【出版業界志望者必見】 学生ならではの企画力と熱意がぶつかり合う「第17回出版甲子園」を、学生ライターがアツくレポート!

編集部:ろみ

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こんにちは!学窓ラボ学生ライターの西島華御(にしじまはなみ)です。

11月28日(日)に開催された「第17回出版甲子園決勝大会」のレポートをお届けします。田中みな実さんの1st写真集『Sincerely yours...』を60万部という驚異的なヒットに導いた編集者、小寺智子さんのトークショーレポートもお見逃しなく。

出版甲子園は、敏腕編集者・書店員の審査員に向けて直接プレゼンするチャンス、最終的には商業出版のチャンスを掴むため、全国から「こんな本を書きたい!」という企画書と熱意を携えた学生たちが集うイベントです。過去16回の大会をきっかけに世に送り出された本は、なんと39冊!

決勝大会に進んだ6企画はどんなものだった!?

3度にわたる選考を勝ち抜いて、決勝大会に進んだのは、こちらの6企画。1人6分間のプレゼンにたっぷり込められた情熱をご紹介します。

企画1:通訳案内士のふか〜い引き出し〜日本事象を掘り下げる!〜(箕浦由莉さん)

「“日本人はどうして規律正しいの?”あなたはちゃんと答えられますか?」
内容:語学と知識で観光ガイドの精鋭として働く通訳案内士。日本事象(文化、慣習、和歌など)を深掘りし、すべてのガイドにとって知識獲得の指針となる一冊を目指す。

筆者コメント:
審査員から「古典を通じて通訳案内することの意義は?」と聞かれた際の、「思いがけない知識を得られた時の喜びを届けることです。知らなくてもいいけれど知っていたら面白いことを知ることは、人生の醍醐味だと思うので。」という答えに共感しました!

企画2:京大医学部女子と診る! フィールドワーカー解体新書(木谷百花さん)

「さぁあなたも、“予想外”に出会う旅へ」

内容:世界中で調査を行うフィールドワーカー20人、100時間のインタビューを通じて学んだ未知の世界や価値観を紹介する。現代社会・コロナ禍において希薄になった他者との出会いや関心を読者に追体験してもらうことで、想像力を膨らませるきっかけを作る一冊。

筆者コメント:
一見、文化人類学っぽいテーマながら、フィールドワーカーも気付いていなかった部分を見つけ出して言語化することを「解剖」に例えたり、医療現場を自分がいつか飛び出すフィールドと捉えたりしているところに、医学部要素を感じて納得しました。

企画3:ロボットをつくりたいキミのための「ロボット屋さん」図鑑(古澤美典さん)

「キミは“どこ”で“どんな”ロボットをつくる人になる?」
内容:産業、教育、エンタメ…生活のあらゆる所にロボットはいます。そんな多種多様なロボットをつくる「ロボット屋さん」へのインタビューを通して、ロボットの魅力やロボットに関わる仕事のロールモデルをご紹介!

筆者コメント:
書籍化の意義を「リケジョやロボジョという言葉のない、なりたいものになれる、何者にでもなれる社会にすること」とお話されていたのがとっても印象的です。当たり前に見えるけれど、誰にとってもそうではないという現実を、誰よりも見てきた方だと思いました。

企画4:全ての悩みを打ち払う本〜虐げられた人々が生んだHIPHOP流自己肯定術〜(宮田峻輔さん)

「差別の中で培われた無敵の思考法」
内容:ラップなどのHIPHOPには現代の悩みにも効く強烈な自己肯定作用がある“ナラティブセラピー”が隠されています。HIPHOPの魅力と、メンタルヘルスの両面を余すところなくお伝えいたします!

筆者コメント:
ラップに書かれたテーマを心理学におけるナラティブセラピーの枠組みに当てはめた図が新鮮で面白かったです。リリック部分を棒読みではなく、熱を込めて歌い上げていたのも、プレゼン方法として勉強になりました。

企画5:「発達障害!?どーんとこい!!」~元療育士から、しんどいママ・パパへのラブレター〜(大門彩香さん)

「我が子の“障害受容”に戸惑うお母さんお父さんに読んでほしい本」
内容:障害への偏見を紐解き、親御さん自身の気持ちの混乱に寄り添うことで、(発達)障害児子育ての地盤を作るための一冊。

筆者コメント:
療育士としての実務経験が豊富な方だからか、話し方も優しく、安心して拝聴できました。「障害」とは「今の社会やシステムが不十分であるために、ある一定の人々に特に不便を強いてしまう状態」を指しており、「障害があるから不便という認識にはならない」とのお話が印象に残っています。

企画6:呪いを、科学する。〜この怪異、あなたは紐解けますか!?〜(中川朝子さん)

「この世の呪いは一つ残らず、科学の刃で解明できる!さあ、かかってこい」
内容:主に医学を中心とした科学知識に基づいて、「呪い」という事象を徹底的に解剖します!歴史上の事件や人体に起こる怪奇現象を取り上げつつ、現代や未来における新しい呪いのあり方についても論じます。

筆者コメント:
前情報なく「聞いてみてください」と言われた楽曲が、かつて「呪いの歌」として放送禁止になっていたと知ってゾクゾクしてしまいました。呪いをテーマにした漫画や映画の人気が高まっているなかで、その答えを科学的に教えてくれる本、ぜひ読んでみたいです。

書店に並んでいたら手に取ってしまいそうなほど、魅力的な企画の数々…。みなさんの推し企画は見つかりましたか?それでは、グランプリ、準グランプリ、ゲスト賞の発表です!

グランプリは…ロボットをつくりたいキミのための「ロボット屋さん」図鑑

グランプリ:ロボットをつくりたいキミのための「ロボット屋さん」図鑑に対する審査員からのコメント

実現可能性の高いよく練られたものとして評価が高かったこの企画。「工学をめざす女性や、豊かな夢を持った子供たちにも響くと良いですね」と期待のコメントがありました。

また、企画の狙い、著者性、構成すべてを兼ね備えた非常にいい企画として見事グランプリに輝きました。

準グランプリ:呪いを、科学する。〜この怪異、あなたは紐解けますか!?〜 に対する審査員からのコメント

「呪いを、科学する。」という意外なテーマの組み合わせが面白い、と評価。「科学に対するリスペクトを取り戻す」という志や、企画書の完成度も高く評価され、準グランプリを獲得しました。

ゲスト賞:「発達障害!?どーんとこい!!」~元療育士から、しんどいママ・パパへのラブレター〜 に対する審査員からのコメント

ゲスト審査員の編集者・プロデューサーの小寺智子さんは、「自分が編集担当になったらこういうふうに作って売るかな、という道筋が一番見えた企画だった」とコメントされています。

療育士として見聞きした現場のエピソードはとても貴重で、その経験を一冊にまとめた本は需要がありそう、とのことで評価されました。

ゲスト審査員、編集者・プロデューサーとして活躍されている小寺智子さんのトークショーも開催

さて、学生たちの書籍化に対する想いを堪能した後には、出版業界の最前線で活躍する先輩のお話も聞きたくなるもの。ここからは、編集者・プロデューサーの小寺智子さんのトークショーレポートをお送りします。

小寺智子さんが編集者を目指したきっかけ

手芸・DIY好きの母が、インテリア誌を何度も読み込んで楽しそうにしている姿を見て「自分の知らない人が母親を嬉しくさせているような感覚」を抱いていたそう。新卒入社当時は雑誌を担当していましたが、恩師の「小寺さんってページに込める熱量がちょっと雑誌に向いてないね」という言葉で、書籍編集の道へ。

出版社を本命にした就活で心がけていたこととは?

小寺さんがもっとも意識していたのは、曖昧な言葉で話さず、自分のことを大きく見せない練習をすること。ありのままの自分でどうぶつかるか、数十秒の面接でいかに覚えてもらうかを、時にお風呂で練習しては、出版社よりも先に始まる業界の面接で、トライアンドエラーを重ねていたそう。

「経済学部出身なのになぜ出版なの?」といった意地悪な面接には、マーケティングの話や留学話へのすり替えなどのテクニックで対応したり、工夫をこらしたとのこと。

編集者として大切にしている考え方も伝授!

書籍は作品ではなく、あくまでも商品だと捉えていると語る小寺さん。売り上げという形で結果を出すことが、関わった方々が報われる唯一のものだと思われるからです。

クリエイターではなく、商売人という認識で働くからこそ、著者が作りたいものと、世の中の人が求めるものとのすり合わせには気を遣われているそう。

編集の仕事は人やモノのいいところを見つけて、それをマーケティングと組み合わせて世に放っていく仕事ですが、その才能を活かす場所は本だけじゃなくていいとも語られています。ちなみに小寺さんの最終的な夢は、温泉街をプロデュースすることだそう。

個の力や感性のレベルアップを目指す学生のみなさんへ

「自己内観・分析を通して、とことん自分を知り、客観的に見ることが大切です。強みだけでなく、弱いところや脆いところも含めて自分で認めることで、人としてちょっとずつ強くなっていくでしょうから。自分が愛している人に接するぐらい、自分を大事にしてください。」と語る小寺さん。

また、「自分がまったく知らない世界に詳しい人たちと触れ合ったり、そこに出向いたりすることに時間とお金を使うことが大切。本物に触れる時間や経験が、感性を育てると思います。」とアドバイスを下さっています。

学生のうちにぜひ自分を見つめなおし、限られた時間のなかでさまざまな経験をしていこう!と筆者も感じました。

まとめ

「第17回出版甲子園」は、素晴らしい企画のプレゼンテーションに始まり、現役編集者からの心強いアドバイスに終わるアツい会となりました!

「私も自分の心の中にある企画をカタチにしたい!」と火がついた人は、既にエントリーが始まっている「第18回出版甲子園」をぜひチェックしてみてくださいね。

今まさに出版業界を志望している人も、ちょっと気になっている人も。まだまっさらな、あなただけの本の著者になってみるのはいかがでしょうか。自分の未来を切り開くペンは、あなたの手の中にあるのですから!

学生の商業出版を支援している「出版甲子園」では第18回エントリーを受付中!
2021年11月28日~2022年6月26日まで新たに本にしたい企画のエントリーを受付ております!過去に39冊が出版甲子園を通して世の中に送り出されました。
興味のある方はぜひ、ホームページをチェックし、応募フォームからご応募ください!

第18回出版甲子園企画応募フォームはこちら
HP:http://spk.picaso.jp/
Twitter:@spk17th
Instagram:@spk.picaso
Mail:shuppankoushien@gmail.com 

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