俳優・板垣瑞生が“学生の君に伝えたい3つのこと”「人生計画表を立てて、目標に向かって行動する」

編集部:あこ

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人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。

2回目のゲストは、6月4日(金)から公開される“共感必至の青春ラブストーリー”映画、『胸が鳴るのは君のせい』で、「イケメンでチャラチャラしているけど、実はいいヤツ」という、主人公・有馬のライバル、長谷部泰広役を演じている板垣瑞生さんです。

現在20歳と、大学生とは同世代ではあるものの、小、中学生の頃からすでに仕事を始めていたという、人生においては大学生の先輩的な立場ともいえる板垣さん。彼はいったいどんなアドバイスをしてくれるのでしょうか?

俳優・板垣瑞生が
<学生の君に伝えたい3つのこと>

1.人生計画表を立てる

ーー板垣さんが、学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはなんですか?

「人生計画表を立てる」のはいいんじゃないかな、と思います。“○年の○月までにこういうことをやる”とか。まずは大きい目標を立てて、そこから考えて小さな目標をひとつずつ積み重ねていくことで、効率よく目標が達成できるような気がします。

ーーその場合、計画表の最終目標はどこに持っていくのがいいと思いますか?

それは自分がどうなりたいかによると思います。本当は別に目標なんてなくてもいいと思うんですよ。やれることなんかいっぱいあるし、ひとつのことにぶつかりすぎて自分が壊れちゃうぐらいだったら、目標なんてなくていいと思う。

でも、ひとつのことをがんばることもすごく素敵なことだって僕は知ってるから、もしやるんだったら「〇〇に入る」とか「〇〇という仕事をする」とか、できるだけ具体的に考えた方がいいと思います。そうすれば「じゃあそれを達成するためには何が必要か」ということも考えられるし、どんな行動を起こせばいいかも自然と見えてくるじゃないですか。ただ「やりたい!」という感情だけで動くことって難しいから、そこを具体的にしていくのはひとつの手だと思います。

2.映画『台風クラブ』と『セッション』を観てほしい

ーーなるほど。では次に、学生のうちに見てほしいモノを教えてください。

相米慎二監督の『台風クラブ』(85)は、学生のうちに観ておいた方がいいと思います。あと、『セッション』(14)も。僕はハタチを超えて「大人になれ」って言われ続けて、「大人ってなんだろう?」ってすごく考えて、考えすぎてわからなくなっていたときに『台風クラブ』を観たんですけど、そのとき「これだな」って思ったんですよね。

“若さゆえの羞恥心のなさ”を感じたというか……、台風の中、学校に閉じ込められた生徒たちの話なんですけど、それはもしかしたらただの心理描写で「まるで台風の中にいるようだ」ということを言っているのかもしれない。僕はそう感じたんですけど、この映画を観て、僕も“生き急ぎたいな”って思ったんです。たった一度の人生なんて台風みたいなものだし、台風が過ぎ去ったら晴れるかもしれないけど、晴れってちょっとラクをしているような気がして。だったら、その台風の中でもがけるような人になりたいなって思って。

「大人になると落ち着くのが普通」みたいな考え方もあると思うんですけど、たぶんその考え方は僕には合わないな、って。今はまだハタチだし、ぶつかっていく精神というか、わかったふりをするのが上手くなるんじゃなくて、わからないことはわからないと言える大人になりたいと思いました。

ーーでは、『セッション』のおすすめポイントは? 本作は名門音大に入学したドラマーと伝説の鬼教師の物語ですが。

僕には恩師といえる方がたくさんいるんです。演技の面でもいるし、小学校の頃の先生にもいて。『セッション』に出てくる主人公の恩師を見ていると、自分の恩師に投影しちゃうんですよね。『セッション』も『台風クラブ』と似ていて、自分の好きなことに対して無我夢中でがんばる必死感というか、「何かを成したい」というあのアグレッシブさはずっと持っておきたいなと観るたび思いますし、僕ももう一度自分を見直さなきゃ、もう1回練習し直さなきゃ、と何度も思わせてくれる作品です。

ーー観るたびに「自分もがんばろう」と気持ちを奮い立たされる?

そうですね。「負けてられないわ!」ってなります。

3.お風呂を楽しむ!

ーー板垣さんが、これまでの経験を振り返って「やっておいてよかった」と思うことはありますか?

う〜ん……(と少し考えて)お風呂ですかね(笑)。

ーーお風呂ですか!? 

なんかお風呂好きなんですよね(笑)。「どんなに忙しくてもちゃんと湯船に浸かった方がいい」って思う。毎日じゃなくてもいいんですけど、「お風呂に入ることを忘れるぐらい忙しいんだったら1回お風呂入ってみれば?」って、僕はいつも自分に言い聞かせてます

ーー忙しいと思うときこそ入るようにしているんですね! それは、癒されたり、リセット効果を感じるから?

それももちろんありますけど、単純に「こういう贅沢ってすごくいいな」って。だってお水をあんなに使うって昔の人からしたらものすごく贅沢じゃないですか(笑)。僕は自分の中の贅沢だと思って最近はお風呂を楽しんでます

今までの恋愛映画にいたような人とは思われたくなかった

ーー最初に『胸が鳴るのは君のせい』の長谷部役のオファーがあった時はどんなふうに思われましたか?

原作を読ませていただいたんですけど、僕は登場人物の中で長谷部がいちばん好きだったんです。だから、「面白く演じたいなぁ」という気持ちでワクワクしてました。長谷部に対して感じたワクワク感を長谷部を演じるときにも持っていたいというか。長谷部は一見チャラく見えるけど実はすごくワクワクしていて、有馬くんやつかさちゃんをおちょくるのが楽しかったりとか、そういう風に見せたいって。「こうやったらこの人の本当の姿が見れるんじゃないか」とか、そんなことを考えながらお芝居してました。

ーー長谷部役を演じるにあたってどんな役作りをされましたか? 

観ている方に長谷部という役を掴ませたくなくて。「こういう役だからこうくるよね」って思われちゃったらやだなと思って、そこを裏切っていきたいというのはすごくありました。もちろんキュンとするようなシーンもたくさんあるんですけど、たとえばしゃべりながら急におもちゃで遊び出すような、「え、それこのタイミングでやるんだ?」みたいなことだったり、女の子といるシーンなのに一緒にいる女の子の顔を全然見てなかったり……。そういう、普通の人がするようなコミュニケーションじゃなくて、何かひとつ外した感じがいいな、きっとそういう人なんだろうなって思いながら演じてました。

ーーまっすぐじゃないというか、天真爛漫で明るいキャラに見えて、実はちょっと影がある感じもしますよね。

その2つが両立していたらいいなって思ってました。天真爛漫に見えるからこそ、実は……みたいなところもあったら面白いし、とにかく、今までの恋愛映画にいたような人にはなりたくないなと思ってました。

うっきー(浮所飛貴)は子どもっぽいピュアさのある有馬のような人

ーー有馬隼人役の浮所飛貴さんと共演された感想をお聞かせください。

すごく面白い方でした。人としてすごく素敵で、熱いし、すごく天然だし、本当に有馬役にピッタリだなって思います。有馬って、クールな中にピュアさがあるじゃないですか。だからみんな有馬のことを好きになっちゃうんだろうし。その、“子どもっぽいピュアさ”みたいなものを本人からもすごく感じたんです。わからないことがあったらガンガン聞いてきてくれるし、その熱さもすごくカッコいいなって思いました。

ーー撮影現場での印象深いエピソードはありますか?

撮影後、メイクを落としたあとに、(同級生役の若林)時英と3人でいろんな話をしたんですよね。内容は言えないですけど(笑)、けっこう真剣に未来の話なんかをして 。現場で真剣な話をすることってあまりないんですけど、いい景色を見ながら、「またこうやって一緒に仕事ができたらいいね」っていう会話ができたのも、うっきー(浮所)だったからなのかな、って。

ーー映画の中で、特にお気に入りのシーンはありますか?

僕、つかさに叩かれるシーンが大好きなんです。長谷部は“失恋”という意味の花言葉がある花が描かれているイヤーカフをしているんですけど、叩かれた瞬間、そのイヤーカフが飛んでいっちゃったんですよ。あれ、気づくかな? その奇跡というか……(笑)。“失恋”という意味のイヤーカフが、つかさに叩かれた瞬間ふっ飛んでいっちゃったことに興奮しちゃうし、運命的なものも感じて「この作品は素敵な作品になるだろうな」って思いました。

ーーじゃあ、そのシーンには要注目!ですね。

伝わりにくいかもしれないんですけど、実はそんなことがあったんだという。でも、叩かれた瞬間はなにがなんだかわからなくて「あれ、なんか飛んでった? どういうことだ?」みたいな、そんな感じでした(笑)。

ーー今作では高校生役を演じられていましたが、板垣さんご自身はどんな高校生だったんですか?

ごくごく普通の高校生でした。芸能学校に行っていたわけでもないし。普通の学生でいたかったので、それはすごくよかったです。でも、本当に自由に過ごしてましたね(笑)。

ーーでは最後に、これから映画をご覧になる方にメッセージをお願いします。

この作品は学生たちが主人公の話なんですけど、学生時代ってすごくあっという間じゃないですか。そんな“あっという間”の学生たちがこの作品の中で生きていて、みんなそれぞれ抱えているものがあって。でもそれって、誰しも通じるところがあると思うんです。もちろん、めちゃくちゃライトに生きている人もいればそうじゃない人もいると思いますけど。

愛とか、人をまっすぐに思う気持ちって、ときには人を変えることがあるかもしれないし、 そんな気持ちを誰かに発信することの勇気や笑顔をもらえる作品だと思うので、ぜひ、同じクラスメイトのような気持ちで見てもらえると嬉しいです。

PROFILE

板垣瑞生

2000年10月25日生まれ。東京都出身。 『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(15)では1万人を超える大型オーディションから準主役を勝ち取り、その演技が評価され、日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。TVドラマ「社内マリッジハニー」(20)、「FAKE MOTION-たったひとつの願い―」(20)と立て続けに主演を務める。『初恋ロスタイム』(19)で映画初主演を果たす。

映画『胸が鳴るのは君のせい』
6月4日(金)全国公開

マイペースで掴めないクールな有馬隼人と、何事にも一生懸命で明るくしっかり者の篠原つかさ。有馬が転校してきてから2人は親友のように仲良くなっていく。友だちから背中を押されたつかさは意を決して有馬に告白をするも断られてしまう。告白したことを後悔するつかさだったが、変わらず接してくれる有馬を、一途に思い続けると決意。そんな2人の関係に、少しずつ変化が生まれていく。

浮所飛貴( 少年/ジャニーズJr.) 白石聖
板垣瑞生 原菜乃華
河村花 若林時英 箭内夢菜 入江海斗・浅川梨奈 RED RICE(湘南乃風)


映画『胸が鳴るのは君のせい』公式サイト
©2021 紺野りさ・小学館/「胸が鳴るのは君のせい」製作委員会

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取材・文/落合由希
撮影/三橋優美子
編集/学生の窓口編集部

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食べることと寝ることが大好き。休みの日は家にこもって、ひたすら映画やドラマを見たり、漫画や雑誌を読むのが幸せ。

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