「農業は未来のあるビジネス」。農園「ベジLIFE!!」 代表・香取さんが語る、農業という仕事の魅力

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香取岳彦さん ベジLIFE!!代表

 サラリーマン家庭に育ち、幼い頃から起業に興味を持つ。大学卒業後は商社に就職し、海外営業を担当。2016年に脱サラして野菜の農家に転身。祖父の畑を引き継ぎ、農園「ベジLIFE!!」を開く。現在は、研修生の受け入れや農業体験イベントなど様々な活動に取り組む傍ら、飲食店などと個人契約し、自身で販路の開拓も行う。産直通販サイト「食べチョク」に登録してから、農園の売り上げは430%増に。

「大学3年生から将来を真剣に考えるように」

「仕事が大変」「稼げない」など、マイナスのイメージを持つ人が多い農業。しかし、商社勤務から農家へと転向した香取さんは、まったく違う意見を持っているようです。

職業としての農業には、どんな魅力があるのでしょうか? 香取さんに自身のキャリアについて学生時代から振り返っていただきました。

 現在、千葉県我孫子市で農園「ベジLIFE!!」を営む香取さん。この畑はもともと香取さんの祖父が所有していたものですが、農家で育ったわけではなかったそうです。

 「親はサラリーマンでいわゆる転勤族。東京から大阪、名古屋、兵庫、茨城、千葉と、転勤を繰り返していたので、祖父の家に住んだことはありません。ただ子供の頃は夏休みになると泊まりに来て、田んぼで遊んだ記憶はありますね。そういう経験があったからかもしれませんが、漠然と祖父の畑を守りたいとは思っていました」。

 

その後香取さんは、大学の情報学部に進学。しかし学業よりも趣味であるテニスに没頭する日々を過ごしていたといいます。

「親に学費を出してもらって大学に通っているのに、このまま得るものがないのはまずいなと。大3年生からは心を入れ替えて、めちゃくちゃ勉強を頑張りました。まず教員免許取得のために単位を取りまくって、修士を卒業できるくらいまで全力を尽くそうと思いました」。

 香取さんは、その頃から将来についても真剣に考え始めました。「若いうちに何を成し遂げておくのが一番いいのか」と考えた結果、一つの道に辿り着いたそうです。

 「将来家族を持ったら、気軽に海外に行って仕事をするというのは難しくなる。だったら若い頃にやっておいた方がいいと思い、海外営業ができる企業を目指しました。ただ、なにぶん僕はあまり 英語ができなかった。就活で大手の商社を何社も受けたけれど、どれも筆記試験落ち。最終的に採用されたのは、一社だけだったんです(笑)」。

全力を尽くせば、英語が苦手でも成功できる

大学3年生からの怒涛の巻き返しで、商社に就職することができた香取さん。ただ、最初から希望する仕事を任せてもらえたわけではなかったようです。

「『海外営業をやりたいです』と希望したら、当然『英語はできるのか』って聞かれますよね。でも僕は英語が苦手だったんですよ。いまだにTOEICは400点代しか取れないと思います(笑)。でもそれを言い訳にして諦めるんじゃなくて、まずは国内営業を一所懸命頑張ることにしました。数年経ってそれが認められて、中国でApple社との仕事を担当することになったんです」。

念願の海外営業を担当するようになってからは海外の工場と取引するため、中国と日本を飛び回る日々。香取さんは、iPhoneの部品となる材料を海外に輸出する貿易事業に携わっていました。当時を振り返りながら、「とにかくハードな毎日だった」と話します。

「『明日までに結果を出さないといけないから、すぐ中国から日本に行って材料を持ってきてくれ 』と言われることがあるんですよ。もちろん仕事ですから、往復1日で日本と中国を行き来しますが、果たしてこうまでして移動する必要はあるのかという疑問は常に抱えていましたね。確かに人の立場を守るという意味では必要な移動だと思いますが、地球単位で見たら環境にも良くないし、不要なものなんじゃないかと」。

技術の最先端にいるApple社との仕事が、香取さんが農業という仕事に就くきっかけにもなったといいます。

「世の中がいくら便利になっても、人間は健康にはならない。そう思ったときに自分は便利なものを追求し続けるよりも、人の健康のためになることをやりたいと考えるようになりました。そのなかで見えてきたのが農家という選択肢なのです」。

農業はビジネスとしても未来がある仕事


その後、Apple社との事業の成功を一区切りにして、商社でのキャリアを終えた香取さん。商社で培ったビジネスパーソンとしての視点も、農業に進む後押しをしてくれたといいます。

「今、農業界があまり盛り上がってないと言われていますが、盛り上がっていないということは敵が少ない。僕が少し何かをすれば間違いなく目立つし、頑張れば一大事業になっていくなと(笑)。農業を仕事に選んだのはそういう戦略もありました」。

商社を退職してからの1年間は無農薬栽培を実践する農家で修行しながら、一から農業を勉強。2016年に農園「ベジLIFE!!」をスタートしましたが、当初から順風満帆というわけではなかったそうです。

「最初に直面した課題は土づくりでした。先輩農家からいい肥料を教えてもらっても、同じようにいい野菜ができるわけではなかった。匠の技術たる長年の土づくりには、努力だけではなかなか追いつけないんですよ」。

そこで香取さんが目指したのは、都市近郊型の農業スタイル。現在、千葉県に10箇所ほどの畑を借りて野菜を育てています。香取さんの農園では、農業体験も積極的に受け入れています。

「高校生や大学生だけでなく、近隣の幼稚園や小学校の農業体験も行っています。農業体験した子供たちが、学校帰りに畑の前を通るときに挨拶してくれるんですよ。幼い頃から畑を身近に感じてもらえたらうれしいですね。都市近郊型農業だからこそできることだと思っています」。

収穫した野菜を、すぐ都心部の消費者に届けられるという魅力もある都市近郊型農業。香取さんは、産直通販サイトの「食べチョク」を利用して旬の野菜セットを消費者に届ける直販サービスを展開しています。

「『食べチョク』を利用するようになってからは、より多くの人にうちの野菜を知ってもらう機会ができたと思います。オンライン上でお客さんと交流を持てるので『届いた野菜でこんな料理を作った』『おいしかった、また頼みたい』などの声をいただくと励みにもなります」。

 香取さんが語る農業という仕事の魅力

香取さんが農家という新たなキャリアをスタートしてから、今年で7年。農業にはどんな魅力があるのでしょうか?

「家族で過ごす時間が圧倒的に長いというのは、この仕事の喜びだと思います。『これはお父さんが育てたブロッコリーで、これはトマトだよ』というように、自分の子供に親がどんな仕事をしているのかも、すごく伝わりやすい。 まさに親の背中を見て育つという家庭環境です。遊ぶ場所に困ったら畑で遊べばよいし、子育てには最適な環境です。子供達の成長を肌で感じることもできるのが、僕が考える農業の魅力だと思います」。

香取さんは「農業=楽しい仕事」ということを、若者にも知ってもらいたいと語ります。

「実際に農業を体験したら、その魅力に気づけると思います。うちの農園では子供たちの農業体験を積極的に受け入れていますが、いつか松下村塾のような農業塾を開くのが目標 の一つです。幼い頃からもっと農業に触れる機会を作っていけば、少しずつ憧れの仕事に近づけると考えています」。

「食べチョク」とは?

株式会社ビビッドガーデン 代表取締役社長 秋元 里奈さん

こだわり生産者から食材や花卉などを直接購入することができるオンラインの直売所。日本の産直通販サイトの中で認知度や利用率など6つのカテゴリーでNo.1を獲得、現在、7000軒以上の生産者が登録しています。生産者から直送されるため食材の新鮮度は抜群。なかなか市場に出回らない食材や限定品とも出合うことができます。

取材・文/安藤茉耶 

撮影/@morito 

編集/学生の窓口編集部

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