「すごい」を書き言葉でも通用する言葉に改めるとどうなる?社会人として身につけたい、知性を感じさせる語彙力

社会人になるとメールやチャットツールなど文字でのやり取りが増え、これまでの語彙力だけではちょっと不安な場面がでてくるかもしれません。そこで、語彙力を高めたい方におすすめの書籍『大人の言葉えらびが使える順でかんたんに身につく本』から、若者言葉や流行り言葉の言い換え方をご紹介します。
※本記事では吉田裕子著『大人の言葉えらびが使える順でかんたんに身につく本』(かんき出版)より一部抜粋し、再編集したものです。
「すごい」は「秀逸」「卓越」「感銘を受ける」に言い換えられる
元来「凄し」は、背筋がゾッとするほど恐ろしい様子のこと。そこから「戦慄を覚えるほどの美しさや素晴らしさ」という意味になりました。残念ながら、現代ではこの言葉の重みは失われています。軽く聞こえず、尊敬の念が伝わる表現を集めました。
「秀逸」
他のものと比較したときに、抜きん出て優れていること。逸は「逸品」の逸です。古くは、詩歌などの選考におけるよい評価を「秀逸」と言いました。今でも「秀逸の出来」という使い方をよくします。
「卓越」
群を抜いて優れている様子。ずば抜けているさま。他とはもうケタ違いの、圧倒的な腕前を誇るときに使う言葉です。類義語に「抜群(ばつぐん)」「傑出(けっしゅつ)」などがあります。
「感銘を受ける」
銘は「座右の銘」にも出てくる銘で、金属や石に文を刻み込むことです。感動し、忘れないよう心に刻み込む様子を表した言葉です。相手から教訓や励ましを言われたときに、使いたいフレーズです。
「すごい」は「とても」と同じように、程度を表す言葉としても使います。「すごくよかった」ならよいのですが、「すごくすごくよかった」のように重ねたり、「すごいよかった」のように文法上の接続が不正確だったりするのはNGです。
■著者より、おわりに
国語を学ぶことで感受性と対話力を磨いたら、人生はもっと楽しいと思う──。私が、ウェブサイトなどに掲げているモットーです。ぜひ豊かな語彙を道具や武器にして、より生き生きと毎日を楽しんでいただけたらと思います。
定価:1,540円(税込)
頁数:224頁
ISBN: 978-4-7612-7316-3
発行日:2018年1月22日
■著者情報
吉田裕子
国語講師。三重県出身。公立高校から、塾や予備校を利用せずに東京大学文科三類に現役合格。教養学部超域文化科学科を首席で卒業後、学習塾や私立高校などで講師の経験を積み、現在は大学受験塾の教壇に立つ。また、カルチャースクールや公民館で古典入門、文章の書き方講座などを担当し、6歳から90歳まで幅広い世代から支持される。たとえ話や笑いを交えた、わかりやすく納得できる教え方が好評で、栄光ゼミナールの授業コンテストで全国優勝した経験を持つ。