間に学校を飛び出すこともなかったし、普段通らない道にも行かなかったし、馴染みのない川で泣くこともなかった。そのおかげでめっちゃでかいエイを見られたと思ったら、やっぱり無駄なことってなくって、悔しいも悲しいも必要なことだったんだなと思って。だから理不尽なこともきっとあるだろうし、気に食わないこと、自分が思っているようにいかないこともあるかもしれないけど、それを大人になって振り返ると無駄なことじゃないはずだから、「ありっしょ」みたいな感じで受け止めてあげられると、いい学生生活になるんじゃないんでしょうかと思いました。
――すごく壮大なお話でびっくりしました(笑)。
いや、僕も大変に驚きました(笑)。本当に月島の川にエイがいたんですよ(笑)。
3. 食わず嫌いせずいろいろ挑戦して経験するのが楽しい学生生活の秘訣
――では、学生のうちにこれは見て・聞いておいたらいいと思うことはありますか?
なんでもいいと思うんですよ。映画や音楽はそれぞれの好みだと思うし、その人にフィットするいいエンタメがあると思うので、これを見ろというものは特にないんですけど、でも学生って時間はあるでしょ?(笑)大人になるとやりたいことをする時間って本当に減るから、今のうちになんでも見たほうがいいと思う。僕がビバ俺、学生の頃の俺ナイス〜!と思うのは、勉強だと思って落語もめちゃめちゃ見たし、暇があれば映画にも行っていたし、週末は横浜とかに行って広場でやっている大道芸を見たりしていたんですよ。僕は学生時代から声優業を始めていたんで学業との両立が第一のテーマでしたけど、暇な時間がとにかく怖くて、何かを見つけてやらなきゃと思っていたんですよね。だからいろんな街に出かけていろいろ見て回って、この仕事だからなのかわからないですけど、それは今にすごく生きていますね。
あと1人旅には行ってみるといい。友だちと行けば楽しいし楽だろうけど、友だちを作って帰ってくることのほうが尊い気がするんですよ。最初はビビるし、やることもわかんないと思うんだけど、半日もすれば「うわ、めっちゃ自由!楽!」って思うはずだから。1人だと最初は人と話さないから、電車や飛行機に乗りながら景色を見ていると「あの看板、めっちゃカッコよ!」とか「なんでこのトンネルがあるんだろう。あ、この山の中を通ってるんだ」とか本当にいろんなことに気がつくんで、それが僕はすごく楽しかったですね。高1のときに、三浦半島の先にあるちっちゃな島のユースホステルに泊まりに行って。もう島も島で人も全然いなかったんですけど、2泊して帰ろうと思って「お世話になりました」と言ったら、そこのご主人が「もう帰るのか!なんだ〜もったいねえな〜」と言うんですよ。「なんでですか?」と聞いたら「今夜チアリーダーの団体が来るんだよ」と言われて、「あ、そうなんですか。……もう1泊、泊まらせていただけませんか?」と泊まったことも思い出になっているし(笑)。こうしなきゃいけないということはないし、どこに何があるかは本当にわかんないから、旅とかエンタメでもなんでもそうだけど、せっかく時間があるんであれば食わず嫌いせず、自分のことを決めつけず、いろいろ挑戦して経験するのが楽しい学生生活の秘訣、引いては大人になってからも生きる教訓になるのかなと思うので、参考になれば幸いです!
ルックスはかけ離れているけど、自分がやる意味を考えながらキャラクターを作った
――8月18日に木村さんが出演する映画『尾かしら付き。』が公開されますが、オファーが来たときはどう思われましたか?
こうして映画に役者としてしっかりと携わらせていただく機会は今回が初めてだったものですから、最初にお声がけいただけたときは光栄な気持ちと嬉しさで、マネージャーさんと非常に喜んだのを思い出しますね。漫画原作だということですぐに漫画を拝見し、この楓太というキャラクターがどんな人なのかを知りたいと思って読んだら、痩せ型の金髪ロン毛イケメンっていうもう僕と全然違う人で(笑)。なんで僕?と最初は思ったんですけど、読み進めていくとすごくポジティブなバイブスがあったり、ムードメーカー的な一面を感じ取って「もしかして俺、内面でキャスティングされてる?」と思って。「見た目が似ているからお願いしました」も自分がやる意味みたいなものがあるけれど、ルックスはかけ離れているけど、自分がやる意味がどこにあるのかなと考えながらキャラクターを作って演じるのもやりがいを感じられて、めちゃくちゃ楽しかったです。
――原作を読んだ印象も教えてください。
まず4巻で完結するので読みやす〜い!と思いました(笑)。主人公の男の子に尻尾がついているんだけど、周りからすると人と違うから好奇の目を向けられてしまって、そういうシチュエーションが物語になっているわけじゃないですか。まあ多かれ少なかれそれぞれにちょっと人と違った部分があって、それを抱えて生きているんだな〜と思いましたね。僕で言えば、通っていた小学校にハーフって僕しかいなくって、僕は特別だと思って母ちゃんに育ててもらったけど、周りからすると「なんか違うな」みたいにいじられたりもして。そういうときにこの映画や漫画のように、人との違いをシェアできる相手がいるのはすごく幸せなことだなと感じさせてもらえたのと同時に、ベタだけど違っていることが素晴らしいと思える、温かい、優しいメッセージが込められている素敵な漫画だなと思いましたね。僕は基本的にあんまり漫画を読まないで育ってきたんですよ。「浦安鉄筋家族」とか「学級王ヤマザキ」、「おぼっちゃまくん」とかが好きだったので、こういうラブストーリーは恥ずかしくってちょっと避けていたみたいなところもあって、柄じゃないなと思っていたんですけど、今回機会をいただいてしっかり読んで、うん……めちゃくちゃキュンとしましたね(笑)。4巻を読み終わって「くぅ〜!」みたいな感じになっちゃって(笑)、こういう漫画ももうちょっと読みたいなって思いました。いい経験をさせてもらいましたね。
演じた楓太はふとした一言で導いてくれる存在
――出演発表の際には、「ぼくにもこんなお兄ちゃんがいたらなーと想像を膨らませながら、陽気な楓太を演じさせていただきました!」とコメントされていました。
最高じゃないですか、ほどよく頭が悪くて(笑)。でも後半で快成が言う「僕といると那智が不幸になるから」みたいなセリフに対して「なんでお前にそんなことわかるんだよ。幸せかどうかは那智が決めることだろう」みたいなことを急に言ったりするじゃないですか。それまでは「大統領にでもなんのかー?」とか言っていためっちゃアホな、人生のことを何も考えてないように見える人がそんなことを言うからグサッとくるんですよ。ふとした一言で導いてくれる存在ですよね。だからこういうお兄ちゃんみたいな人がいると心強いなと思って役を膨らませることができたし、家族の中では僕がお兄ちゃんなもんですから、「こんなお兄ちゃん、やれてたかな?」みたいなことも考えながら演じていました。
――演じる上で意識したことはありますか?
大平(采佳)さんは初めての現場で、緊張されている雰囲気を僕も感じて、その緊張をこう解いてあげたいなみたいな使命感が芽生えて。そういうところで楓太っぽく、この現場のお兄さん的な感じでちょっと盛り上げられたらなと思っていましたね。「昴さんとのシーンはリラックスしてできました」みたいに言ってもらえたら嬉しいし、初めての映画ってみんな人生で1度しか経験できないことだから、それが素敵な思い出になればいいなと思ってやっていたかもしれないですね。
――金髪と色黒というビジュアルも印象的でした。
金髪自体は、実は学生時代だったり、20歳くらいのときにしていた時期があったんですね。それは松本人志さんや北野武さん、小堺一機さんが金髪にされて第2の人生を歩んで、さらにビッグになった姿を見て俺も真似しようと思って(笑)、験担ぎで金髪にしていたんです。だけど日焼けサロンには1回も行ったことがないもんですから、金髪日焼けは初めてでしたね。漫画では髪の毛が結えるくらいロン毛の楓太くんなんですけど、今回の映画版では……この長さなんて言うんだろう?チョビ長金髪?(笑)そんな漫画よりもちょっと短いスタイルでデザインしていただきましたけれども、いわゆるこういうサーファー系ボーイ、ギャル男は初めてやったので楽しかったですよ。新鮮で、マネージャーさんとめっちゃ写真を撮りまくりました(笑)。しかも映画ですからパーティーグッズとかじゃなくて、ちゃんとしたカツラとメイクでしたので、どこからどう見ても地毛っぽくて、それにも感動しました。「テクノロジー、エグ!ヘアメイク技術、ヤバ!」みたいにテンションが上がっていましたね(笑)。普段から木村を存じ上げてくれて応援してくださっている方からすると、多分初めて見る姿だと思うので、もしかしたらそういう楽しみ方もあるのかなと思います。
――お気に入りのシーンを教えてください。
すべり台で那智が快成のしっぽを初めて見たあと、2人で帰るときに「私はかわいいと思うよ」に言われた快成が「お前、変わってんな」とパーッと歩いて行くのを追いかけながら、那智が「かわいいよ。ね、かわいいよ」と何回も言っているところがかわいかったです(笑)。あそこ、2回くらい巻き戻したな。本当だったら「なんなんだよ。もういいよ」とあしらいたくなるところを、バツが悪そうにしているんだけど、快成が意外と素直にそのかわいいを浴びている姿もかわいかったんですよね(笑)。すごくキュンとしました。
木村昴さんから学生のみなさんに手書きのメッセージ!
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PROFILE
木村昴
1990年6月29日生まれ、ドイツ出身。20005年よりアニメ『ドラえもん』のジャイアンこと剛田武の声を担当。声優としての主な出演作に『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』、『呪術廻戦』、『東京リベンジャーズ』などがある。俳優としてはNHK大河ドラマ「どうする家康」にも出演。声優・タレント・俳優などマルチに活躍している。
映画『尾かしら付き。』8月18日(金)全国公開
私の初恋の人には、「しっぽ」がありました。
樋山那智は、ソフトボールに汗を流し、“日焼け”に憧れる平凡な中学生。彼女は同級生の宇津見くんが抱える重大な秘密を知ってしまう。それは、彼に“しっぽ”が生えているということ。“みんなと違う”ことに迷い戸惑い傷つきながらも、心を通わせ合う二人の物語。
原作:佐原ミズ「尾かしら付き。」(ゼノンコミックス/コアミックス)
監督:真田 幹也
脚本:おかざき さとこ
音楽:Hilcrhyme
主題歌:Hilcrhyme「UNIQUE」(Universal Connect)
キャスト:小西詠斗 大平采佳 / 佐野岳 武田梨奈
木村昴 新内眞衣 土井ケイト 長谷川朝晴
企画・製作: EAST WORLD ENTERTAINMENT
埼玉県/SKIP シティ彩の国ビジュアルプラザ
制作:デジタルSKIP ステーション
ダブル・フィールド/ SS 工房
配給・宣伝:MOVIE WALKER
©佐原ミズ/コアミックス ©2023 映画「尾かしら付き。」
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2023年8月15日(火)~2023年9月14日(木)23:59まで
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取材・文/東海林その子
撮影/今井裕治