人材の流動化で終身雇用制度が意味をなさなくなり、老後に満足な保障が受けられない可能性が出るなど、自分で自分のお金を増やし、守らないといけない時代になりました。そのためにもお金の知識を学ぶ必要がありますが、まず何から学べばいいのか分からない人も多いでしょう。本シリーズ記事では、『株式会社マネーフォワード』協力の下、、お金の知識を学ぶための方法をご紹介します。今回は、お金の知識を学ぶに当たり、「何を最初にすべきか」を、『マネーフォワード』の執行役員CoPA(Chief of Public Affairs) であり、Fintech研究所長も務める瀧俊雄さんに伺いました。

まずは「家計管理」から始めよう

お金の知識を学びたい場合、まずは何から始めればいいのでしょうか？

瀧さんによると「金融庁が出している『最低限身に付けるべき金融リテラシー』には、4分野・15項目が記載されています。ここで1番最初に提示されているのが『家計管理』です。次に『生活設計』となっています。お金の知識というと、投資をイメージする人が多いかもしれませんが、そもそも投資をするには元手が必要。その元手を作るにはお金をしっかりと管理・設計をしないといけません。こうした『順番」が重要です」とのことです。

⇒『金融庁』「最低限身に付けるべき金融リテラシー
https://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20131129-1/01.pdf

瀧さんからは、

「家計管理は自立とほぼ同義。お金のリテラシーは『自立とは何か』を理解することだと私は考えています。自立とはなんでも自分一人ですることではなく、他人を頼ることを理解しているという状況だと思います。自分の状況を理解し、どうにもならないとき、何を頼るのか、どんなことに頼れるのかをちゃんと理解しておくことが、自立したといえるのかもしれません。投資であれなんであれ、何を始めるにも、自分がどんな状況なのか理解しておかないといけないということです。そのため、大学生の皆さんはまず自己管理から始めてみるといいです。自分の足元をしっかりと見てみましょう」

といったアドバイスがありました。

大学生のうちに投資を経験するのもいい

瀧さんによると「投資を経験するのもいい」とのこと。

「家計管理をして、そこで余っているお金があれば投資してみるのもいいです。投資と聞くと、ものすごく勉強しないと始められないというイメージが強いかもしれませんが、そこまでハードルは高くありません。例えば、つみたてNISAなどで政府が対象にしている商品を毎月3,000円くらいから始めてみるのもいいでしょう。実際に自分が体験することが学びとしては一番。投資した銘柄が上がる下がるという経験を繰り返すことで、次第に投資に慣れていくはず。自分にとって投資とはどんなものかを学ぶいい機会になります」

とことです。

ただし、大学生活で投資できる金額はそこまで多くありませんから、社会人になってから、十分なお金の運用が可能になってから始めてもいいそうです。しかし、いざ投資を始めるときに元手がない、何をすればいいのか分からないということにならないよう、学生のうちからお金の自己管理に慣れておき、どのような投資の方法があるのかを学んでおくといいでしょう。