星野リゾートのリスクマネジメント担当は「快適な宿泊体験」を支える縁の下の力持ちだった！【星野リゾート】
所属部署：コンプライアンスグループ（リスクマネジメントユニット）
経歴：2021年4月に新卒入社。8ヶ月間（4~11月）、「西表島ホテル」でレストランの朝食営業と客室清掃に取り組む。朝食チームではゲストサービスに加え調理業務も習得。当日の現場責任者として日々のレストラン運営に貢献。次の４ヶ月間（12~3月）は「リゾナーレ熱海」で朝食調理に従事。調理の仕込みマニュアルを作成し内製品の質安定化の基盤づくりにチャレンジ。今年の４月からはコンプライアンスグループのリスクマネジメントユニットに異動し、主にリスクマネジメント知識習得のための学習ツールの整備・構築と食品リスク関連の業務に取り組んでいる。
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」ーーそんな悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#お仕事図鑑」。
今回は「星野リゾート」で働く先輩社会人にインタビュー。
将来の「マイスター」を目指し、「Management Meister Course」でキャリアを積んでいる内山葵さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました！
――内山さんはどんな学生時代を過ごしていたんですか？
地元の和菓子屋さんでアルバイトをして、お金が溜まったら好きなことにつぎ込む……そんな生活を送っていました。私の地元は埼玉県の川越で、周辺には和菓子屋がたくさんあったんです。その中でも、小さい頃から大好きで、馴染みの深かった和菓子屋さんで働かせていただきました。
※ドイツインターン中の休日
――学生時代に一番頑張ったことはなんでしょう？
一番時間を費やしたのはアルバイトですが、一番頑張ったのは卒論の作成だったかもしれません。皇位継承のときに行われる皇室行事「大嘗祭」をテーマに、その変遷について書きました。
――今も心に残っている学生時代の経験などはありますか？
大学では文学部で日本史を専攻していたのですが、史学の勉強の中で「なるほど」と思ったのは、「事実は一つしかないけど、真実は人の数だけ存在する」ということです。
事実の解釈は人によって異なりますが、史学は事実を比較して考察することで、学びや気付きを抽出し、それらをより抽象化することで現在に還元する学問であると解釈しています。
例えば本能寺の変では、明智光秀が織田信長を殺害したという「事実」はありますが、善悪は当人たちの考え方や身分によってかなり変わってくるかと思います。
※トルコ旅行
――就活前にやっておいたほうがいいことがあれば教えてください。
自分のことをしっかり他人に語れるくらい、ちゃんと理解しておいたほうがいいということです。これは社会人になって将来のキャリアを考える上でも重要なことなので、今から自分自身のことについて考えても決して損はしません。
――今の会社を選んだ理由は何だったのでしょう？
もともとサービス業に興味があって、サービス業界を満遍なく見ているうちのひとつに星野リゾートがあったんです。
特に印象的だったのが、普通の会社の説明会では会社の特徴や事業に関する情報が前面に出てくる中で、星野リゾートだけは“就活生のみんなのキャリアをどう描くか”という視点で、「みなさんが思い描くキャリアに星野リゾートが合うようであれば、ぜひ一緒に働きましょう」というスタンスだったんです。
いろんな企業の説明会に行きましたが、もう星野リゾートしか覚えていないくらい印象的でした（笑）。
――今のお仕事の内容について教えていただけますか？
私はコンプライアンスグループのリスクマネジメントユニットに所属し、全国の星野リゾートの施設を安全に運用するためのサポート役を担っています。学生の皆さんも、例えば学園祭で火を使う機会があれば消化器を準備しようとなりますよね。リスクマネジメントユニットでも、まさにそういったことを各施設が行えるようサポートしています。
※リスクマネジメント会議で発言中の写真
――この仕事ならではの特徴的な作業は何でしょう？
私たちはいわゆるオフィスワークで業務にあたっていて、基本的にはメールでの文面のやりとりや報告書の作成業務などが多いですね 。メールでは言い回しや助詞の使い方ひとつで受け手の印象も変わりますから、言葉遣いは意識的に気をつけています。
――メールで物事を伝える上で大切にしていることはありますか？
納得感を大切にしています。一方的に「こうだから」と言われても、普通は心がついていかないですよね。相手に届く言葉を使い、言い回しを考えて伝えることで、お互いに納得したうえでルールを守ろうね、という関係です。
――実はあまり知られていない仕事の「秘密」はありますか？
星野リゾートの場合は「コンプライアンスの捉え方」が独特ですね。弊社の社員はみんな、ルールが存在する意味や目的を理解したうえで動いていて、これがフラットなチーム作りに繋がっています。会社全体として持っておきたい価値観としてのルールは存在しますが、最低限それさえ守っていれば、あとは個々で自由に仕事できる環境となっています。
※施設の厨房への立ち入り検査（リスクマネジメントユニット）
――仕事のやりがいをどういうときに感じますか？
「お客さまがホテルや施設で快適に過ごせる」という“当たり前の状況”を支えていることにやりがいを感じています。宿泊者の皆さまは、基本的に余暇を楽しみにきているので、滞在中に火事や食中毒で辛い思いをすることなど望んでいません。決してそういう事故が起こらないよう、「お客さまがホテルや施設で快適に過ごせる」という“当たり前の状況”を、縁の下の力持ちとして支えていることにやりがいを感じています。
――仕事の面白いと思う点や魅力について教えてください。
いろんなバックグラウンドを持ったスタッフと喧々諤々（けんけんがくがく）の議論ができることでしょうか。些細なことでも、「ここをこうしたらもっとよくなるんじゃないか」という自分の考えを伝えれば、みんなで「じゃあ、変えていこうか！」という話になります。そういう社風はすごくいいなって思っています。
――この仕事で求められるスキルは何でしょう？
コミュニケーションスキルです。周りの社員から学べることはたくさんありますから、積極的にコミュニケーションを取ったほうがいいと思います。コミュニケーション能力というと、「明るい性格でみんなを笑わせる」みたいなイメージがあるかもしれませんが、聞き上手になることでコミュニケーション能力を磨くこともできます。
――これまで一番印象に残った仕事について教えてください。
入社して2〜3ヶ月目のことですが、お客さまに強めの口調で詰められたことがあったんです。あのときは頭が真っ白になって、ひたすら謝ることしかできませんでした。
そんなときに、先輩が「お客さまも、最初からクレームをつけてやろうと思って来ている人なんていないんだよ。クレームをつけるにはそれなりの理由があるんだから、お叱りを受けると考えるより、星野リゾートに何を期待して来てくれたのかを考える機会にしよう」と言ってくれたんです。それからは、クレームの捉え方もガラリと変わりました。
※レストランで接客中の写真（西表島ホテル）
――オフタイムの過ごし方についても教えてもらえますか？
最近は料理を作って気分転換しています。先日は生バジルが安く手に入ったので、ガパオライスを作りました。乾燥したバジルスパイスだと香りが立たないのですが、生バジルで作ったガパオライスはやっぱり美味しかったですね。
――プライベートで、何か仕事に活かされていると感じることはありますか？
料理は仕事でも活かされていると思います。今は実家に住んでいるので、「家族のためにも何時までには作らないといけない」と時間を設定をしますし、私は“効率厨”なので、料理をしながらキッチンの片付けもしたいんですよ（笑）。料理で培っている段取り力のようなものは、職場でも役立っているのかなと思います。
――最後に、大学生の皆さんにメッセージをよろしくお願いします。
「自分に正直にいよう」とは常々思っています。皆さん、就活ではいろんな企業を受けると思いますが、会社によって求める人物像や能力は変わりますから、それに合わせて自分を変えてしまうより、自分が何をしたいか、自分の価値観と合う会社はどこかと考えながら就職先を選んだほうが、より良いご縁に恵まれるんじゃないかと思います。頑張ってください！
※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。
文：猿川佑
編集：学生の窓口編集部
取材協力：星野リゾート
