「感性工学」って何? 食べたときの“感情”を分析する特殊なお仕事の中身【株式会社 明治】

編集部:ゆう

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プロフィール:橋本佳穂里:2016年新卒入社

所属部署:研究本部 技術研究所 物性・感性研究部 感性工学G
経歴:2016年 東京農工大学大学院農学府 卒業。同年株式会社 明治に入社。 坂戸工場にてチョコレートの生産ライン管理に従事した後、2021年4月より研究本部にて商品の感性価値研究に従事。

「将来の“なりたい自分”がまだわからない」ーーそんな悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#お仕事図鑑」。

今回は、株式会社 明治で働く先輩社会人にインタビュー。

研究本部技術研究所の物性・感性研究部 感性工学グループで働く橋本佳穂里さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!

学生時代編「美味しくて、健康にもいい食品があったらいいな」という思い

――橋本さんはどんな学生時代を過ごしていたんですか?

普通の大学生と変わらないと思います。大学院の2年生まで通いましたが、授業を受け、研究をして、その合間にアルバイトしたり、友達と遊んだり……。ちなみに、研究は農学府で栄養をテーマとして、細胞に食品因子を添加したときの糖代謝変化を調べていました。

※大学時代、アメリカへの卒業旅行

栄養へ興味を持ったキッカケは、もともと食べることが好きだったことと、父が高血圧気味で健康に気をつかった食事になったことですね。実家ではよく減塩メニューが出ていたので、「どんな人でも美味しく食べられて、健康にもいい食品があったらいいな」と考えるようになったんです。

――学生時代に一番頑張ったことは何でしょう?

※大学時代、細胞観察の研究中

やはり研究ですね。土日以外はずっと研究に明け暮れていました。細胞は、植え継ぎする必要があります。簡単に言うと、お世話ですね。実験に使用するまで細胞のお世話をしないといけないので、絶えず細胞の管理が必要でした。

――仕事で役立っている学生時代の経験はありますか?

ひとつは研究です。実験をする前に、まずは細胞を育てて研究できる状態を作らなければいけないので、実験の日から逆算して細胞を育てる必要がありますし、その中で細かくスケジュールを管理する力が身に付きました。

※大学時代の旅行、アルパカと一緒に

もうひとつはサークルでの経験です。私の所属していたサークルはウサギとモルモットを飼っていて、定期的に近隣の小学校や保育園に連れて行き、子どもたちに触れ合ってもらいながら動物の生態について教えるイベントをしていたんです。小学校や保育園の先生と打ち合わせをし、一緒にイベントを実施していく中でコミュニケーション力も身に付いたと思っています。

――何か、就活前にやっておいたほうがいいことがあれば教えてください。

エントリーシートでは、よく「学生時代に力を入れたことは何か」「この企業で何をしたいのか」ということが聞かれるので、事前にベースとなる回答を持っておくと役に立ちます。

※大学時代、ヨーロッパ旅行へ!

就職後はなかなか他分野の仕事について知る機会がないので、就活中は分野を限定せず、少しでも気になる企業があれば会社説明会に行ってみるといいと思います。私は最初から食品系の企業しか見なかったので、もっと視野を広げてもよかったなって思っています。

――今の会社を選んだ理由を教えてください。

「食と健康」に興味があったというのが一番大きな理由です。食品会社の多くが食と健康を打ち出していると思います。その中でも明治は「チョコレート効果」や「プロビオヨーグルトR-1」など、健康にフォーカスした商品を出していますし、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広く愛される商品を扱っていたことも魅力でした。

社会人編食べたときの感情を分析する「感性工学」という仕事

――今のお仕事の内容について教えてください。

※研究所での仕事中の様子(デスクワーク)

研究本部技術研究所の物性・感性研究部 感性工学グループというところに所属しています。「感性工学」というのは、商品をみたり食べたりしたときに生じる「おいしそう」や「リラックスできた」などの感情を商品設計に活かそう、という仕事です。また感情の可視化にも取り組んでいます。例えば明治の商品で「即攻元気ゼリー」という商品があり、「飲んだら元気になれる」と謳っているのですが、「本当に元気になれているのか可視化しよう!」と考え、ヒト試験を行いました。

具体的には、「パソコン画面上で動く点をマウスで追う」という課題を、食品の摂取あり・なし条件で実施し、成績に差が出るかを見たり、血圧などの生理指標を測定することで課題に前向きに取り組めているかを調べました。

他にも、発売前の商品や試作品は、美味しさや風味(甘味・酸味など)に点数をつけて評価する官能評価を実施しますが、食べたときの感情……例えば「癒やされた」「頭がすっきりした」など、心理的にどう思ったかをチェックして、商品の特徴を調べたりもしています。

――この仕事ならではの特徴的な作業はどんなものがありますか?

とにかく人にお願いすることが多い仕事だと思います。実験では皆さんの協力が必要ですが、あまり負担をかけてもいけません。協力者には、ついたくさんの項目について聞きたくなりますが、できるだけ疲れさせないよう本当に聞きたい質問のみに絞ったり、相手への配慮を忘れないことが大切ですね。

――実はあまり知られていない仕事の「秘密」があれば教えてください。

官能評価のときの対象サンプルは、実は同じジャンルだけじゃないんですよ。例えば、飲むヨーグルトの評価をするときは、当然、競合他社の飲むヨーグルトと飲み比べもするのですが、同じ棚に並ぶジュースや牛乳と飲み比べたりもするんです。

あとは、尖った試作品を評価サンプルとして使用することもあるので、試食や試飲中に同じグループのメンバーと意見を出し合うのですが、それがとても楽しくて個人的には大好きです(笑)。食品会社で働いていてよかったな〜って思う瞬間でもあります。

――今の仕事のやりがいをどこに感じていますか?

人にフォーカスする仕事が多いので、個人差もあって難しいこともたくさんあるのですが、そのぶん奥が深くて、知れば知るほど新鮮で、楽しい仕事だと思っています。実は感性工学グループって、まだ弊社内では新しい部署なんです。

だから、どんな仕事をするのか具体的に決まりきっているわけでもなく、みんなと相談しながら手探りで進めているところでもあるので、挑戦しがいのある仕事だと感じています。

――では、この仕事の面白いと思う点や魅力について教えてください。

思ってもいないことにチャレンジできる点かなと思います。もともと4年間、お菓子の工場にいて、生産ラインなどの大きい設備の管理もしていました。入社当初はそんな仕事をするとは思っていなかったし、人の反応を測定する仕事に移るとも考えていませんでした。とにかくいろんな経験ができるので、とても面白い仕事だと思っています。

――この仕事に求められるスキルは何でしょう?

どこでも同じだと思いますが、やはりコミュニケーション力は大切です。いろんな部署やいろんな関係者と相談して仕事を進める必要があるので。あとは柔軟な思考力も必要ですね。思ってもいない課題が出てきたりもするので、柔らかい考え方ができれば、そういう課題にぶつかったときも、違った側面から物事を捉えられます。

今の部署で必要な知識という意味では、統計解析や生理心理学についてまさに勉強している最中です。

――これまで一番印象に残った仕事について教えてください。

大学と共同でやったヒト試験です。対象食品を摂取したときとしていないときで成績に影響が出るか、という試験だったのですが、当事の私はまだ「人の反応を測定するって何!?」っていう状態でした。

でも、共同研究先の学生さんたちの力を借りながら、約半年間をかけて試験を無事やり切れたときは嬉しかったですし、試験の一連の流れも経験できて、感性工学への理解も深められたと思いました。

――オフタイムはどんなふうに過ごしているんですか?

私はインドア派なので家でゆっくりすることが多いですね。最近はふるさと納税で圧力鍋をもらったので、少し料理をするようになりました。それまでほとんど料理はしなかったのですが、圧力鍋で作った肉じゃがや、おでんは美味しくできました(笑)

あとはニンテンドースイッチでゲームをしたり、YouTubeで猫やパンダの動画を見て癒やされています。

――プライベートの中で、仕事に活かされているなと思うことはありますか?

今の部署にきてから気にするようになったのが、スーパーマーケットやコンビニで「これ買おう」って思ったときに「私は今、なんでこれを買いたいと思ったんだろう?」と考えたり、実際に食べたときも、「今、これを食べたことでホッとしたかも」と意識して考えるようになりました。

――最後に、大学生へメッセージをよろしくお願いいたします。

就活中は自分自身と向き合って、自分は一体どんなことがしたいか、得意・不得意は何か、そして何十年後には何をしていたいかということまで考えました。就活はまさに自分について時間をかけて考えるいい機会なので、ぜひ納得がいくまでやってみてください。もちろん、リフレッシュも挟んでくださいね!

※研究所内にある「おいしい牛乳」ビッグパッケージ

記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

文:猿川佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:株式会社 明治

編集部:ゆう

編集部:ゆう

WEB編集者歴17年。
自分の編集した記事が「誰かのなにかのキッカケ」になってくれたら嬉しいです。

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