用途別インターネット回線の最適な速度とは? 速度計測方法や遅いときの対処法も詳しく解説
インターネットの回線が遅いときに「どのくらいの速度が出ているのだろう?」と気になったことはありませんか? また、ふとした瞬間に「いつも利用している回線は、ほかの人と比べて速いのか遅いのか」と気になることもありますよね。
オンラインで授業を受けたり、就活でオンライン面接を受けたりと、学生にとってもインターネット回線の速さは大切です。
そこで今回は、用途別に最適な速度や、ご自身でインターネット回線の速度を計測する方法、「回線が遅い」と感じたときの対処法について詳しく解説します。
インターネット回線の通信速度を表す用語
インターネット回線の通信速度を表す単位は「bps(ビーピーエス)」といいます。少し前まで100Mbpsでも高速と言われていました。ですが、今の光回線は1Gbps(1000Mbps)以上の回線速度のものもあります。
そもそも、通信速度の「上り」と「下り」とは
インターネット回線の通信速度は、「上り」と「下り」があります。これらはどのような違いがあるのでしょうか?
「上り」と「下り」とは「通信の方向」を示しており、送信(アップロード)が「上り」で、受信(ダウンロード)が「下り」のことを意味しています。
上り:メールを送信したりパソコンからネット上へデータを送ったりするときの通信をさします上り速度が速いほどメール送信やネット上に画像や動画をアップロードする時間が短くなります。ライブ配信やオンラインゲームをするときも上り速度が重要です。
下り:メールを受信したりネット上の情報をパソコンへ取り込んだりする通信のことです。下り速度が速いほど動画を見たり、サイトの表示が速くなったりします。YouTubeなどを見たり、オンラインゲームで遊んだりするにも下り速度が重要です。
最適なインターネット回線の通信速度
インターネット回線の最適な通信速度はどのくらいなのか気になりますよね。
一般的に、ストレスなくサクサク通信できるのは、上り・下りともにパソコンで10Mbps以上、スマホで5 Mbps以上といわれています。
Webサイトや動画を見ていていたり、オンライン授業を受けているときに「回線が遅いな」と感じた場合は「上り」「下り」の速度をチェックしてみると、原因がインターネット回線なのか他に問題があるのか判断できます。
用途別の快適な通信速度はどのくらい?
次に、LINEやメール、Webサイト閲覧、動画視聴、オンラインゲーム、オンライン面接やオンライン授業をするためにどのくらい通信速度が必要なのかを見ていきましょう。
なお、ご紹介する回線速度はあくまでも目安です。実際にはさまざまな影響を受けて変動することに留意してください。
LINEやメール
LINEやメールを快適に利用する場合は、下り200kbps~1Mbpsが目安となります。
テキストだけのほうが早く受信でき、画像や動画が添付されていると受信完了まで時間がかかります。
なお、スマホの契約プランによっては、1か月の通信使用量が上限を超えると通信制限がかかるものがあります。制限がかかると、多くのプランで通信速度が下り128Kbpsなど低速となりますが、この速度だとテキストのみのLINEやメールでも遅いと感じるかもしれません。
Webサイト閲覧
Webサイト閲覧を快適に利用するには、下りの通信速度は1Mbps~30Mbps程度が目安です。
画像がほとんどないテキスト中心のWebサイトなら、1Mbps程度でも問題なく閲覧できますが、写真や動画などがたくさん掲載されているWebサイトの場合は、最低でも3Mbps程度、できれば10Mbps以上あるとストレスなく閲覧することができます。
動画視聴
動画を快適に視聴する場合は、下り20Mbps以上あることが望ましいですが、解像度によって最適な速度が異なります。
20Mbps未満の場合、速度不足のため途中で動画が止まることもあり得ます。
なお、YouTubeでは動画の解像度による持続的な速度を、以下のように推奨しています。
動画の解像度 | 推奨される持続的な下りの速度 |
4K | 20 Mbps |
HD 1080p | 5 Mbps |
HD 720p | 2.5 Mbps |
SD 480p | 1.1 Mbps |
SD 360p | 0.7 Mbps |
▶引用:YouTube「動画ストリーミングに関する問題のトラブルシューティング」
オンライン面接・オンライン授業
オンライン面接や、オンライン授業はツールにより推奨される速度が違いますが、途切れることがないようにするには下り速度は20 Mbpsの通信速度、できれば50Mbps以上の通信速度が安心です。上り速度は20 Mbps以上あれば問題ないでしょう。
下記で「Webサイトを活用する方法」「Googleの検索から計測する方法」と、インターネット回線の通信速度を計測する2つの方法を紹介します。どちらも簡単なので気になった方は試してみください。
▶参照:マイナビクリエイーター/Web面接の準備からマナー<自宅のインターネット速度はどれくらい?>
インターネット回線の通信速度を計測する方法
今現在利用しているネット回線が「遅いな」と感じたとき、また、いつも利用しているネット回線がどのくらいの速度なのかを知りたいときに、通信速度を計測する方法を紹介します。
Webサイトを活用する
ネット上には、回線速度を計測できるWebサイトがあります。いくつか代表的なサイトを紹介します。
fast.com
サイトにアクセスすると自動的に速度計測が始まります。上り、下り両方が計測可能です
speedtest
「GO」ボタンをクリックすると測定が始まります。上り、下り両方が計測可能です。
USENのスピードテスト
「測定開始」をクリックすると上り、下りが自動的に計測されます。
BNRスピードテスト
上り、下り両方の計測をできますが、測定は別々です。「測定開始」をクリックすると開始します。
ブロードバンドスピードテスト
「スピードテストを開始する」をクリックすると上り、下りの計測が開始します。
Googleの検索から計測する
Googleの「スピードテスト」は、iPhone、Android、Windows、Macなど、インターネット回線につながっている様々な端末で測定可能です。
測定方法は、以下の手順で行います。
1.Googleの検索窓に「スピードテスト」と入力して検索をかける
2.「速度テストを実行」をタップ
3.上り、下り両方の回線速度の数値と評価が表示される
「回線が遅いかな?」と思ったときにすぐに試せるので便利です。
通信速度を計測する際の注意点
通信速度を計測する際には以下の点に注意してください。
測定以外のネット利用は停止する
測定するときは、回線測定以外のブラウザを閉じる、アプリケーションやソフトを極力使用しない、測定する機器以外のものをネットにつながない、といった対応をするとより正確なデータがとれます。
通信速度は時間帯によっても異なる
インターネット回線は時間帯により速度が異なります。利用者数が多い時間帯には回線速度が遅くなりやすいです。より正確に測定したい場合は、平日と休日、昼間と夜間といったように何度か測定すると平均値が見えてくるでしょう。
最適な通信速度よりも遅い場合の解決方法
インターネット回線の速度が遅い場合、以下の解決方法を試してみましょう。
・Wi-Fiルーターに端末を複数接続している場合は関係のない端末のWi-Fiをきる
・Wi-Fiルーターの接続を確認する
・Wi-Fiルーターを再起動する
その他インターネットに繋がらない主な原因と対処法は下記の記事を参考にしてください。
▶オンライン授業に繋がらない!? トラブルの主な原因と対処法・改善策をわかりやすく解説!
また、インターネット回線の速度、安定性に不満や不安を感じている場合は、光回線の利用がおすすめです。光回線は上りも下りも通信速度が安定しているからです。
特にオンライン授業や、就活でのオンライン面接、就職後のリモートワークには安定したインターネット回線が不可欠です。ほかにも、オンラインゲームや動画視聴にも、光回線は力を発揮します。
まとめ
インターネット回線の最適な速度や、遅いときの対処法をご紹介しました。
「日常的に回線の遅さに困っている」「安定したネット回線を利用したい」といった場合は、光回線に切り替えることをおすすめします。オンライン授業やオンライン面接には安定したインターネット環境が欠かせません。将来的にリモートワークにも利用できるので、早めの切り替えを検討してみましょう。
教えてくれたのは…
砂流 恵介さん
秋葉原でパソコンショップ販売員の経験を得て、日本エイサーへ入社。宣伝・広報を担当する。2013年に同社を退職後はパソコンを含むガジェットのレビューを様々なWEBメディアで執筆。また、BtoC企業を中心にPR業務やコンサルタント、ゲーム実況配信など、多方面で活動している。
構成・文:Media Beats
編集:マイナビ学生の窓口編集部
協力:東日本電信電話株式会社