「知的好奇心が掻き立てられる環境」で新しい宇宙食を作る。ユーグレナ先端科学研究所・豊川さんの挑戦【株式会社ユーグレナ】

編集部:ゆう

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プロフィール:豊川知華:2020年新卒入社

所属部署:R&Dセンター 先端科学研究所

経歴:2020年 京都大学大学院博士号(生命科学)取得。同年株式会社ユーグレナに入社。
石垣島にある生産技術研究所に配属された後、2021年より横浜にある中央研究所に勤務。

「将来の“なりたい自分”がまだわからない」ーーそんな悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#お仕事図鑑」。

今回はバイオベンチャー「ユーグレナ」で働く先輩社会人にインタビュー。

R&Dセンター 先端科学研究所で働く豊川知華さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!

学生時代編微生物の研究をしながらバイト3つ掛け持ち&空手道場通い

――豊川さんはどんな学生時代を過ごしていたのでしょうか?

※大学院生時代、京都の国際学会で発表&運営スタッフをしました

子どもの頃から環境問題に関心があったので、学生時代はユーグレナと同じ微細藻類の仲間の「クラミドモナス」という微生物を使いながら、光合成の研究をしていました。微細藻類は二酸化炭素を細胞内に取り込み濃縮する能力が驚くほど高いんです。具体的には、光合成によって固定された二酸化炭素をバイオ燃料の炭素源に変える研究にあたっていました。

また、隙間時間は塾講師やホテルでの接客、牛丼チェーンなど、掛け持ちでアルバイトをし、趣味として小学生から続けている空手の道場にも通っていました。

※空手道場の仲間

――学生時代に一番頑張ったことは何でしょう?

一番頑張ったのは、塾講師のアルバイトですね。塾では中学生に数学と理科を教えていて、教壇では「勉強って楽しいよね!」なんて授業中に言いながら、子どもたちと一緒に青春を謳歌できたと思っています(笑)

――仕事で役立っている学生時代の経験はありますか?

※大学院生時代、ケンブリッジ大学の国際学会で発表しました

研究室やアルバイト先、空手道場など、たくさんのコミュニティに所属していたので、色々な人と接することができました。色々な人の多様な価値観に触れられたという経験は、今でもすごく活きていると思います。

また、博士課程まで進んだことで論理的思考が身についたと思いますし、立場を超えたディスカッションも多かったので、物怖じせずに自分の意見を伝える姿勢も身につきました。

そういった経験も仕事で活かされている……と信じたいです(笑)。

※大学院生時代の研究室での様子

――就活前に、何かやっておいたほうがいいことがあれば教えてください。

私はユーグレナ社しか受けていなかったので参考にならないかもしれませんが、やはり大学院で専門性を身につけたことはよかったと思っています。

あとは個人的な話になりますが、私はあまり就活のハウツーには惑わされず、それよりも個性を伸ばしたり、協調性を身につけたり、興味の幅を広げることに時間を費やしました。

それ以外の道を知らないので偉そうなことは言えませんが、自分では納得しています(笑)。

――今の会社を選んだ理由は何だったのでしょう?

実は、ユーグレナは創業当時から注目していた会社だったんです。社長の出雲充がテレビ番組の「カンブリア宮殿」で、「ミドリムシ(※「ユーグレナ」の和名)が可愛いんです!」って力説しているのを見て、その微細藻類への愛情にすごく共感できたんです。

また、熱量の高い人が集まっている会社であることも大きな決め手でした。特に、先端科学研究所を取りまとめているユーグレナ社の創業者の1人で、現在、執行役員の鈴木健吾さんは知的好奇心の塊のような人で、その人柄に惚れちゃいましたね(笑)。

※沖縄テレビに出演

社会人編ユーグレナは「知的好奇心が掻き立てられる環境です」

――今のお仕事の内容について教えてください。

今は横浜市鶴見区にある研究所で働いていて、ユーグレナの有用な株をゲノム編集で作り出したり、微細藻類の宇宙食の可能性を探るためにユーグレナの培養方法を改良したり、日々実験しています。

ユーグレナは光合成をして増えるので、人の呼吸によって排出された二酸化炭素を酸素に変えることができます。また、尿として排出された成分をタンパク質へと変換できるので、もちろん栄養豊富な食事として利用できます。

このように、宇宙空間での人の暮らしに微細藻類が循環を生み出してくれるんです。ワクワクします!

――この仕事ならではの特徴的な作業はありますか?

生物を扱っているので、土曜日、日曜日にも時々お世話をしていることでしょうか。強制ではないんですけど、やっぱり土日も連続的にデータを取りたいんですよ。研究所のみんなもそうですが、休みたいという欲より好奇心が勝ってしまいます(笑)。

――実はあまり知られていない仕事の「秘密」があれば教えてください。

秘密ではないのですが、大学での研究とは違い、企業での研究は実験に費やす時間があまり多くないんです。どちらかというと事務系の仕事も多くて、例えば研究費の予算管理も大変ですし、共同研究するにあたっては契約書関連の書類手続きも少なくありません。マーケティングや商品企画部門などとも横断的に連携を取るので、ミーティングも意外に多いと思います。

――仕事のやりがいをどういうときに感じられていますか?

知的好奇心が掻き立てられる環境にあることですね。同じ現場で働いている上司の鈴木健吾さんは本当に盛り上げ上手ですし、興味の裾野も広いので、私も引っ張られていますね。実際、一緒に邁進している感じがするので、そういうときには強いやりがいを感じます。

――この仕事の面白いと思う点や魅力についてもご紹介ください。

新卒の研究者としては与えられる仕事の範囲が広いのと、ベンチャー企業ならではの裁量権の大きさも魅力だと思っています。宇宙食の研究は大きなプロジェクトですが、たった数人で回しているんですよ。人数が少ないとやることも多いのですが、その分、早く成長できると感じています。

――今の仕事に求められるスキルは何でしょう?

裁量権が大きい分、主体性は大切ですね。誰も知らないことを任されることも多いので、自分でイチから調べて実行する主体性が求められます。

もちろん、コミュニケーション能力も大切です。研究はとにかくわからないことだらけなので、いかに多くの人を巻き込んで、相談しながら情報を得ていくかが重要だと思います。

――これまで一番印象に残った仕事について教えていただけますか?

今は横浜市の鶴見研究所にいますが、昨年10月までは沖縄県石垣島の研究所にいました。食品用のユーグレナを大量培養している拠点が石垣島にあって、そこに併設された研究所ではユーグレナの味や香りの改善を目指す研究などをしていたのですが、そこで実際に微細藻類を作っている現場が見られたのはとても印象に残っています。

※石垣島の会社仲間と

プライベート編格闘技でオンオフのメリハリがつき、睡眠の質も向上!

――オフタイムの過ごし方を教えてください。

もともと空手をやっていたのですが、今はそれに飽き足らず、キックボクシングと総合格闘技も始めました(笑)。あとはお笑いライブにもよく行っています。好きな格闘家は堀口恭司さん、好きな漫才師は金属バットさんです!

※石垣島でのオフショット

――プライベートの中で仕事に活かされていると思うことはありますか?

運動はオンオフのメリハリがつきますから、仕事にもいい影響があると思います。身体は疲れますが、その分、睡眠の質は上がっているはずなので、仕事の効率も上がったような気がしています。

――最後に、学生の皆さんに一言お願いします。

大学生のうちに熱中できることを見つけ、好きなことを伸ばしていくといいと思います。専門性を身につけることで仕事に直結することもありますし、その過程で新たな気付きや価値観も形成されますから、時間がある学生のうちに、自由に行動してみるのがいいと思います。

記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

文:猿川佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:株式会社ユーグレナ

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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